< 本文は:物語風に3分 >
目次
1.タウパの前書き
2.作業をするお父さんとお母さん
3.老いた娘たち
4.70年ほどたってから
5.2才をむかえるころのふたり
6.今もかわらない姿
7.まとめ
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
ぼくは幼いころ、どんな子だったんだろう?
おじいちゃんになったら、わかるのかな?
えっ今も、死ぬまでつづくって!
どういうことなのか、わからないってばぁ。
2.作業をするお父さんとお母さん
母屋の床には、ヤシの葉をあんだマットが一面にしかれ、そのはしに90才をすぎた夫婦が、ならんであぐらをかいています。
腰に茶色い布をまいたおじいさんは、木の道具をふりあげ、もう一方の手でつまんだヤシの実の皮をたたきます。
皮を石にのせ、道具が重たい音をたて、かんそうした粉がとびちって、髪の毛のような茶色いせんいがのこりました。
おばあさんは手製の茶色いワンピースを着て繊維を数本もち、まえにだした一方の足のふくらはぎにこすりつけます。
よった繊維どうしをこすりつけ、手のひらの脇からひもがのびていきました。
3.老いた娘たち
おばあさんが座りなおして家のそとへむき、りょう手をこすりあわせて粉をおとし、顔をあげました。
「あらっ! もしかしたらあれはっ? おじいさん、おじいさん、ちょっとみてください」
「なんじゃ、どうしたというんじゃ」
道具をおいたおじいさんが、おばあさんと同じほうにむいて座りました。
「あれです。となりの家とのあいだのヤシ林です。ちょうど中程の、ほらあの幹のよこに、わたしたちの娘と、となりの娘さんが、むかいあって地面にあぐらをかいています」
おじいさんがおどろいたように目を大きくひらきました。
「おお、ふたりとも下をむいて、あれはまさしく!」
おじいさんが、うれしそうな目をします。
4.70年ほどたってから
おばあさんもうれしそうに、頬をゆるめました。
「あのふたりのようす。70年ほど、まえになりますかねぇ」
「ああ、そのぐらい昔のことじゃ。さいしょは、おどろいて、幼かったふたりを、たすけようとしたじゃ。ふたりのまわりの地面が、アリで黒くなるほどじゃった」
おばあさんがゆっくり息をすいました。
「それにしても、不思議なことですよねぇ。アリが集まってくるのもそうですけど、あの子たちふたりは、アリにたかられないんですからねぇ」
「まったくおかしなことじゃ。わしが近づいたら、すぐにアリが足にたかってきたじゃ」
「ええ、わたしもでした。まるでアリに近よるなって、いわれてるみたいでしたから」
おばあさんが懐かしそうな目を、ふたりにむけています。
5.2才をむかえるころのふたり
おじいさんが、小さく息をはきだしました。
「あれは、あの子が2才をむかえるころからじゃった。毎日のようにとなりの子といっしょに、ああしてアリとあそんどったじゃ」
「ふたりがそれぞれ手にした、細くてじょうぶなヤシの葉の芯の先で、地面をゆっくりなぞるんですよね」
「そうするとアリが1列になって、その棒についていくじゃ」
「昔のままですねぇ」
「ああ、ちがいがあるとしたら、今は、服を着てあぐらをかいてるが、昔はすっぱだかで、しゃがんどった」
「棒についてながれるアリの行列が、みえるようですねぇ」
6.今もかわらない姿
「なぁに、これまで毎日せわしなくって、わすれてたじゃ。それを、年をとって余裕ができて、思いだしたんじゃろう」
「小さいころの気質は、死ぬまでかわらないって、いいますからねぇ。なつかしいですねぇ。むかしは、ああしてふたりがむかいあってる姿を、作業をしながらチラチラうかがうのが、精いっぱいでしたからねぇ」
「ああ、まるで昔にもどったようじゃ、ぜいたくじゃのう。こうして座ってゆっくり、あの子たちをみていられるじゃ」
「ええほんと、あの下をむいてもくもくと、棒をうごかしてるようす、あのころのままですねぇ」
7.まとめ
こんにちは、どふぁらずら。
アリと仲よし。
それが、気質かどうかは、なんともいえないずら。
んだが、
三つ子の魂百まで。
老いたのに、幼いころのままずら。
おっと!
こっちは、パパとママの約束ずら。
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