部屋でしずかに、じっとしたまま、ほぼ全身の筋肉をとりもどします。
＜ 本文は：物語風に３分 ＞
目次
１．タウパの前書き ＜道具は使わず・たったひとつの方法で＞
２．やり方・全身の筋肉がきたえられる
３．お手本・美しい筋肉
４．筋肉のない方へ・方法をていねいに
５．まとめ ＜上達すると普通にきつい筋トレ＞
のしげる島 ―１．タウパの前書き ＜道具は使わず・たったひとつの方法で＞
こんにちは、島に住む１０才のタウパです。
ここで紹介する方法は、道具は使いません。
たったひとつの方法で、全身がきたえられる。
自分のペースですこしずつ。
それでもちゃんと、筋肉がつくってばぁ。
２．やり方・全身の筋肉がきたえられる
家のたつ敷地のはしに、ヤシの葉が黒くくっきりと、影をおとしていました。
そこに両手をついてどふぁらが、腕立て伏せをしています。
肩から腕へ汗がながれ、その肌を海からふいてくる風が、なでていきます。
「どふぁら、おまえ、いくらなんでも、それはムリだろう」
ナコの声でした。
ナコは３０才のどふぁらと、おなじような年と背丈ですが、どふぁらよりずっとしっかりした、体をしています。
両手を地面につくどふぁらの顔の前に、褐色をした足の甲がならびました。
「おして、地面を動かそうって魂胆か？」
そんなんじゃない。
口に出して言いたいところですが、どふぁらはうなることしかできません。
海の漁や林の作業に、負けないようにきたえているのです。
「どふぁらは自分が、力もちって証明したいんだな。それにしても、もしも地面が動いたら、力もちをとおりこして、そりゃあすごいぞ！」
島には筋トレがなく、ナコは腕立て伏せをしりません。
「よし、だったら俺が、おし方をおしえてやる。まず、腕はのばさずに、曲げたままにするんだ」
どふぁらが、言われたとおりにします。
「あごをしっかりあげ、顔は前をむく、そうしたら、腹がへこむようにグッ、と腹に力を入れろ」
「うっ、ううっ」
「そうか、つらいか、だが、まだまだだ。そうしたら、腹に力を入れたまま、尻の肉をひきしめて、ついでに太ももに力を入れる」
どふぁらの全身が、小さくふるえだしました。
「いいぞ、いいぞ、きわめつけは、ふくらはぎだ。ふくらはぎに、力を入れると同時に、足の指をのばして、指先でささえる」
どふぁらの体のふるえが、大きくなりました。
「よし、体がふるえるのは、力が入っているからだ。まっすぐ前をむいたまま、よし、いいぞ」
ナコの言い方に、力が入ります。
「もうすこしだ。もうすこしがまんするんだ。いまおまえは、ものすごい力で、地面をおしてる。動くかもしれないぞ」
地面をおすというより、カチコチになった体が、地面におかれているようです。
３．お手本・美しい筋肉
立ちあがったどふぁらの肩に、ナコが片手をおきます。
「気にするな。最初はだれだって、短いあいだしか、おせない。だが、やってれば、長いあいだ、おせるようになる。おす、やすむ。おす、やすむを、自分で長さを決めて、くり返すんだ」
「うううっ」
「俺にやって、みせろってか！ おやすいごようだ。俺は、やすむ必要がない」
ナコが地面に両手をつき、両肘を突きだします。
顔をあげ、まっすぐ前をむきました。
「よし、腹に力を入れたぞ。ここからだ」
ナコの腕と背中の筋肉が、もりあがったかと思うと、お尻がしまって、ふくらはぎの形がかわり、爪先が地面をおします。
気張った言い方でした。
「どうだ地面、動いたか！」
４．筋肉のない方へ・方法をていねいに
「うううっ、う」
地面を押すナコの体から、力がぬけました。
「そうだな、長いあいだ病気をしていた人が、復活する場合はだな」
ナコが両膝をついて、よつんばいになります。
「この姿勢から両膝を、後ろへずらず。少しずつ遠ざけるんだ。それぞれの段階で、その姿勢をたもつ。最初は３つ、数えられればいい」
「うっ、ううっ」
「そうだ、日にちをかけてゆっくりでいい。だが、注意点がある。両手の真上に、両肩をキープだ」
ナコの顔が、まっすぐ前をむいています。
「それでもって、両膝がずいぶん後ろへさがったら、膝をうかせるようになる」
ナコがまた、腕立て伏せの格好になりました。
「そうしたら、腕をゆっくり曲げていき、地面にうつぶせになる。すこしずつ、ゆっくりにしていくと、途中でとまれる」
ナコの両肘が、でっぱっています。
「どうだ、ここまでくれば、俺たちといっしょじゃねぇか」
立ちあがったナコが片手を、どふぁらの肩におきました。
「ところで俺がおした地面は、どのぐらい動いた？」
「ううっ、ううっ」
ナコが両手を腰にあて、ヤシの木をみあげます。
「そうか、この木とおなじぐらいか！」
ナコの厚い胸を、大粒の汗がながれました。４．まとめ ＜上達すると普通にきつい筋トレ＞
こんにちは、どふぁらずら。
これだけで、ほぼ全身の筋肉がとりもどせる。
んだから、
できるようになったら、普通につらい筋トレずら。
んだが
そのころには、適度な筋肉が美しい体ずら。
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