それは、ちょっとまって――。
先を見越してないから、かも?
< 本文は:物語風に3分 >
目次
1、タウパの前書き <おもしろくない仕事>
2.ちょっとなれれば、誰にだってできる仕事
3.こんなことをしてていいのかな?・男らしい仕事がしたい
4.不満の爆発、やってられねぇ・女にだってできる仕事
5.はやく一人前の島の男になりたい・女にできる仕事が基本
6.先を見越してうまくなっておく・誰にだってできる仕事が男の仕事の基本
7.まとめ <わかってない初心者>
それでは、物語のように、どうぞ
1、タウパの前書き <おもしろくない仕事>
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
ぼくたち子どもにも、仕事がある。
そのひとつが、ブタの飲むお水。
そんな仕事、
おもしろくないんだってばぁ
2.ちょっとなれれば、誰にだってできる仕事
浜にちかい敷地のはしに、木の枝を土にたつように埋めてつくった、柵があります。
中がふたつにわかれ、それぞれに若いブタがはいっていました。
柵の外からホウキをいれ、どふぁらがそうじをしています。
≪こうやって、水やエサをいれるシャコ貝を、ホウキでていねいにこすって、食べかすを飛ばして、きれいにするずら≫
タウパが、大きなヤシの実の殻のうつわを、胸のまえに両手で持って、はこんできました。
柵のうえからうつわをかたむけ、シャコ貝に水をいれます。
「どふぁら兄ちゃん、そうじ、じょうずになったじゃん。こっちのシャコ貝もね。今、井戸で水くんでくるから」
≪うるさい。こんなこと誰にだって、なれればかんたんずら。まったく、こんな仕事……≫
3.こんなことをしてていいのかな?・男らしい仕事がしたい
≪ブタは、きれいずきらしい。地面をととのえるずら≫
掃いた物が、柵のあいだから、外へ飛びだしました。
「ブヒブヒ、ブッ、ブヒブヒ」
ブタがどふぁらに、話しかけているようです。
≪うるさい、おまえまでよけいなことを――。こんなことをしてていいのかって? 今のおいらには、そう聞こえるずら≫
手をとめて、顔をあげました。
波のないおだやかな海面がひろがり、日差しをはねかえして、キラキラ輝いています。
≪海が、魚が、おいらを呼んでる。男らしい漁をしたいずら。それなのに――≫
4.不満爆発、やってられねぇ・女にだってできる仕事
タウパが、もうひとつのシャコ貝に、水をいれました。
「じゃあぼく、小学校へいくから。どふぁら兄ちゃん、しっかりね。いってきまぁす」
「うううううっ」
しゃべれないどふぁらが、大きな声でうなりました。
浜を歩いてきたナコが、柵のうえに両手をつきます。
ナコは丸っこい鼻をして、どふぁらとおなじような背丈です。
「なんだどふぁら、ブタ小屋のそうじが、不満みたいだな」
「うううっ、うう」
「こんな女にだってできる仕事って、どふぁらは、島の男になりたいんだよな」
5.はやく一人前の島の男になりたい・女にできる仕事が基本
柵をまわってきたナコが、どふぁらの肩に片手をおきました。
「おまえは、海で魚を獲ったり、林で材料を切りだしたり、家屋の修理をしたりするのが、男の仕事だと思ってないか?」
どふぁらが、うなずきました
「やっぱり――。そういう仕事は俺もすきだ。だが俺は、女にできる仕事だってやるぞ」
「ううっ」
「なに、そんな姿みたことがないって、ばかいってんじゃねぇ。今朝俺は、かまどの火をおこすついでに、かまどと、その小屋のまわりの掃きそうじをした」
どふぁらが、目を丸くしました。
「女にできる仕事が、男の仕事の基本みたいなものだ。はやく一人前の島の男になりたかったら、しっかりやれ」
6.先を見越してうまくなっておく・誰にだってできる仕事が男の仕事の基本
どふぁらが、不満気な顔をナコにむけました。
「わからねぇ、やつだなぁ」
ナコが、どふぁらの肩から手をおろします。
「いいか、年をとったら俺たちは、家のまわりで仕事をするようになる。女にできることをするんだ。だから若くて力のある女が、海や林へいけるんじゃねぇか」
ナコが、両手を腰にあてました。
「若いうちに、家のまわりの仕事を、うまくなっておくんだ」
どふぁらが空を仰ぎ、大きな声をだします。
「ううううっ、ううっ」
「ブヒー、ブヒー」
どふぁらが顔を、勢いよくブタへむけました。
「ううっ」
ナコがニヤッ、と笑いました。
「やってられねぇ仕事が、男の仕事の基本だったとはって! なんだかなぁ。まぁ、ちょっとは、わかったみたいだが、ブタにあたるなよ、かわいそうだろう」
7.まとめ <わかってない初心者>
やってられない、誰でもできる仕事。
それが、仕事の基本だったりする。
おいらは、
まだまだわかってない、初心者ずら。
くっそ~~。
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