おだやかにつつむって、どうやって?
< 本文は:物語風に2分 >
目次
1.タウパの前書き
2.ぶっきらぼうなおじいさん
3.小さくて聞きづらいよりいい
4.たよりないようだけど、堂々としてる
5.ぶっきらぼうかもしれないけど
6.まとめ
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
ぼくたち子どもだって、みんな、
ダメなところがあるし、いいところがある。
それが、ちょっとだったり、たくさんだったり、
だから、
いろんな友だちが、いるんだってばぁ。
だけどどうして、
すごくきらいな子が、いないんだろう。
2.ぶっきらぼうなおじいさん
軒から中央へかけあがる屋根裏には、大人の手のひらほどの幅をした葉が、重なりながらならんでいます。
軒先に立った腰に茶色い布をまいた70才をすぎた祖父が、上体を前にたおして母屋のなかへ顔をむけました。
「トウキ、客じゃ」
「ちょっとおじいちゃん、なんなのよ、人にものをたのむのに、そのぶっきらぼうな言い方は――。わたし嫁にでてから、ひさしぶりに実家にもどったのよ。トウキ義姉さんと、せっかく話してるのに――」
トウキがたちあがります。
「ごめんなさいね、チチク。ちょっといってくるわ。すぐにもどってくるから」
3.小さくて聞きづらいよりいい
トウキに声をかけた祖父が、りょう手をひざからはなし、腰をのばしました。
「まったくおじいちゃんたら、孫のわたしにひと言ぐらいないのかしら――。そんな不愛想で、よくおばあちゃんに、愛想をつかされないわねぇ」
10才の男の子が立ったまま、りょう手で耳をふさいでいます。
「チチクおばさんだって、ふしぎだよ、うるさいんだけど。そんなでっかい声で話してて、どうして家の人にきらわれないの?」
チチクの兄が、息子の横にたって頭に手をおきました。
「声が小さくて聞きづらいより、ずっといいじゃないか。チチクの声は、大きくて聞きやすい」
4.たよりないようだけど、堂々としてる
息子の横をはなれた父親が、腰をおって外へでようとして、屋根をささえて横わたる柱に、頭をぶつけました。
そのまま軒をくぐろうとして、床をかこむように埋まる石に、足をひっかけて転びそうになります。
「もー、お父さん、しっかりしてよ、カッコわるいなぁ」
「ほんと、兄さんたら、そそっかしい。ぜんぜんかわってないのねぇ」
もどったトウキがチチクを前にして、あぐらをかきました。
「だけどね、チチク。うちの人、たよりないようにみえるけど、正直な人でしょう。ものをいうときには、堂々としてる。それも、前とかわらないんじゃないかしら」
5.ぶっきらぼうかもしれないけど
母屋のなかから、みえます。
島のはんたい側までつづくヤシ林を背にして、離れがたっています。
ヤシの葉の芯をならべた床は、大人が腰かけやすい高さでした。
そこに祖父があぐらをかき、集落の長(おさ)とむかいあって話しています。
「長は、おじいさんより20才ほど若いかしら。腰にまいた茶色い布が、まだしっかりして、体格もいいわねぇ」
そう話す祖母のりょう脇に、トウキとチチクがあぐらをかきました。
「ねぇ、おばあちゃん。おじいちゃん、ぶっきらぼうな言い方してるのかな?」
祖母が、ニコッとしました。
「そのぶっきらぼうな口調が、相手にも気をつかわせないのかもしれないわねぇ」
祖母の目が、笑みをうかべて話す、長と祖父へむいています。
「長ともなると、集落の者ぜんいんが、家族のようでしょう。長をあまりよく思ってない人まで、大きな気持ちでつつむようだわ。だから長は、おじいさんとよくああして話をするの。人をおだやかにつつむ大きな心を持ってるおじいさんから、それをたくさん感じたいんですって」
6.まとめ
こんにちは、どふぁらずら。
目立つ欠点。
んだが、
よく受け取ったり、その人のいいところを、ちゃんとみたり。
おだやかにつつむのが、いいずら。
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