親の愛情・苦肉の策:気持ちを傷つける




*目にやさしい背景色を使用*











子どもはこうして、たくましくなっていくのかもしれない。








< 本文は:物語風に3分 >


目次

1.タウパの前書き <きっかけは、どうにもできない>

2.ずっと考えて・とってもいいアイデア

3.息子のために苦肉の策

4.なにも書いていない

5.書いてあるとおりにする

6.手紙が宝物に・勇気をくれた

7.ステキな手紙じゃないか

8.ウソつき

9.まとめ <解決しても、つらい>








それでは、物語風におくります















- そこは、さんご礁にかこまれたのしげる島 -








1.タウパの前書き<きっかけは、どうにもできない>


こんにちは、島に住む10才のタウパです。

7才の男の子の、トイヤのようすがへんだから、

トイヤのお母さんが、

トイヤの友だちから、きいたんだってばぁ。

それで、

お父さんといっしょに考えた。

でも、どうにもできなくて……。

















 

2.ずっと考えて・とってもいいアイデア

家のたつ敷地をヤシの木がかこみ、ヤシの葉にかこまれた空に、夕焼け色が染みています。

母屋の葉をふいた屋根のしたへ、お父さんが入りました。

お母さんの前に、あぐらをかきます。

「ようやくだ、ようやく、ずっと考えて、ようやくだ」

トイヤの件だとさっしたお母さんが、お父さんに身をよせました。

うなずきながら、お父さんの話をききます。

「わたしたちがいったんじゃ、説得力がないもの。いいわ、とってもいい考えよ。きっとトイヤへのいやがらせがやむわ。わたし、紙と書くもの、よういしますね」

お母さんが母屋から、でていきました。

















 

3.息子のために苦肉の策

厚手の葉をあんだマットをしいて、横をむいてねむっていました。

朝、トイヤが目をあけるとそこに、ノートからやぶいたページが、折っておいてあります。

それを手にトイヤがあぐらをかき、紙をひらきました。

≪わたしはブアです≫

黙読したトイヤが、おどろいたように目を大きくしました。

≪ブアって、この世界に空と海をつくった、あのブアってこと!≫

トイヤが、読み進めます。

≪君ならイジメッ子に、たちむかえる。ふたりの正面にたって、ふたりの目をちゃんとみるんだ。そして胸をはっていう。次、ぼくになにかしたら、先生にいう、と。しんぱいない、トイヤには、わたしがついてる≫

















 

4.なにも書いていない

かまどの小屋の屋根をささえる柱のあいだから、白い煙がそとへでていきます。

棒をもったお母さんが、火を前にして、あぐらをかいていました。

「お母さん、これみて」

トイヤが手紙をわたします。

「なんなのこれ、なにも書いてないじゃない」

トイヤから事情をきいたお母さんが、ヤシ林を背にした豚小屋へいそぎました。

柵のうえから中へホウキを入れ、お父さんが掃除をしています。

「お父さん、ちょっとこれをみてください」

















 

5.書いてあるとおりにする

お父さんとお母さんが、トイヤにむいてしゃがみました。

「ブアからの手紙は、大人には読めない。もらったその子だけ、書いてある文字を、みることができるんだ」

それにお母さんが、大きくうなずきました。

トイヤが、声にだして手紙を読み、お父さんがトイヤの肩に、りょう手をおきます。

「ブアがぜったいに、トイヤを守ってくれる。トイヤは、ここに書いてあるとおりにすればいいんだ。自信をもて」

しっかりうなずいたトイヤをみて、お母さんがほっとします。

≪よかった。つらそうに小学校へいく姿をみるのも、これで終わるわ……≫

















 

6.手紙が宝物に・勇気をくれた

小学校のやすみ時間に、トイヤへ歩みよったふたりに、トイヤはブアにいわれたとおりにしました。

それからトイヤは、いやがらせを受けることがなくなり、ブアからの手紙が、トイヤの宝物になります。

手紙が勇気をくれました。

お母さんにたのんで制服の茶色い短パンに、入れるところをつくってもらいます。

手紙といっしょに、小学校へかよいました。

家に帰ったトイヤが、あそびにいこうと、短パンをぬぎました。

「あれっ! ブアからの手紙がない。さっきまであったのに――」

はだかで母屋から、飛びだします。

















 

7.ステキな手紙じゃないか

パンの木の枝葉が、トンネルをつくる道を、トイヤが走ります。

茶色いふくをダボッと着た、おばさんを追いこしました。

「あらっトイヤ、待ちなさい」

走りながらトイヤが、ふりかえります。

「もしかしたら、これをさがしてるのかい?」

おばさんが、手紙を手にしていました。

トイヤが、おばさんを前にします。

「ブアから手紙をもらうなんて、ステキじゃないか」

「どうしてブアからだって、わかるの?」

「だって、ここに書いてある」

 
















8.ウソつき

黒っぽい土の道に、白っぽい木漏れ日が、ゆれていました。

手紙を片手に持ち、トイヤが歩いています。

肩をおとし、足どりがおもそうです。

トイヤにむいてしゃがんだ、お父さんとお母さんの顔を、思いうかべました。

≪ウソつき……≫

トイヤの胸に、ふくらんだ自信が、小さくなっていきます。







 

9.まとめ <解決しても、つらい>






 

こんにちは、どふぁらずら。

いやがらせは、解決した。

んだが、

子どもを傷つけ、信用をうしなう。

つらいずら。




おっと!

傷ついた痛みが、優しさや強さになるといいずら。

・惚れなおす >








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