それなのに、よろこびはいっしゅん、でもさい高!
本文は:物語風に4分
<ふりがな> 小学3年生~
1.タウパの前書き
2.ビリじゃない!
3.がんばっても!
4.追いつかれた……
5.シーナのおかげ
6.1番をねがってはしる
7.シーナのよろこび
8.うれしくなって、がんばれた
9.まとめ
それじゃあ、物語みたいに、いくよ
1.タウパの前書き
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
イククは、ぼくとおなじ4年生の女の子。
からだがちいさくて、運動がにがて。
でも、はしる練習をつづけた。
どうしてかっていうと、
海や林でみんなと、あそびたいからなんだってばぁ。
💦 そのページは、こっち >
2.ビリじゃない!
半年にいちどのマラソン大会でした。
しょう学校からスタートし、ヤシ林をとおる道をはしって、しょう学校にかえります。
おりかえしてきたシーナが、前からはしってきました。
イククが声をかけられました。
≪えっ、ほんとうに! いつもビリだったわたしが――≫
心のなかで思い、後ろをむきます。
≪シーナのいうとおりだ、わたしの後ろにはしってる子が、なんにんかいる≫
前をむいたイククが、りょう手をつよくにぎりました。
≪よーし≫
はしる力がわきます。
3.がんばっても!
≪だったら、がんばってもうひとり追いこす≫
白っぽい道に、ヤシの葉のかげがうつっています。
それをイククが、はだしでふみました。
≪スピードをあげたつもりなのに、わたしがそう思ってるだけなのかな? ぜんぜん追いつかない≫
前からはしってくる子と、すれちがいます。
みんなせいふくの、茶色い短パンをはいていました。
≪だめだ、追いつかないどころか、前の子との差がひらいたみたい……≫
4.追いつかれた……
イククがかた手を、わきばらにあてました。
≪スピードをあげたからだ。おなかがいたくなってきた≫
イククがスピードをおとします。
後ろからきた女の子が、横にならびました。
≪だめだめ、ゆっくりにしたら。はやくはしらないと≫
イククがわきばらから、手をはなしました。
≪おなかがいたいの、なおってきた。やった、これならふつうにはしれる≫
りょううでをふってはしります。
5.シーナのおかげ
≪ビリじゃなくなってゴールするわたしを、シーナにみてもらわなくちゃ≫
イククが、おりかえし地点をすぎました。
≪すごい、すごい、10人ちかくいる≫
イククの後ろを、はしっている子とすれちがいます。
≪はしる練習、まいにちやってきてよかった。横をいっしょにはしってくれた、シーナのおかげだ≫
ひとりで練習するときも、ありました。
≪そっか、きょうはシーナ、これないんだ。いやだなぁ、いきたくない……≫
そこは集落からはなれた、さみしい場所です。
≪だけど、ダメダメ。ちゃんとやらないと、はしらなきゃ≫
気持ちをふるいたたせて、がんばりました。
6.1番をねがってはしる
≪わたしとすれちがってからシーナ、前のふたりを追いぬいたかな? シーナ1番だといいな。シーナならきっとなれる≫
イククがまた、りょう手をつよくにぎってはしりました。
≪わたしは、ぜったいにだれにも、追いぬかれない。シーナにビリじゃなくなったところを、かならずみてもらうんだ≫
りょううでを大きくふりました。
道に黒っぽくうつる、ヤシの葉のかげが、ゆれています。
それをイククが、す足でふんではしります。
7.シーナのよろこび
イククが道をまがり、しょう学校へはいります。
葉をかさねた屋根と屋根の、あいだをかけぬけました。
校庭にシーナが、むねにりょう手をあてて立っています。
ゴールしたイククに、シーナがだきつきました。
「イクク、ビリじゃないよ、ビリじゃない。やったね、やった、やった、ほんとうにやった」
シーナが、なみだをながします。
「練習、イククはみんなとあそぶためだって、いってたけど、がんばってよかったね。いっしょにできないときがあって、ごめんね。そんなときもイクク、ひとりではしってたもんね。ほんとうにがんばってよかった」
8.うれしくなって、がんばれた
せの高いシーナが、イククをつつむようです。
イククがシーナのからだを、りょう手でおしました。
「シーナは1番になった?」
シーナがなみだを、りょう手でぬぐいました。
「イククとすれちがってから、ふたりをぬいたよ。ビリじゃないイククをみたら、めちゃくちゃうれしくなって、がんばれた」
イククがしゃがみました。
りょう手で、ないた顔をかくします。
≪よかった。わたしのすがたが、シーナのおうえんになったなんて……≫
9.まとめ
やぁ、どふぁらずら。
がんばるすがたが、おうえんになる。
自分の1番なんかそっちのけで、よろこぶ。
イククがどんなに練習をがんばったか、みえるようずら。
おっと!
こっちは、犬がかっこいいずら。
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