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さぁ、ひと息いれて思い描けば、そこは旅先 <はじめての方は>
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自然が親だと思えるって、野生の動物?
だけど魚介を殺して食い、風を感じながらねむる……。
< 本文は:物語風に4分 >
目次
1.タウパの前書き
2.具合がわるくなった?
3.歳をかさねて
4.がんじょうなヤシの葉
5.雲や風といっしょに
6.しずかにしていれば
7.荒れた海
8.親だから
9.まとめ
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き
こんにちは、海や林ですっぱだかであそぶ、10才のタウパです。
ぼくたち子どもは、自然を親だなんて思わない。
海や林、日陰や太陽。
みんな友だちなんだってばぁ。
2.具合がわるくなった?
木漏れ日が黒い地面にゆれ、道からおれたウングが、自分の家の敷地へはいりました。ヤシの木にかこまれたなかほどに、葉をふいた屋根の母屋が建っています。
軒を頭をさげてくぐり、床一面にしいたヤシの葉をあんだマットをふみました。
床のすみに寝具のマットをしいて横になっている、曽祖母に気づき口をわずかにひらきます。
「ひいおばあちゃん、どうして……」
ウングが曽祖母にあゆみよります。
「ただいま」
ウングが曽祖母のよこにあぐらをかきました。
「今朝は寝てなかったのに、ひいおばあちゃん具合がわるくなっちゃったの?」
曽祖母が顔をウングにむけました。
3.歳をかさねて
曽祖母がやさしく微笑みます。
「お腹が重くてねぇ、よこにならせてもらってるのよ」
曽祖母の着ている茶色い服のうえから、ウングがお腹に手をあてました。
「ウンチ、まだでないんだ……、ぼくの手がここにあるとくるしい?」
「ウングの手ぐらい、だいじょうぶよ。もう10日以上になるからねぇ」
ウングが心配そうに眉をよせました。
「ひいおばあちゃんのお腹、なんだかはってる感じがする」
曽祖母が笑みをふかめます。
「そうかもしれないねぇ。歳をかさねたからねぇ。体がいうことをきかなくなっても、仕方がないねぇ……」
ウングがパッと目を大きくします。
「そんなことない。ウンチはぜったいにでるから」
4.がんじょうなヤシの葉
ウングが曽祖母のお腹においた手をそっとうごかし、お腹をなでました。
「ひいおばあちゃん、かならず元気になってね」
曽祖母が、お腹においたウングの手に片手をかさねました。
「しんぱいない。このぐらい。わたしはまだまだ、だいじょうぶだから」
ウングが笑みをうかべます。
「そうだよ。ひいひいおばあちゃんだって、元気なんだから」
曽祖母がウングにむけていた顔を、ゆっくりうごかし上をむきました。
「だけどねぇウング、おまえのおじいちゃんが毎日朝と夕、ヤシの木にのぼって葉の芯に立ち、樹液をとるだろう。ヤシの葉はおじいちゃんがのっかっても、びくともしない。それはウングもわかるわよね?」
ウングがうなずきました。
5.雲や風といっしょに
上をむいたまま曽祖母が、目をつぶりました。
「若いヤシの葉が真上へむかってグングンのびる。すこしずつたおれて横になる。それがおじいちゃんののってる葉さ。それからは葉が、ちょっとずつ茶色くなっていく」
曽祖母が重ねた手をうごかし、ウングの手のひらがお腹をゆっくりさすっているようです。
「ヤシの葉が茶色くなりながら下へむいていくだろう。がんじょうなヤシの葉だって、そうやってくたびれていくの。ヤシの木もわたしたちも、おなじさ。どっちも自然から生まれたのよ。空をながれる雲や、海をわたる風といっしょに、生きてるの」
ウングがかすかに首をかしげました。
6.しずかにしていれば
母屋の屋根を支える柱よりずっと細い木が、火をつかう小屋の屋根を支えています。
小屋から白い煙がそとへながれていきます。
地面にヤシの葉をあんだマットをしき、そこに棒をもってあぐらをかいたウングの母親が、火のめんどうをみています。
ウングが母親にむいて立ちました。
「お母さん、おばあちゃんが、へんなこというよ。雲や風といっしょに生きてるって」
「そう……、雲や風は、どこまでもながれていくからね」
母親が燃料のヤシの実の皮を棒でおし、火を弱めました。
「しずかにしていれば、具合がよくなる時がくる、ってことじゃないかしら」
「ふう〜〜〜ん」
ウングが口を、わずかにとがらせました。
7.荒れた海
ウングがまえにでて、母親にちかづきました。
「ねぇ、お母さん。今日はひいおばあちゃん、やわらかい魚が食べられるよね?」
「そうねぇ、昨日も一昨日も干したかたい魚だったから、今日こそお腹のために、獲りたてを食べさせてあげたいわね」
ウングが母親の一方の肩に手をのせました。
「お父さん、漁にいってるんでしょう。だいじょうぶかな?」
ウングが海のほうへ顔をむけます。
「いつもしずかなのに、こんな時にかぎって、波がつよい」
母親がまた棒をつかって火を弱めました。
「おばあちゃんに、食べさせてあげたいって、お父さんも思ってるから。お父さんならきっと、魚をたくさん獲ってくるわ」
8.親だから
浜をあるいてきたウングの父親が、いっしょに漁へいった男とわかれ、敷地へはいってきます。
ウングがはしりよりました。
「おかえりお父さん、魚とれた!」
父親が肩にかけていた茶色い布の袋を、ウングにわたしました。
受け取ったウングが、両目を大きくします。
「えっ、かるい。空っぽだよ」
父親が笑顔になりました。
「おばあちゃんなら、だいじょうぶだ。しんぱいない。俺たち島の者は誰ひとり、海が怒るようなことは、していない。海は必ずおさまる。おばあちゃんが、辛くなるまえに」
父親がウングの頭に片手をのせました。
「おばあちゃんがいってなかったか? 自然がまもってくれる。親だからな」
9.まとめ
こんにちは、どふぁらずら。
ここで暮らしてると、よくわかる。
おいらたち人間は、自然の一部ずら。
おっと!
自然の子には、こんなやつもいるずら。
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