勇気をとりもどす・遅すぎた自立




*目にやさしい背景色を使用*











もっとはやく、勇気をとりもどしていれば……








< 本文は:物語風に3分 >


目次

1.タウパの前書き

2.甘えることになるきっかけ

3.胸をはって普通にする自信がない

4.両親が亡くなる・泣いていてもお腹がへる

5.やるしかない・自分でとるエサは格別

6.やればできる・言われた通りに飛べる

7.もっとはやく飛んでいれば・自分が殺したようなもの

8.まとめ <とてつもなく深い後悔>     








それでは、物語風におくります















― そこは、さんご礁にかこまれたのしげる島 ―








1.タウパの前書き


こんにちは、島に住む10才のタウパです。

ぼくが草むらでみつけた鳥は、足と羽にケガをしていました。

手当てをして、元気になったんですが、

なんと、

飛ぶのを、忘れちゃったんだってばぁ。

両足で飛びはねて、ぼくのあとをついてきます。

そんな鳥がいるからか、島には、こんな話があります。

もっとはやく、

勇気をだせばよかったのに……。


















 2.甘えることになるきっかけ

ギンはグレーの小さな鳥です。

そろそろお嫁さんをさがす、ころのことです。

ギンが空を飛んでいると、べつの鳥が横にならびました。

ギンより少し大きな体をして、ギンより濃いグレーをしています。

≪いやな感じだなぁ。いじわるそうな目をしてる。近くにくるなよ、あっちにいけよ≫

その鳥が、ギンにつっこんできました。

ギンは、ななめ前へ進路をかえ、スピードをあげます。

鳥がギンを、追いかけてきます。

≪ぼくがなにを、したっていうんだ。君に悪いことなんか、してないじゃないか≫

ギンが林へ逃げこみ、木のあいだを飛びます。

すごいスピードで、枝のあいだを抜け、鳥から逃げます。

≪しつこいなぁ。弱い者いじめだったら、やめてくれ。うっ!≫

枝に羽をぶつけました。

地面に落ちましたが、追いかけてきた鳥は、そのまま飛び去ります。


















 3.胸をはって普通にする自信がない

ケガをしたギンが、草むらにかくれていました。

それをギンの父親がみつけ、ギンの母親といっしょにギンに、エサや水をはこびます。

ケガが治り、ギンが飛べるようになりました。

「飛ばなきゃだめかなぁ? 飛びたくないんだ。空にあがっても、ろくなことがないから」

ギンが下をむいて、つづけて言います。

「いやなやつがいるんだ。そいつから、逃げる自信がない」

父親がくちばしを、上下にうごかします。

「おまえは、逃げたのか?!」

「いやがらせをしてきたんだ」

「それは、おまえが胸をはって、堂々としていなかったからだろう。いいか、みてるんだ」

父親が飛びたちます。

父親が自分より大きな鳥の、横にならびました。

大きな鳥の目が、父親にギョロッ、とむきました。

父親はひるまず、まっすぐ前をむき、胸をはって飛んでいます。

大きな鳥も前をむき、もう父親をみようとしません。

父親がギンの横に、おりました。

「相手がどんなやつだって、普通にしていればいい。いいか、胸をはって普通にしていればいいんだ」

「そんなこと言われたって、ぼくは父さんと違うんだ」


















4.両親が亡くなる・泣いていてもお腹がへる

飛ぼうとしないギンに、両親がエサをはこびます。

これでは、ギンがますます、空から遠ざかります。

ですが、エサがないとギンが、おなかをすかしてふびんです。

ある日のことです。

エサをおいて飛びたった両親に、野犬が飛びつきました。

父親が、野犬の口につかまって食べられ、犬にぶつかって落ちた母親が、つぎに食べられました。

それをみていたギンは、怖くて体をふるわせます。

そして、両親が亡くなり悲しくて泣きました。

泣くだけなのに、おなかがすきます。

もう、エサをはこんでくれる、両親はいません。

地上には、野犬がいます。


















 5.やるしかない・自分でとるエサは格別

≪自分でエサをとらないと≫

ギンは、空へあがらなければなりません。

≪いやな鳥がきたら父さんが、おしえてくれたように、するしかない。そうしなければ、また落ちることになる。落ちたらもう、父さんや母さんはいない。それに、犬に殺される≫

怖くなってギンが、ブルッと体をふるわせました。

≪飛ぶしかない、飛ぶしか――≫

自分にいいきかせ、空をみつめます。

羽をひろげ、飛びたちました。

≪どんなもんだ。飛ぶのなんて、かんたんさ≫

木々のあいだを飛び、飛んでいる小さな虫をつかまえます。

≪うまい、自分でとったエサは、格別だ!≫


















6.やればできる・言われた通りに飛べる

エサを食べたギンが、木々の上へでます。

空がひらけました。

横に、ギンより少し大きい、濃いグレーの鳥がきました。

≪よし、父さんのように――≫

ギンが胸をはり、まっすぐ前をむいて飛びます。

濃いグレーの鳥の目がギョロッ、とギンをにらみました。

肩をつぼめそうになり、両親を殺した犬を思いだします。

≪ここでやらないと、もうあとがない。普通にだ、普通に、普通にしなきゃ≫

なんとか堪え、父親のように飛びます。

となりの鳥が反転し、ギンからはなれていきました。


















7.もっとはやく飛んでいれば・自分が殺したようなもの

飛びながらギンが、心の中で言います。

≪母さん、自分でエサをとったよ。父さん、胸をはって普通にしてれば、どってことないね≫

枝におりたギンが、がっくりと首をたれました。

≪ぼくがもっとはやく飛んでいれば、父さんと母さんは、死ななかった≫

ギンが、なみだをこぼします。

≪ぼくが父さんと母さんを、殺したようなもんじゃないか――≫







 8.まとめ <とてつもなく深い後悔>







こんにちは、どふぁらずら。

これは島では、

弱気になったやつにする、

勇気をとりもどさせる話ずら。

ギンの後悔は、とてつもなく深い。

自立、

遅すぎないのが、いいずら。




おっと!

親御さんも、遅すぎなのがいいずら。

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