子どもたちだけで何かするって、子どもはワクワク!
< 本文は:物語風に3分 >
目次
1.タウパの前書き <親がやさしいから・将来のためにならない>
2.ふたりだけでいきたい
3.子どもが100個の木の実のように
4.かんたんだけど・自分たちでできるようにならない
5.帰り道のための目印・自分たちで考えて行動
6.ワクワクしながら成長・自信だって持てる
7.まとめ <親は、ハラハラどきどき>
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き <親がやさしいから・将来のためにならない>
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
島の、お父さんやお母さんは、やさしい。
だからあんまり、
挑戦や冒険は、させてくれない。
それだと、
ぼくたちの将来のために、ならない気がする。
大人になると大変みたいだから、
はやくいろいろ経験したほうが、いいってばぁ
2.ふたりだけでいきたい
床いちめんに、ヤシの葉をあんだマットがしかれています。
お母さんがあぐらをかいて、ねむるときに使うマットを作っています。
葉をあむ手をとめました。
「プララへ行くだなんて、あなたたちふたりだけで、そんなのダメよ。島のせんたんのほうよ。遠いいのよ」
兄は4年生、弟は2年生です。
「どうしても行きたいなら、だれか年上の子に、いっしょに行ってもらいなさい」
兄のシンが、半歩前にでました。
「いやだ、ぼくたちふたりだけで、行きたいんだ」
「それじゃあ、お父さんに聞いてみるのね」
3.子どもが100個の木の実のように
シンがお父さんに、道に目印をつけながら行くといって、許してもらいました。
ヤシ林には、人があるいてできた道が、いくつもあります。
シンのあとを、弟のスンスがあるいています。
「プララって、ぼくたちが100人のぼって、木の実みたいにぶらさがれるぐらい、大きいんでしょう。はやく見てみたいな」
「島で一番高いのは、ヤシの木だけど、一番大きいのは、プララだからね」
「ぼくものぼれる?」
シンが、うしろをむきながらあるきます。
「木であそんでて一番楽しいのも、プララなんだよ。だから子どもたちに、人気がある。だけど、子どもには遠いいから、なかなか行けない」
シンが前をむきました。
4.かんたんだけど・自分たちでできるようにならない
シンが片腕をあげて、あたりを指さしました。
「このへんは、いつもあそんでるところだから、まだ、道がよくわかる。もう少し行ったら、目印をつけないと」
立ちならぶヤシの木のあいだに、雑木がしげっています。
「お兄ちゃん、だれか年上の友だちに、いっしょに来てもらえば、ついて行くだけだったのに、どうしてふたりだけがよかったの?」
シンが、ふりかえりました。
「だれかについて行ったら、簡単だけど、それじゃあ、なかなか自分たちで、できるようにならない」
「そっか、そうだよね。ぼくたちだけで、できるようになったらいいよね。なんか、おもしろそう」
5.帰り道のための目印・自分たちで考えて行動
シンが、立ちどまりました。
「見てスンス、道がこっちにつづいてる。あっちから来た道が、こっちにもつづいてる」
シンがスンスをつれて、少しすすみました。
「ふりかえってごらん。どっちの道に行けばいいか、わからなくなるかもしれない。だから来た道に、目印をつけるんだ」
シンが道をもどりました。
「この枝を折るからね、そしてもう一度折る。そこから見えるだろう。こうしておけば、すすむ道がわかる」
シンがスンスへちかづきます。
「帰りは、スンスが前をあるいて、家に帰るからね」
スンスの表情が、パッと明るくなりました。
「わかった――」
6.ワクワクしながら成長・自信だって持てる
シンが、雑木の枝を折りました。
「お兄ちゃん、もう一度、折るんでしょう。ぼく、むこうから確かめるから」
スンスが先にすすみ、ふりかえります。
「よくわかる、ばっちりだよ。こうやって目印をつけながら、行くのも楽しい。なんかワクワクする。ぼく、目印をつけるたびに、確かめるから。ちゃんとつけてね」
「まかせとけって、ぼくだってスンスとふたりだけで、プララから集落へもどれたら、すごい嬉しい」
「ぼくだって――。ぼくが目印を見つけて、道を決めるんだから、ちゃんと帰れたら、めちゃくちゃ嬉しいよ」
「成功したらぜったいに、ぼくたち自信が持てる。みんなをプララへ、つれて行ってあげよう」
7.まとめ <親は、ハラハラどきどき>
子どもの将来のために。
親は、手をにぎりしめながら、
「あいつらなら、だいじょうぶだ。あいつらなら……」
「帰ってこなかったら、どうしましょう?」
と、ハラハラ、どきどき。
んだが、
そのぶん、子どもは成長する。
むずかしいところずら。
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