頭ごなし!
そんな時代おくれ、まだあるのかな?
< 本文は:物語風に2分 >
目次
1.タウパの前書き <やさしい気がする>
2.たまる不満
3.いってる本人は、いいと思ってる
4.限界、もうムリ
5.ご飯も食べられない
6.丸ごとだきしめる
7.まとめ
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き <やさしい気がする>
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
上の人だから、
人を、自分の思い通りにしたいとかって、思うのかな?
ほんとうに上の人なら、
やさしい気がするってばぁ。
2.たまる不満
ヤシの木のあいだの道を、枝をかついで集落へむかっています。
「おまえ、なんかへんだぞ。どうかしたのか?」
「うるさい、ほっといてくれ」
そう友だちにかえしたのは、14才のワグナです。
「なんだよ、心配していってるんじゃないか」
「気にいらないんだよ。自分の思い通りにしようとして、えらそうに――」
「だれのこといってるんだ」
「上からいってくるやつのことだ」
ふたりのまえを、自分たちの手の平ほどの大きさのカニが、背をむけて横ぎりました。
3.いってる本人は、いいと思ってる
母屋のゆかに立った父親の肩にワグナが立って、りょう手を屋根うらへのばしています。
父親がりょう手を腰にあてました。
「俺は小学校の教室の建てかえや、集会場の修繕をするときには、グループのだが、リーダーを務めることがある。おまえぐらいのころ、父親について作業の仕方を、ちゃんとおぼえたからな。おまえもリーダーぐらい、務められるようにならないとな」
父親が腕をくみます。
「おまえがはこんできた枝のうち、2本は若すぎる。使いものにならん。おれは若いうちから、枝どころか家の骨組みになる幹を、見極める目を持っていた。林でおれがえらんだ幹は、しっかりした骨組みになったものだ。それに引きかえおまえときたら、このていどの枝を見る目がないとは――」
4.限界、もうムリ
肩にのるワグナのかたほうの足のこうを、父親がたたきました。
「手際がわるすぎる。そのぐらいの作業、おれならぞうさもない。まだ終わらないのか、ウッ!」
りょう肩をふみ台にするようにしてワグナが、バク転をしてゆかにおりました。
「どうした。まだ、とちゅうじゃないか――」
ワグナが母屋から、軒をくぐってでていきます。
あわてて父親が、軒先に立ちました。
「まてワグナ。最後までやるんだ。おい、まて――」
父親がいっぽうの拳を、つよくにぎりました。
5.ご飯も食べられない
夜おそくなって帰ったワグナが翌朝、父親におこされ目をこすります。
「いいか、今日は、昨日のつづきからだ」
ワグナが、飛びおきました。
「おい、どこへいく。まて、またんか――」
ワグナが、外へでていきました。
父親の祖父がうしろから、父親の肩に手をおきます。
「これじゃあワグナが、飯も食えん。ここに座るじゃ」
父親と父親の祖父が、むかいあってあぐらをかきました。
6.丸ごとだきしめる
祖父が、りょう肘をひざにつき、顔をまえにだします。
「おまえは父親から、今のおまえとおなじように教えられたのか――。わしは息子を、そんな男に、育ててないじゃ」
「どういうことですか? ワグナは作業をおぼえなければ、いけません」
祖父が、あごを引きました。
「おまえが、グループのリーダーになれたのは、おまえの父親が、おまえを丸ごとだきしめたからじゃ。ワグナを思い通りにしようとする気持ちを、すっかりすてるじゃ。すててワグナを受けいれる。丸ごとだきしめるじゃ」
父親が、まゆをよせました。
「だきしめる……」
「ああ、みえない腕でじゃ。できるまで、ワグナにちかづくでない」
7.まとめ
こんにちは、どふぁらずら。
思い通りにしたいなら、
みえない腕で、丸ごとだきしめる。
そりやぁやるの、たいへんずら。
んだが、
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