見たことない物、想像すると、どうなるんだろう?
本文は:物語風に6分
<ふりがな> 小学3年生~
1.タウパの前書き <こんな家に住んだら・こんなハンモックに乗ったら>
2.さぁ、どんな家を想像する?
3.今度は、ひもができるところを、想像するよ
4.さぁ、どんなハンモックを、想像する?
5.家に住んだり、ハンモックに横になったりしてみよう
6.飛行きを見たことのないタウパが、みんなの知ってる飛行きを、想像するよ
7.タウパが想像で、飛行きに乗るからね
8.まとめ
🍒 それじゃあ、物語みたいに、いくよ
1.タウパの前書き <こんな家に住んだら・こんなハンモックに乗ったら>
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
はじめの、家、ひも、ハンモックは、
どんなのか、
みんなが想像してみて。
こんな家に住んだら、こんなハンモックに乗ったら、
って想像もね。
そのあとぼくが、想像するね。
ぼくの想像、わらわないでってばぁ。
2.さぁ、どんな家を想像する?
ヤシの木のあいだをとおって、タウパが小学校から、もどりました。
自分の家を、前にして立ちます。
顔をあげて、葉でつくった屋根へ、目をむけました。
葉がかれて、はい色をしています。
おとなの手のひらほどのはばをした、細ながい葉です。
細くなるほうが下へむいて、あつくかさなっていました。
屋根が、すべり台のように、ななめになっています。
その一番ひくい先たんを、のきと言います。
のきは、タウパが体をすこし、前にかがめてくぐる、高さです。
四すみと、そのあいだに立つはしらが、屋根をささえています。
家にはかべがなく、どこからでも入れました。
タウパが、のきをくぐります。
3.今度は、ひもができるところを、想像するよ
家の中はゆかが、小学校の教室の、半分ぐらいの広さです。
ゆかには、ヤシの葉をあんだマットが、しかれていました。
かれて、茶色くなっています。
そのゆかのはしです。
せ中を、家の外へむけていました。
タウパのおばあちゃんが、あぐらをかいています。
こしに茶色いぬのを、まいただけの、すがたでした。
一方の足を、前にだしています。
その足のふくらはぎに、かた方の手をこすりつけました。
黒ばん消しぐらいの長さの、赤茶色をしたせんいです。
かみの毛のように細いせんいが、手のひらの下で、くるくる回りました。
数本のせんいが、1本になります。
今度は、1本になったせんい同士を、持ちました。
その長さの半分ほどずらし、せんいをつなげます。
手のひらのはしからひもが、回りながらのびていきます。
「ただいま」
タウパが言いました。
「どふぁら兄ちゃんは? どふぁら兄ちゃんは、どこ?」
4.さぁ、どんなハンモックを、想像する?
タウパが家をとび出し、海のほうへ走ります。
その足を、とめました。
≪なんだ、どふぁら兄ちゃん、ねてるのか≫
タウパがゆっくり、足をすすめました。
はまに出る手前に、ヤシの木がならんでいます。
そのあいだに、黒いハンモックが、はってあります。
それは外国のぎょ船が、魚をつかまえるのにつかう、あみでした。
切れて島に、流れつきました。
それを、毛ふのような形に、切ります。
その両はしをたばね、太くつくったひもで、しばります。
そのひもを、両がわのヤシの木に、むすびました。
そこに、どふぁらが上をむき、体をバナナのようにまげて、ねています。
タウパが、どふぁらの顔の横に、立ちました。
ささやくような、言い方です。
「どふぁら兄ちゃん、はやくおきないかな?」
5.家に住んだり、ハンモックに横になったりしてみよう
ひもで組みたててあるんですよ。
きみが想像した家に住んだら、どんな生活なんだろう?
ごはんやトイレ、ねむるばしょは?
かべがないのに、どろぼうがこないのかな?
どんなハンモックを想像した?
そこはヤシの葉のかげの中、それとも日なた?
きれいな海から、気持ちのいい風がふいてくる。
ハンモックでねむったら、どんなゆめをみるんだろう?
さぁ、想像するよ、目をつぶって、ふ~って息をはいて……。
できたら次は、タウパが想像するからね。
6.飛行きを見たことのないタウパが、みんなの知ってる飛行きを、想像するよ
タウパが、どふぁらのね顔を、見ています。
どふぁらから聞いたことを、思い出しました。
≪空を流れる雲より、高いところなんだ。海鳥みたいに、つばさのある、飛行きっていうのが、とんでる。どふぁら兄ちゃんは、それに乗って、海をこえたことがある≫
タウパが、はねを広げたままとぶ鳥を、想像しています。
≪鳥が、大きくなったような、形をしてる。そのおなかの中には、イスっていうのが、いくつもならんでる。たくさんの人といっしょに、イスに座って空を、とぶんだって≫
タウパは、イスを見たことがありません。
そのタウパにどふぁらが、ハンモックにこしかけて、地面に両足をつきました。
≪イスって、こんなふうに座るものだよ、って教えてくれた。そこに座ってると、島にものすごい風のふいた日に、遠くから聞こえてくる、なみみたいな音が、してるんだって≫
タウパがどふぁらの顔を、じっと見ています。
≪鳥のおなかの横には、まどっていうあながならんでて、そこから外が見えるんだ≫
7.タウパが想像で、飛行きに乗るからね
ねむっているどふぁらの顔を、見ていたタウパが、顔をあげました。
立ったまま、空を見あげます。
海の上の、広い空です。
入道雲が、流れています。
≪あの雲の上を、大きな鳥のおなかの中で、たくさんの人といっしょに、ハンモックに座るみたいにして……≫
タウパが目を、かがやかせました。
≪風が、気持ちいいだろうなぁ、鳥みたいに、はやいんだろうなぁ≫
タウパが、両手をにぎりました。
≪まどっていうのから、外を見たら、雲が下にあるんだ! すっげぇなぁ≫
タウパが、にぎった両手を、むねの前にあげました。
≪雲の上って、どうなってるんだろう? ヤシの木が、はえているのかな? 白いから、すなはまみたいに、カニがいっぱい、いるのかもしれない≫
タウパの前がみを、風がゆらしています。
≪海を空から見るなんて、海ってどこまで、つづいてるんだろう。あの海の先が、見えるってこと!≫
タウパの目が、前の海のずっと遠くの水平線へ、むいています。
8.まとめ
想像するって、おもしろいずら。
タウパの想像、どうしょうもないかもしれない。
んだが、
おっと!
こっちでも想像を、しょうかいしてるずら。
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