ネガティブだったら、脱出しましょう。
< 本文は:物語風に3分 >
目次
1.タウパの前書き
2.ネガティブは、まわりに悪影響・しみでる思い
3.友達がすくいに
4.生きてる意味がない・それほどのネガティブ
5.ネガティブは、まわりに伝わりやすい
6.強引にでも前をむく・ポジティブは、まわりを幸せにする
7.まとめ
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
ぼくや友達もときどき、元気がなくなることがある。
そうどふぁら兄ちゃんに言ったら、
大人は、
元気になるのが、たいへんなんだって。
まるで、子供のなやみが、ちっぽけみたいに。
ぼくは、子供と大人、
どっちもつらいと思うってばぁ。
2.ネガティブは、まわりに悪影響・しみでる思い
「おい、おい、まただぞ」
腰まで海水につかって歩くナコが、進むさきへ顔をつきだしました。
「また、魚の群れがにげちまった」
網をたばね、一方の肩にかついでいます。
丸っこい鼻をしたナコは、どふぁらとおなじぐらいの年です。
「俺たちに気づいた魚が、あわてて散るなら、わかる。だが、群れごとゆっくり、沖へいどうしていく。これで3度目だぞ」
まゆをよせた顔を、となりを歩くどふぁらにむけました。
「ううう、ううっ」
しゃべれないどふぁらが、うなります。
それがナコには、なんて言ったか、だいたいわかりました。
「おい、おい、俺は、どふぁらのせいだとは、言ってないぞ。だけど、おかしいだろう。うむっ!?」
ナコが顔を、どふぁらの顔へちかづけます。
その背後には、スイミングプールのような、たいらな海面がひろがっていました。
3.友達がすくいに
どふぁらの顔の前で、ナコの口がうごきます。
「おまえ、なんだか、さえない顔してるなぁ」
「ううっ、うっ」
「ちがう。いつもより元気がない、って意味だ。なんかあったのか?」
どふぁらが、視線をおとしました。
「なんだ、おまえ、とうとう気になる女ができたか!」
どふぁらが首を、つよく横にふりました。
「じゃあ、育った島が、恋しくなったとかか? ホンシュウ島って言ったっけ、この島へくる前に住んでたの。この島が、いやになったか?」
また、どふぁらがつよく、首をふりました。
「そうか、そりゃあよかった。だけど、恋しくなったのは、あたりみたいだな」
ナコが丸っこい鼻さきを、海原へむけました。
4.生きてる意味がない・それほどのネガティブ
ナコとどふぁらの下っ腹が、海水をしずかにおします。
「恋しくなって帰るったって、船はきたばかりだ。次は、ふた月さきになる」
「ううっ」
「そうか、帰る気はないのか。だったら、なんだ?」
「ううっ、うっ、ううう」
「ここへくる前のホンシュウ島での、暗い気持ちを思いだしたって。それで、さえない顔してたのか!」
どふぁらが、うなずきました。
下をむいたまま、うなります。
「真っ暗闇だった。もうダメだと思った。なにもする気になれなかった。生きてる意味がなかったって、おまえそれ、いつか話す、って言ってたやつか!」
どふぁらのうつむいた顔が、さらに下へうごきました。
その顔のさきで、どふぁらの足がうごくたびに、水底で白い砂が、まきあがってはしずみます。
5.ネガティブは、まわりに伝わりやすい
日差しが、ナコとどふぁらの肩をやいています。
「そんなネガティブな、気持ちを思いだしてたとは! おまえ、俺たちは魚の生きる場所に、からだ半分、つかってるんだぞ」
ナコの声が、ひろい空間にきえていきます。
「とくに魚に、嫌われるほうの気持ちは、察知されやすい。つかまえてやる、ってつよく思っただけで、魚がにげるぐらいだ。おまえのしずんだ思いは、魚にとって恐ろしい姿形をした、ばけもの同然だぞ。どうりで魚が、気づかれないようにしずかに、遠ざかっていくわけだ」
ナコの顔が、どふぁらにむきます。
「おまえ、気づかれないようにするのは、俺たちのほうなんだぞ。魚に、それされたら、つかまえられないだろう」
どふぁらが片手を、ごめん、というように後頭部にあてました。
「わかればいい。つらいことはなかなか、忘れられないからな」
6.強引にでも前をむく・ポジティブは、まわりを幸せにする
「しかたがねぇな。もう少し、こっちへいってみるか」
潮がひけば、みわたす限り干潟になる、水底がたいらな海です。
「どふぁら、おまえ、わかってるだろうな」
どふぁらがナコに、顔をちかづけました。
歯をとじてくちびるを大きくひらき、目を細めます。
「ぷっ」
ナコが、ふきだしました。
「わかってるじゃねぇか。そうだよ。そうやって明るい気持ちになる。前むきな気持ちは、自分だけじゃなくて、まわりだって幸せにするぐらいだ。魚のほうから、よってくるぞ」
跳ねあがったイルカが横をすぎ、小さな水しぶきをあげて着水します。
ナコが、片手を額にあてました。
「あちゃぁ」
丸っこい鼻に、しわがよります。
「よってくるったって、イルカはダメだ、イルカは。魚が、みんなにげちまう」
ナコの額にあてた手が、前へのびました。
「だけど、あれをみろ」
海面から飛びだしたイルカが、からだを半回転させ、背中から落ちました。
「うれしそうに、イルカが喜んでる。どうだ、ポジティブはいいだろう」
7.まとめ
こんにちは、どふぁらずら。
ポジティブとネガティブには、
このぐらい差がある。
暗い気持ちは、つらいずら。
んだから、あるていど落ち着いたら、
がんばって前をむくずら。
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