読書って、読みながら自分の頭の中に、動画っていうのをうつす感じなんでしょう?
本文は:物語風に5分
<ふりがな> 小学3年生~
1.タウパの前書き <いっしょに助けにいく>
2.親に読んでもらって、子供は想ぞうしよう
3.おもしろかったら、つづきを自分で読もう
4.お話のつづきは
5.まとめ
それじゃあ、物語みたいに、いくよ
1.タウパの前書き <いっしょに助けにいく>
はじめまして、島に住む10才のタウパです。
女の子が、ぼくをよんでるんだ。
ぼくにはその声が、はっきり聞こえる。
小学生のみんな!
いっしょに女の子を、助けにいくからね。
空をとぶのって、気持ちいいってばぁ。
2.親に読んでもらって、子供は想ぞうしよう
ヤシの木の高さは、10階だてのビルと、おなじぐらいです。
その長いみきをまげ、のびないように、男たちがおさえています。
先たんの葉が、地面についていました。
葉をむすんで、中にタウパがいます。
みきが、まっすぐにもどる力を利用し、タウパが空へあがります。
「助けて、おねがいだから、わたしを助けて」
女の子の声です。
「ほら、また空から声がした。聞こえたでしょう?」
タウパが、男たちに聞きました。
男たちが、いっせいに首を横にふります。
「いや、おれたちには、女の子の声など、聞こえん」
「でもぼくは、決めたから。女の子を助けるって、決めたから」
しっかりとした、言い方でした。
「ぼくのじゅんびはいいから。みんなの用意ができたら、木をおさえてる、手をはなして」
男たちが、おたがいの顔を見て、声をそろえます。
「せぇのっ!」
みきが、空気を切る音をたてました。
葉が千切れ、タウパがとびだします。
気をつけのしせいで、青空へまっしぐらです。
「わたしを助けて、おねがい、おねがいよ」
タウパは両方の手を、ギュッとにぎりました。
≪やっぱり、女の子は、この空のどこかにいるんだ≫
心の中で言い、口に出しました。
「待ってて、今、助けにいくから」
タウパが、パッ、と両目を大きくひらきました。
「なんで! なんでなの? 空をとんでたのに」
地面のようなところに、立っています。
「それに暗い、どうして暗いの? ここはどこ?」
3.おもしろかったら、つづきを自分で読もう
「暗い。だけど、うすく見える」
タウパが、体をまわしました。
「なんにもないや。魚をとるりょうへ、つれてってもらった時にいった、すなだけの島に、にてる。でも、ここはすっごく、広い感じがする」
タウパが、歩きはじめました。
「すなだけの島だったら、海にかこまれてるのに。どこまでいったら、海になるんだろう」
立ちどまって、下をむきます。
「これ、すなじゃない。島の、家がたってるところと、おなじような土だ」
歩きだしました。
こんどは顔を、上へむけます。
「星や月がない。くもの広がった夜の空みたいだ。でも、空よりもっと近くに、終わりがある感じがする」
立ちどまって、ふりかえります。
「おんなじだ。どっちにいっても、おなじってこと?!」
「ちがうわ。そんなことない」
女の子の声です。
「さいしょに歩いたほうへ、もう少しきて。そうしたら、わたしがいるから」
タウパがふりかえって、歩きだしました。
「あぶない、とまって! 落ちるわ」
タウパが、両足をそろえます。
「うわっ! でっかいあなだ」
「そのあなのそこに、わたしがいるの。わたしは、ネイクウ、って言います」
タウパが、体を前にたおし、あなをのぞきました。
「ぼくはタウパ。あなのそこっていうけど、声がすぐそばから、聞こえてくるよ」
「タウパの声だって、近くから聞こえるわ。だけど、落ちてる時間が、長かったの」
タウパが、まゆをよせました。
「ネイクウは、どうして、そんなところに?」
「とじこめられちゃった。人の住む世界を、タウパが今いるうす暗い世界に、かえようとしたの。それができないように、ここに入れられちゃったみたい」
タウパが、首をかしげます。
「おねがいタウパ、わたしを、ここから出して」
タウパが、両手をひざにつきました。
「だけど、ネイクウを助けたら、助けたら。ぼくらの住んでいるところが、昼間も暗くなっちゃうんだよね?」
「だからってわたしを、タウパはおき去りにするの!」
4.お話のつづきは
タウパです。ごめんなさい、お話のつづきはありません。
ここはみんなへ、読書の楽しさを、しょうかいするページなので。
ぼくがいたお話の世界、想ぞうできた?
このお話を読んだ子は、それぞれにてるけど、ちがった想ぞうをするんだって。
聞こえるぼくやネイクウの声が、読む子によって、ちがうんだってばぁ。
それじゃあ、空を体だけでとぶのって、どんな気持ちなんだろう? ネイクウのいる世界って? そこにとじこめたのは? ネイクウのいるあなって?
どんななんだろう?
自分の想ぞうする世界が、広がる。
それが動画、っていうのにはない楽しさ、読書のみりょくなんだって。
読書って、おもしろいかも!
そう思ってもらえたら、うれしいってばぁ。
5.まとめ
やぁ、どふぁらずら。
つづきを読みたいずら。
タウパ、ネイクウのところへもどって、お話をつづけるずら。
ネイクウは、きっと!
ワニみたいな顔をして、プロレスラーみたいに力が、強いずら。
びっくりするタウパの顔、想ぞうすると、
うっひっひっ!