生きる意味:そんなの笑顔に決まってる




*目にやさしい背景色を使用*











口元が、ほんの少しゆるめば、大きな笑顔。








< 本文は:物語風に3分 >


目次

1.タウパの前書き <生きてる今しかない>

2.死んでも魚介は役に立つが、人間は腐るだけ

3.ちょっとしたことで

4.ささやかで大切な生きる意味

5.まとめ <人をどれだけ笑顔にするか>








それでは、物語風におくります














― そこは、さんご礁にかこまれたのしげる島 ―







1.タウパの前書き <生きてる今しかない>


こんにちは、島に住む10才のタウパです。

ほんとだ!

ニワトリやブタは、役に立つけど、

人間は死んだら――。

って、ことは、

今今今、今、やらなきゃ。


















2.死んでも魚介は役に立つが、人間は腐るだけ

 道が集落を、海側とヤシ林側に、二分しています。

ヤシ林を背にする敷地の奥に、高床の家が建っていました。

ヤシの葉の芯を敷きつめた床は、4畳ていどの広さをして、大人が腰かけやすい高さです。

その中ほどに、葉をあんだ寝具をしいて、発熱した5才の男の子のトイピが、あおむけにねむっています。

どふぁらが脇にあぐらをかき、両手でトイピの片手を、そっとつつんでいました。

「トイピのお父さんとお母さん、まだかな? はやく帰ってくるといいのに」

どふぁらのいっぽうの肩に片手をかけ、立膝をしているタウパが、ヤシ林のほうへ目をむけます。

「あっ!」

と、口をひらきました。

「なんだ、ちがうや。漁から帰ってきた男の人だ」

ふたりとも腰に、くたびれた茶色の布を、膝丈にまいた姿です。

ひとりは漁獲の入った厚い布のふくろを、もうひとりは白い網を、いっぽうの肩にかついでいました。

ヤシ林をでたところから、人があるいてできた道がふた手にわかれ、いっぽうは敷地の脇をとおっています。

「魚介はいいなぁ、死んで、役に立つんだからな。俺たちを生かしてくれてる。感謝されるもんなぁ。それも大人や子供に関係なく、みんな食べる前と後に、毎回だぞ。それなのに俺たち人間は、死んだらくさるだけで、井戸水が悪くなるからって、集落からはなれた、さみしいところに、埋められる。なんの役にも立たない」

「まぁ、そういうな。俺たちだって、こうして魚介を獲って、家族から感謝されてるんだ」

「お前、礼を言われたことあるか?」

「そりゃあ、ない。だが、獲ってきた魚をみて、うれしそうな笑顔をするじゃないか」

「まぁな、がんばってよかったって気になるぜ」

話しながらあるく、ふたりの声が聞こえていました。


















 3.ちょっとしたことで

ヤシ林のほうへむいていたタウパの目が、パッと大きくなります。

「きた! こんどはトイピの、お父さんとお母さんだ。やっと帰ってきた」

ふた手にわかれた道をあるき、敷地へ入ってきます。

ふたりとも30代半ばです。お父さんは茶色い布を腰にまき、お母さんは茶色いワンピースをダボッと着ています。

「タウパ、トイピの具合はどうだ?」

そう言ったお父さんは、トイピの薬にする木の枝を手にしています。

「少し楽になったみたい」

足を床からおろしたまま、高床に腰かけたお母さんが、体をトイピのほうへたおしました。

「ほんとだわ。眉毛のあいだから、力がぬけてるわ」

お母さんが、うれしそうにほほ笑みました。

その顔を、どふぁらへむけます。

「どふぁらも看病してくれたのね」

トイピの片手を両手でつつみながら、どふぁらが静かにうなずきました。

お母さんが、トイピに顔をむけます。

「トイピ、よかったわねぇ、楽になって。今、お父さんが薬を、つくってくれるからね」

お父さんがヤシの葉のマットにあぐらをかき、二枚貝の片割れをつかい、枝から皮をそいでいます。

タウパが立ちあがり、お母さんにむきました。

「どふぁら兄ちゃんに、交代してちょっとしたら、トイピの眉のあいだから、力がぬけたんだよ。ずっとうごかないで、トイピの手をつつんでた。どふぁら兄ちゃんの手って、すごい」

「もしかしたらトイピは今、わたしのおなかの中で、ねむっているのかもしれないわね」*そのページはあとで

お母さんの目から、やさしさがあふれるようです。

 
 















 4.ささやかで大切な生きる意味

お父さんが、ヤシの実の殻の茶色いうつわを持って、どふぁらのむかいにあぐらをかきました。

トイピを前にします。

「どふぁらの手が、効いたっていうじゃないか。だったらトイピは、もうだいじょうぶだ」

どふぁらがトイピの手から、両手をはなしました。

「トイピが、これを飲めればいいんだが、こうしても熱はさがる」

お父さんがうつわから液をすくい、その手でトイピの体をそっと、たたくようにします。

薬でトイピの上半身が、ぬれていきました。

頭や首、足のつけ根に、ていねいに薬をひたします。

トイピが、顔をうごかしました。

「う~ん」

小さな声をあげます。

お母さんが表情を、パッと明るくしました。

「お父さん、トイピが目を覚ましたわ」

「よし、それじゃあ、薬を飲ませるか」

どふぁらとタウパが、高床からおります。

どふぁらが軒に頭をぶつけないように、首を前にたおし屋根の外へでました。

軒先に立ったふたりが、陽光につつまれます。

お父さんとお母さんが、満面の笑みをふたりにむけました。

どふぁらとタウパは、胸の中まであたたかい陽が、さしこんだようです。








  5.まとめ <人をどれだけ笑顔にするか>







こんにちは、どふぁらずら。

死んだら役に立たない人間は、生きてるうちが勝負。

まさしく、生きる意味ずら。

どれだけ、人を笑顔にするか。

ささいなことで、笑顔になるずら。



おっと!

具合の悪い子が、母親のお腹でねむるページは。









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