< 本文は:物語風に3分 >
目次
1.タウパの前書き
2.どうしょうもない先生
3.先ににげて
4.いうことなんてきかない
5.どうせつかまるんだ
6.人のせいにするな
7.人じゃない、人でなし
8.嫌われてたってことか……
9.まとめ
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
小学校中の生徒がその先生を、きらいだと思う。
腰に茶色い布を、大きなお腹を下からささえるみたいにまいて、
口のまわりにひげを、もじゃもじゃはやしてる。
そのひげをうごかしながらいうこと、
頭にくるんだってばぁ。
2.どうしょうもない先生
ヤシ林を背にするように建つ、どの教室からも飛びだせば校庭です。
放課後、教室の葉をふいた屋根の軒先に、子どもたちが集まっていました。
「遅刻したのはほんとうに、お腹を痛がってたおばあちゃんに、手をかしたからなのに」
「そもそも、そんなおばあちゃんが、ほんとうにいたのか? なんてぼくらを疑うし」
リンとタウパがいい、クラスメートがつづけて発しました。
「自分の子どものころにしたことを、私たちに押しつけようとして」
「それに俺たちみんながあわせて、先生をかわしてるのに、気づかないでいい気になるんだから」
「あんな先生のいうことなんてもう、どうでもいいわ。校庭であそびましょうよ」
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3.先ににげて
「あっ、先生だ。来るぞ、みんなにげろ」
走りだした子どもたちが立ちどまって、振りかえりました。
「リン、タウパ、なにやってるんだ。いそいで走れ」
「つかまらないようにするから、だいじょうぶ」
リンが大きな声でいい、タウパがりょう手で口をかこみました。
「ここはぼくたちが、なんとかする。みんなは先ににげて」
タウパがリンにむきました。
「ぼくたちの、どっちもつかまらない。だけどもしも、どっちかがつかまったら、ふたりともつかまろう」
リンがうなずきます。
4.いうことなんてきかない
ゴーマン先生があるきながら片腕をあげ、リンとタウパを指さしました。
「おい、ほかの連中はどうした。みんなを呼びもどすんだ」
リンとタウパが、先生にむきながらあとずさりします。
「待ちなさい。おまえたちが校庭をつかえるのは、1週間に1度だけだろう。後かたづけもしないで、ほかの連中はどうしたんだ」
ゴーマン先生が、足をはやめました。
「リン、タウパ。おまえたちもかたづけをしないつもりか――」
ゴーマン先生が声をあらげます。
「ふたりとも、なんでニヤケてる。なにがおかしいんだ――」
リンとタウパがまえをむいて、走りだしました。
5.どうせつかまるんだ
教室の葉をふいた屋根を、4本の柱がささえています。
屋根の下で子どもたちが、地面にしいたヤシの葉をあんだマットに、あぐらをかいていました。
茶色い服をダボっと着た女の先生が黒板を背にしてたち、朝のホームルームがはじまります。
軒をくぐってゴーマン先生が入ってきました。
「リンとタウパは、いるか?」
ゴーマン先生が生徒をまえにし、リンとタウパが立ちあがりました。
「昨日、なぜにげた。待てといったのに、どうしてきかない――」
ゴーマン先生が、腕をくみました。
「こうしてつかまるんだ。わしからにげられると思ったか」
ゴーマン先生が、口調をつよめます。
「ふたりともなにニヤニヤしてる――」
6.人のせいにするな
リンが胸をはりました。
「だってぼくたちみんな、先生のいうことに、ちゃんと従ってたのに」
タウパが片手を腰にあてました。
「そうだよ。どんどんいうことを先生がかえるから――」
先生が目をつりあげています。
「わしが悪いっていうのか?」
タウパとリンが、うなずきました。
「おまえらは、人のせいにするのか――」
7.人じゃない、人でなし
あぐらをかいた生徒ぜんいんが、立ちあがりました。
「なんだおまえたち、おまえたちまでわしが悪いっていうんじゃないだろうな」
みんないっせいに、あごを引きました。
「いいかげんにしろ、人のせいにしおって――」
リンがニコッとしました。
「人のせいになんてしてないよ。先生は人じゃない、人でなしだから」
「そうだよ、放課後に校庭をつかうのに、だれかが後かたづけをすればいいっていったのに、みんなでしろとか、宿題をやってきたらだとか、毎日やってきたら週の最後の1日だけつかっていいとか、いってることをどんどんかえて、ぼくらを人間に、みてないじゃないか!」
タウパの発言に、みんなが拍手しました。
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8.嫌われてたってことか……
ゴーマン先生よりずっと若い担任の女の先生は、こまったように下をむいています。
ゴーマン先生がりょう手をにぎりしめ、全身をふるわせていました。
「人じゃないから、人のせいにしてない。わしが、人でなしだと……」
「じゃなかったら先生、ぼくたちの思いをちゃんとわかってよ」
リンにつづいてタウパが、胸をはりました。
「そうだよ先生、生徒の話をしっかりきいて、生徒をもっと信じてよ」
クラス全員がうなずき、ひとりの女の子がりょう手を胸にあてました。
「そうしたら私たちみんな、先生を好きになるかもしれません」
9.まとめ
こんにちは、どふぁらずら。
人じゃない、人でなし。
子どもたちの思い、
人でなしじゃなければ、わかるずら。
おっと!
こういう奴も、みっともないずら。
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