水のなか、足がつかなくても、へっちゃらに!
本文は:物語風に4分(大人3分)
<ふりがな> 小学3年生~
1.タウパの前書き
2.お母さんのとっておき
3.とっておきの場所は、深い
4.とっておきは、すぐにたてる
5.魚といっしょに練習・ぜったいにつかまえてくれる
6.泳げないのに・やればじょうずにできる
7.次から次へリズムよく
8.もうこわくない・おしゃべりができる
9.まとめ <泳ぎ方は、へたくそよりへたくそ>
☔ それじゃあ、物語みたいに、いくよ
1.タウパの前書き
集落には、おぼれる子がいます。
ほんとうに、ほんとうに、時々だけど。
よちよちあるけるようになった子が朝、親が目をさましたら、いない。
さがしたら、
すぐまえの海に、うつぶせにうかんでた。
なみだが、でてくるんだってばぁ。
2.お母さんのとっておき
ヤシの木がたちならぶ、林のなかです。
人があるいてできた道を、リスノが走しっていきます。
リスノは、もうすぐ小学生になる、女の子です。
「お母さん、海よ、海、島のはんたいがわの海、わたし、はじめてみた」
リスノが、すなはまをまえにして、たちました。
「すごい、海のそこが、さらさらしたすなじゃない。かたい岩だよ、岩、たいらな岩がおきへつづいてる」
お母さんが、リスノの横をとおります。
「集落のまえの海とおなじように、そのうち海の水がもどってくるわ」
リスノが、すなはまをかけおりました。
「お母さんの、とっておきって、どこ? どこでなにをするの?」
「岩のうえをあるいて、もっとおきへいきましょう」
3.とっておきの場所は、深い
おきへいくと、海の水があります。
リスノのおしりが、海のなかにはいりました。
「あっ、岩が切れてる」
リスノが、たちどまります。
お母さんが、リスノの横をすすみ、ボチャン!
深いところで、りょう手で、ひとかきしました。
次の岩のうえに、たちます。
「ここがお母さんの、とっておきの場所よ」
お母さんがリスノにむいて、ニコッとします。
「さぁ、こっちへいらっしゃい。ほんのちょっとだから、リスノならこっちへこれるわ」
4.とっておきは、すぐにたてる
リスノが顔を、横にふりました。
「いやだ、いやだ、いやだ、深いもん、足がつかない」
お母さんが、深いところに、おりました。
「だいじょうぶよ、ほら、こうやってすすめば、すぐでしょう」
リスノの横にたったお母さんが、うしろにたおれます。
岩にあがりました
「ほら、すぐに足のたつ岩でしょう」
「いやだ、わたし、ぜったいにいやだ。こわい」
「もしも、こっちまで、これなかったら、お母さんが、手をひっぱってあげる」
リスノが首を、ちいさく横にふりました。
5.魚といっしょに練習・ぜったいにつかまえてくれる
「ほらリスノ、みて、お母さんがうでを、のばしてるから、ここにつかまるように、とびこんできなさい」
リスノが、お母さんののばした手を、じっとみています。
その手のしたで、魚が泳いでいました。
黄いろや青、オレンジいろの魚です。
「さぁ、リスノ、やってごらん。できるから」
リスノが、お母さんの顔をみます。
「ぜったいに、つかまえてくれる?」
お母さんが、大きくうなずきました。
リスノがまた、お母さんののばした手を、みつめます。
6.泳げないのに・やればじょうずにできる
リスノがまえにでます。
リスノのむねが、海水をおしました。
「そう、リスノ、じょうず。そのままこっちに、すすんで」
お母さんが、のばしていたうでを、ひっこめました。
リスノが目を、大きくひらきます。
「そう、すすんでる、すすんでる、じょうず、じょうず」
リスノが手足を、いっしょうけんめいに、うごかします。
「そうよ、そう、もう少しよ」
7.次から次へリズムよく
リスノが岩に足をかけ、たちあがりました。
お母さんが、うしろへたおれるように、次の岩へうつります。
「どうして、どうして、お母さん、ずるい」
「できたじゃない。もう一度、こっちへいらっしゃい」
「いやだ、いやだ、いやだ」
「だけど、もどるにしても、深いところをとおるのよ」
リスノが、うしろをみました。
「ほら、こっちには、お母さんがいるわ」
「そっちにいったら、お母さん、そこで待っててくれる?」
お母さんのニッコリした顔が、うなずきました。
岩からおりたリスノが、深いところを、とおりこします。
岩に、たちあがろうとしました。
お母さんが、次の岩へいきます。
「も~、お母さんたら――」
8.もうこわくない・おしゃべりができる
お母さんが、リスノの横にたっています。
「いっぱい練習したから、こんどは、お母さんといっしょに、むこうの岩へいくわよ」
お母さんとリスノが、深いところへはいります。
「ほらリスノ、ちょっと、すすむのやめてごらん」
リスノが、お母さんに顔をむけました。
「そうそうリスノ、手や足で水をおしながら、うかんでるわ、うかんでる」
「わたしもう、足がつかなくても、こわくない」
リスノが、手足をうごかしながら、しゃべりました。
9.まとめ <泳ぎ方は、へたくそよりへたくそ>
泳ぎ方は、へたくそよりへたくそ。
んだが、
おぼれないずら。
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