長い物ってなに?
ヘビ!
巻かれるのなんていやだ――。
本文は:物語風に2分
<ふりがな> 小学3年生~
1.タウパの前書き <だけど、負けたくない>
2.しょうじきにつたえる
3.いわないで巻かれた
4.えらい人がこわいから
5.そんな大人になりたくない
6.1番になりたい
7.大切なもの
8.巻かれずにまもった
9.まとめ <長い物には巻かれろ>
それじゃあ、物語みたいに、いくよ
1.タウパの前書き <だけど、負けたくない>
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
海にいるウツボってしってる?
すごい力があるし、するどい歯をもってる。
そんなのに巻きつかれたら――、
たすけてってばぁ。
だけど、
負けたくない。
2.しょうじきにつたえる
「うん、先生、そうだよ。それがぼくらのした、ほんとうのことだよ」
タウパのクラスの男女、10すう人がうなずきました。
「わかったわ、それじゃあそう、こうちょう先生につたえるわね」
たんにんの女の先生と、もうひとりの男の先生です。
ふたりが、葉っぱをかさねた屋根のしたから、外へでました。
「あっ、こうちょう先生、きてくれたんですか。ちょうど今、子どもたちから話をききおえたところです」
ふたりの先生が、こうちょう先生をまえに立ちました。
3.いわないで巻かれた
こうちょう先生が、ほほ笑みます。
「どうでしたか、わたしのいう通りだったでしょう。子どもたちは、こまっていたお年よりに手をかしたので、しゅうごう場所にこられなかった」
ふたりの先生は、なにもいいません。
「やっぱり、そうでしたか。このしょう学校の子どもたちは、悪さをしません。いい子ばかりのはずです。なぜならわたしが、こうちょうをしているんですから」
ふたりの先生が、うなずいています。
うしろから子どもたちが、みていました。
4.えらい人がこわいから
「ぼくたちはあそんでて、しゅうごう場所にいかなかったって、ちゃんとほんとうのことをいったのに、どうして先生たちは――」
ヤシの木のあいだをつづく道を、あるいてかえります。
「えらいからよ。先生たちは、こうちょう先生がこわいのよ」
「だからって、ぼくらが外でするじゅ業を、さぼったことをいわないのって、ひどすぎない?」
「どうでもいいけどよ。先生だって自分がかわいいってことよ」
「そうよね、こうちょう先生にさからったら、先生をくびになるかもしれないし」
5.そんな大人になりたくない
道にヤシの葉のかげが、くっきりとうつっています。
「わたし、ちゃんとしたことがいえない、大人になんて、ぜったいにならない――」
「そりゃ、そうだろう。おれは相手が、えらいやつだろうが、かんけいないぜ」
タウパが、みんなのまえにでました。
「だったらそれ、ぼくらみんなで、やろうよ」
「わたしたちだけじゃなくて、クラスのみんなに、このことを話しましょう」
「そうだ、それがいい」
「相手がだれだとしても、ちゃんとしたことをいう。そんなのあたりまえよ」
6.1番になりたい
まわりに教室のたつ、校庭でした。
試合、しゅうりょうです。
「やった、やった、やったぁ。3~4年生のなかで、ぼくらのチームが、1番になった」
つづけてタウパが、チームのみんなにいいます。
「5~6年生の1番のチームとたたかおうよ。ぼくらなら、勝てる。そうしたら、しょう学校で1番になれるってばぁ」
「そうよ、わたしたちなら、勝てるわ」
「そうだな。上きゅう生を負かしたら、さいこうだぜ」
7.大切なもの
上きゅう生の1番のチームが、まえに立っています。
「おまえら、バカか。そんな試合、やるまえから、おまえらの負けに、きまってるだろう」
「そんなことないわ。やってみないとわからないわ」
「おまえらそんなに、ケガをしたいのか――」
「どうだっていいけどよ。思ったことはちゃんと、いわせてもらうぜ」
「そうよ。やらないで、みとめるのなんて、ぜったいにいや」
タウパが、1歩まえにでました。
「相手が、だれだとしても、ぼくたちの大切な、ことなんだってばぁ」
8.巻かれずにまもった
くやしさのこもった、うなり声ばかりです。
タウパたちが、グラウンドにたおれています。
「おまえら、ちょうせんしてくるだけの、ことはある。さすがだ」
立っているのは、上きゅう生だけです。
「ええ、いい根じょうしてるわ。本気でたたかえないで、もうしわけないぐらいよ」
「だからいっただろう。ケガをしてボロボロじゃねぇか――」
「えらい相手やつよい相手には、さからわなきゃいいのよ。長い物には巻かれろって、そういうことよ」
「だがおまえらは、巻かれなかった。おまえらの大切なものを、まもった。たいしたもんだぜ」
9.まとめ <長い物には巻かれろ>
やぁ、どふぁらずら。
長い物。
それはえらかったり、つよかったりする相手ずら。
巻かれないでさからうと、そんをする。
んだが、
大切なものをまもる。
そんときは、
むねをはって、ちゃんというずら。
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