< 本文は:物語風に2分 >
目次
1.タウパの前書き<昼寝も風といっしょ>
2.安心できる慣れた場所で
3.そこが清潔ならもっといい
4.リラックスする姿勢・腹式呼吸
5.考えていることは、息といっしょに外へ
6.風を感じてやすらぎます
7.まとめ
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き<昼寝も風といっしょ>
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
風は海からふいてくる。
風がとまるって、あんまりない。
ときどき強すぎるけど、いつも気持ちいいってばぁ。
昼間でも屋根の下で、風が寝かせてくれる。
2.安心できる慣れた場所で
浜辺に、ヤシの木がならび、すこし入ったところに、壁のない家が建っています。
四隅の柱が屋根と、その下の4畳ほどの広さの床をささえていました。
床は地面に立った大人の、腰ぐらいの高さです。
乾燥したヤシの葉の芯を、ならべて作ってありました。
壁のない高床の家に、いつも寝ています。
安心できる慣れた場所でした。
3.そこが清潔ならもっといい
地面と高床のあいだと、高床と屋根のあいだを、風がとおっていきます。
日中は家の中へ、地面や草木に跳ねかえった日差しが、飛びこみました。
高床に、厚手の葉をあんだマットをしいて、ねむります。
マットは日中、地面においたヤシの葉の上や草むらに、広がりました。
日差しが、汗を消して菌を殺してくれます。
高床の家と寝具は、清潔でした。
4.リラックスする姿勢・腹式呼吸
星の光のせいです。
ヤシの、スラッとした幹にかこまれた空間が、うっすら青味がかっていました。
はだかでねむるタウパに、どふぁらが背をむけて横になっています。
「どふぁら兄ちゃん、ねむれないんだけど」
どふぁらは、片腕を枕にして膝をまげた格好で、腰に巻いていた布を体にかけていました。
「うううっ、うっ」
しゃべれないどふぁらが、うなります。
それがタウパには、なんて言ったのか、わかります。
「リラックスする姿勢でしょう。あおむけになったよ。肩とおなじぐらいに、足をひらいた」
背をむけたままどふぁらが、うなりました。
「うん、両腕をのばして、手が体からすこし、はなれてる。手のひらを上にしてるよ」
「ううっ、うう」
「そうだよ。体の力をぬいてる。鼻からゆっくり息を吸って、口から長くはくんでしょう。わかった。くりかえしてみる」
目をつぶったタウパの胸が、ゆっくり上下します。
5.考えていることは、息といっしょに外へ
「ううっ、うううっ、うっ」
タウパが、目をつぶったまま答えます。
「うん、よくわかるね。気になる女の子のことを、考えてた。」
どふぁらがまた、うなりました。
「頭の中から女の子を、はく息といっしょに、外へだせって、そんなこと言われても」
「うっ、ううっ」
「ほんとだ。息といっしょにだしたら、頭が楽になった気がする」
タウパがまた、胸を上下させました。
6.風を感じてやすらぎます
どふぁらが目を閉じたまま、うなりました。
「うん、目をつぶって、体で風を感じてる」
タウパの声が、ねむそうです。
「風ってやさしいね。赤ちゃんって、こんな気持ちなのかな? お母さんの手で、そっと、なでられてるみたいだ」
「うっ、ううっ」
「わかった。しゃべらないで、しずかに吸ってはく」
犬が、高床の横をすぎていきます。
かたい地面を軽やかにけって、頭をさげてほんのすこし急いでる、そんな足音でした。
7.まとめ
こんにちは、どふぁらずら
風とねむる、心地いいずら。
慣れた清潔な場所で、リラックスする姿勢。
腹式呼吸しながら、考えていることを外へ。
ほんでもって、風を感じる。
壁のある家では、すこし遠くからせんぷう機の、微風ずら。
すやすや寝つくずら。