〇〇したいって気持ちが、行動させる。
ほんとうに、それでいいのかな?
って考えて、しっぱいしないように君をささえる。
本文は:物語風に5分
<ふりがな> 小学3年生~
1.タウパの前書き
2.気持ちに勝つのは、たいへん
3.気持ちに負けるのは、かんたん
4.考えれば、気持ちに勝てる
5.気持ちは、人に行動させる
6.考えが気持ちを、ささえるはず
7.考えが、その人をささえる
8.まとめ
それじゃあ、物語みたいに、いくよ
1.タウパの前書き
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
気持ちって、心が思うことで、
考えるって、頭がすることなんでしょう。
学校へいきたくないって、心で思って、
いかないとおこられるって、頭で考える。
考えるって、いい子みたいだ。
ぼくは、
気持ちのほうが、いいってばぁ。
2.気持ちに勝つのは、たいへん
「ボアタ、おなかがなおるまで、おイモしか、食べちゃだめよ」
おばあちゃんに、いわれました。
タウパのいとこにあたるボアタは、16才の女の子です。
地面にヤシの葉のマットをしき、そこでお昼ごはんです。
みどり色をした葉に、エイやタコのきり身がのっています。
あぐらをかいたボアタの前で、タウパが食べています。
タウパがかた手にエイを、もういっぽうの手にタコを、もっています。
顔を右にむけたり、左にむけたりしてかじり、口がとまりません。
ボアタがイモを、少しずつかじりながら、タウパを見ています。
≪あ~~~、食べたい、食べたい、わたしもエイやタコを、食べたい≫
心の中でいった、ボアタの気持ちです。
≪だけど、おばあちゃんにいわれたから――≫
ボアタの考えです。
考えが気持ちと、たたかっています。
タウパのふくらんだほほが、動いています。
≪おいしそ~。あ~~も~ダメ≫
ボアタが両手で、自分のほっぺをたたきました。
≪がまん、がまん≫
考えが勝ちました。
考えがおなかをなおす、ボアタをささえます。
3.気持ちに負けるのは、かんたん
おなかがいっぱいになったタウパが、ねむたくなります。
母屋のゆかには、ヤシの葉をあんだマットがしいてあります。
ゴロンと横になりました。
≪だけど、宿題をやらないと……≫
タウパの頭が考えます。
≪宿題を忘れたら、校庭を走らされるんだ……≫
走るたいへんさを考える頭と、横になっていたい気持ち、どっちが勝つでしょう。
タウパが、ねいきをたてはじめました。
気持ちの勝ちです。
気持ちは、なまけるのがだいすきです。
4.考えれば、気持ちに勝てる
日がくれる前に、夕ごはんを食べました。
タウパはおなかいっぱいで、動きたくありません。
母屋のゆかにゴロン、と横になりました。
≪だけど、暗くなる前に、ブタにお水をあげないと……≫
タウパが考えます。
≪かったるいなぁ、やりたくない≫
タウパの気持ちです。
なまけたい気持ちは、とっても強いです。
≪だけど、ブタだってのどがかわく≫
タウパの考えです。
タウパは自分が、のどがかわいたときのことを、考えました。
≪も~、ブタがかわいそうだってばぁ≫
なまけたいタウパが、起きあがりました。
のどがかわいたブタの、つらさを考えたからです。
考えて、気持ちに勝ちました。
5.気持ちは、人に行動させる
そこは青い色をした、しずかな海です。
タウパと友だちのクイプが、カヌーをこいでいます。
大人なら、ひとりしか乗れない、木でつくった小さなカヌーです。
ふたりはパドルをつかって海水をおし、沖へでました。
クイプがカヌーの横から、海の上に顔をだします。
「ここだと、海ていのサンゴが見えてる。もっと沖へいかないと」
タウパが目を大きくします。
「そんなに深くまで、もぐれないよ」
「ぼくは、イルカになりたいんだ」
クイプの気持ちです。
イルカになりたい気持ちが、クイプを行動させ、海にきました。
「だけど、そんなに深くいったら、あぶないってばぁ」
「イルカみたいに海の中を、ずっと泳いでいたいんだ」
クイプの気持ちです。
「だいじょうぶだよ、タウパ。息がくるしくなったら、イルカになれなかったってことだから、もぐるのやめるから」
クイプの考えです。
6.考えが気持ちを、ささえるはず
クイプが頭を下にして、海のそこへむかって泳いでいきます。
カエルのように動くクイプの足を、タウパが追いかけて泳いでいます。
≪クイプ、そんなに深くいったら、海面にもどれなくなる≫
クイプが、どんどん下へおりていきます。
≪イルカになるんだ。なって海の中を、自由に泳ぐんだ≫
クイプの気持ちです。
気持ちがクイプの、もぐっていく力になります。
≪ダメだ、もう息がくるしい。クイプ、ぜったいにもどってね≫
タウパが上へむかって、泳ぎだしました。
≪クイプは、人間だからぜったいに、息がくるしくなる。そうしたら、クイプが考えたとおり、イルカになるのをやめて、水面にもどってくる≫
タウパが、クイプの考えをしんじます。
7.考えが、その人をささえる
タウパが立ちあがり、カヌーがゆれました。
「クイプ、どこ、クイプ」
タウパがおでこに両手をあて、海を見ています。
「ねぇ、聞こえたら返事をして」
大きな声が、広い海に消えていきます。
≪クイプの気持ちが、考えより強かったら、どうしよう≫
タウパが心配になりました。
「あっ!」
タウパがうでをあげて、大きくふります。
「も~、帰ったんなら、声をだしてくれればいいのに」
クイプの考えが勝ちました。
「もどってくるって、いったじゃないか」
クイプの考えが、クイプをささえました。
8.まとめ
やぁ、どふぁらずら。
どうずら、気持ちと考え。
気持ちは、
行動するパワーになる。
考えは、
その行動や、行動する人を、
ささえるずら。
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