あきてくる、やってられない。でも、ひとつひとつ積んでいく。
< 本文は:物語風に2分 >
目次
1.タウパの前書き <干潮と満潮の差>
2.たいした仕掛け・恐れ入る製作
3.あきてくる地道な作業・魚を獲りたい
4.地味な作業・やってられない
5.ふてくされていると師匠が!
6.遠まわりのように思えて、遠まわりじゃない
7.まとめ <こつこつ経験をつむ>
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き <干潮と満潮の差>
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
ここは潮の満ち引きで、
海の高さが、2メートル以上かわる。
高くなるときや高さが、その日によってちがう。
だから、
その日の潮にあわせて、漁をするんだってばぁ。
いろんな漁がある。
どふぁら兄ちゃんは、がんばってる。
漁が、うまくなってきてるんだってばぁ。
2.たいした仕掛け・恐れ入る製作
潮が引くと、まっ白な砂の海底がひろがり、まぶしくて目をほそめるほどです。
歩いていくとずっと遠くに、さんご礁にぶつかってたつ、白波がみえます。
干潟に、どふぁらの膝の高さほどにつまれた石の壁が、ほぼまっすぐに100メートル以上つづいています。
その横を、どふぁらが歩いていました。
≪潮が引くのにあわせて沖へかえる魚を、石の壁がはばむ。頂点を沖へむけた、どでかい三角形ずら。その底辺に石の壁はなく、二辺が島へむいてひらき、頂点は、その先に丸く石でかこった生け簀に、魚がはいるようになってる。たいした仕掛けずら≫
どふぁらが片手を大きくひろげ、白い砂に落ちた石をつかみました。
≪三角形や頂点の丸、高いところからみないと、正確につくれないぐらい、でっかい。その仕掛けが、干潟にいくつもならんでる。恐れ入る製作ずら≫
どふぁらが、落ちた石を崩れたところへもどす、壁の修復をしています。
3.あきてくる地道な作業・魚を獲りたい
どふぁらが、壁にそってすすみます。
≪潮が満ちるのにあわせて、魚が島へちかづく。浜をおりたところで、体長3~40センチのアジが、なん尾もいっぺんに、網にかかるぐらいずら。壁をつかう漁は、新月の夜にする。壁にはばまれ沖へもどれずに、壁によりそうように寝てる魚を、一尾ずつ捕まえながら頂点へむかい、しぶとく沖へむかおうとして、生け簀にはいった魚を一網打尽ずら≫
どふぁらが石を、壁につみます。
≪まったくも~、このところ毎日、おいらひとりで、修繕作業ずら≫
腰をのばして、沖へむいてたちました。
≪やってる、やってる≫
さんご礁の浅瀬に、3人の男の姿があります。
≪くっそ~、おいらもこんなことしてないで、魚を獲らないと。はやく漁が、うまくなりたいずら≫
4.地味な作業・やってられない
青い空を、白い雲がながれます。
≪雲、あんなにでっかいのに、意外とちかいずら。それにしても、のんびりしてやがる≫
干潟を寝具にして、大の字をかいています。
≪も~修繕なんて、やってられないずら。ひとねむりするずら≫
どふぁらが、寝息をたてました。
風がやさしく、どふぁらの鼻先をなでていきます。
タウパが浜をおります。
「あれっ、どふぁら兄ちゃん、どこだろう?」
ひいおじいちゃんのガテが、タウパの肩に片手をおいて歩きます。
「やっぱりじゃ。タウパ、ちゃんとさがすじゃ」
ふたりが干潟を、沖へむかいます。
5.ふてくされていると師匠が!
「どふぁら兄ちゃ~~ん」
タウパの大きな声が、広い空間へすいこまれていくようです。
目をあけたどふぁらが、顔を島のほうへむけました。
≪な、なぬっ! がっ、ガテがどうして? ガテは漁だけじゃなく、人生の師匠ずら≫
急いでたちあがり、歩みよります。
「ううっ、ううう」
しゃべれないどふぁらが、うなりました。
それがタウパには、なんていったかわかります。
「だって、ひいおじいちゃんが、どふぁら兄ちゃんのところへ、いくっていうから」
6.遠まわりのように思えて、遠まわりじゃない
ガテのしおれたまぶたの下の、黒い瞳がほほ笑みます。
「イヤになるころだと思ったじゃ」
「うっ、うう」
タウパが、ガテの顔をみあげます。
「漁をやって、はやくうまくなりたいって」
「だったら、つづけるじゃ。遠まわりのように思うじゃろうが、やっとるのは漁場づくりじゃ。漁場が、よくわかるようになる。経験をつむじゃ。上達の道から、はずれとらん。あせるでない」
どふぁらが口を、強くむすびました。
7.まとめ <こつこつ経験をつむ>
目標に、はやく到達する。
それには、
ひとつ、ひとつ、石をもどすように、
経験を、つんでいく。
ん~~~~~~~~~~、辛いずら。
おっと!
とことんやる、男がいるずら。
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