後悔するかしないか、先にわかればいいのに……。
< 本文は:物語風に2分 >
目次
1.タウパの前書き <よく考えて>
2.いっしょうけんめいにつくった干し魚
3.賢いからへいき・やらない
4.そんなふうに、天国へいけたらいいな
5.目くじらを立てて
6.後悔は、あとからやってくる
7.まとめ <やっても、やらなくても>
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き <よく考えて>
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
魚がたくさん獲れると、干し魚づくりを、みんなでする。
たいへんな作業なんだから!
作業も魚も、
だいなしにならないように、
よく考えてってばぁ。
2.いっしょうけんめいにつくった干し魚
家のたつ敷地のわきの草むらに、ヤシの葉が4枚ならび、そこに200枚以上の、ひらいた魚がのっていました。
ゆうべ塩をすりこみ、まだ身がピンク色をして、日にあたっています。
「海からそっと吹いてくる風が、干した魚のいい香りをはこんでくるわ」
「ほんと、お腹がすいちゃうわね。いっしょうけんめいにつくった甲斐があるわ」
ふたりは茶色い袋のような服をきています。
姉妹で、ふたりともお母さんでした。
褐色の葉をふいた屋根の前に、立って話しています。
3.賢いからへいき・やらない
「あらっ、あの子たち、あんなところで遊びはじめたわ」
2才半と3才の、はだかの女の子でした。
「浜から持ってきたのかしら、ふたりとも二枚貝を持って、砂でなにかつくるのね」
「ねぇ、だいじょうぶかしら、魚。いたずらしないわよね」
「あの子たちだって、いつも食べてるんだから、わかるでしょう」
「でも、心配だから、ふたりに言っとこうかしら」
「へいきよ、ふたりとも賢いんだから」
「そうよね。食べ物だって、わかるわよね」
4.そんなふうに、天国へいけたらいいな
「えっ、また! こんどはだれが、歩いて天国へあがるの?」
「ハチさんよ。ハチさん、奥さんが先にいって、さみしそうだったから……」
「新月の夜は、亡くなった人がよく、でてくるでしょう。奥さんがハチさんを、迎えにくるかもしれないわね」
「迎えにきたら、ハチさん、うれしいでしょうねぇ。仲のいい夫婦だったから」
「うれしいなんて、そんなふうに天国へ、わたしもいけたらいいなぁ」
「あっ、あれっ!」
お母さんが走りだしました。
「あらっ、やだ――」
もうひとりのお母さんも素足が、地面をけります。
5.目くじらを立てて
「あなたたち、やめて、それは食べ物よ。砂をかけちゃダメ――」
お母さんたちが、子どもに背をむけて、魚を前にしました。
「あ~~っ、どうしましょう。どうしてこんなになるまで、気づかなかったのかしら」
「だからこの子たちに言っておけば、よかったのよ。それを姉さんが――」
「あなただって、食べ物だってわかるって、人のせいにしないでほしいわ」
「姉さんの言うことなんて、あてにした私が、バカだったわ」
6.後悔は、あとからやってくる
お母さんたちが魚を、ヤシの葉をあんだカゴに入れます。
「ごめんなさい。ちょっと言いすぎたわ」
「わたしも、こんなになったショックで、ムキになっちゃった」
「食べられるようにしないと。とりあえず、洗いましょう」
「そうね。ほんと、案じたときに言っておけばよかった」
「やらないで、やってくるのが、後悔よね……」
7.まとめ <やっても、やらなくても>
こんにちは、どふぁらずら。
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