きずなでむすばれてる、とかって聞くけど……。
きずなってなに?
本文は:物語風に6分
<ふりがな> 小学3年生~
1.タウパの前書き <みんなでわける>
2.みんなが集まって・よく太った魚
3.みんなで、ひとつの作業・干物づくり
4.子どもからお年よりまで
5.頭と内ぞうをとる
6.魚からウロコや血を、あらいながす
7.声をかけあい・ひとつしかないナイフ
8.ていねいにしおをぬって
9.とびかう女たちの話し声
10.幸せのえみ
11.まとめ <ほのおがうつしだす、きずな>
🐾それでは、物語風におくります
1.タウパの前書き <みんなでわける>
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
ひと月に1回、魚がめちゃくちゃたくさんとれる。
ぼくのおじさんや、おばさんが、近くに住んでる。
みんなでやって、みんなでわける。
だけど、たいへん。
その日は、魚をとったのが夕方で、
作業が、夜になったんだってばぁ。
2.みんなが集まって・よく太った魚
ヤシの葉を、あんでつくったマットです。
地面にしき、そこに魚が山になっています。
タウパが、まえに立ちました。
「うわぁ~、こんなにたくさん。うれしいけど、やんなっちゃうってばぁ」
スラッとした魚で、よく太っていました。
大人のおおきな手のひらより、長いぐらいです。
タウパが魚にむいたまま、横へうごきました。
「オレンジ色の、ほのおの色がうつって、魚がちがう色にみえる」
もも色と金色が、まざったような色でした。
みんなで、干物をつくります。
ほのおにむいてあぐらをかき、それぞれが作業をします。
3.みんなで、ひとつの作業・干物づくり
ヤシの葉のマットを、しいています。
4人の女のまえに魚が、ながれでるようです。
「はいはい、まだまだ魚は、たくさんあるからねぇ」
女が持っているのは、葉をせん面きのように、あんだうつわでした。
「それじゃあこっちは、ウロコをとった魚を、いただくわね」
4人の女が、二まい貝のいっ方を、手に持っています。
魚をおさえて、貝で魚をこすりました。
「ボアタ、じょうずにウロコを、とばすじゃないか」
「おばあちゃんより、わたしの方が、はやくできるから」
ボアタは16才の、タウパのいとこです。
4.子どもからお年よりまで
タウパのおばあちゃんが、ウロコのとれた魚をつかみます。
「ほら、こうやってつまんで、おしりのあなをとるの」
指先で、切るようにひっぱりました。
その魚をおき、ちがう魚を手にします。
「ここは、3人でやってるから、はやいわねぇ。どんどん、つまんでとってね。集めてつぎへ持っていくから」
そういったのとは、べつの女でした。
葉をあんだうつわを、りょう手で持ってきました。
「あけるわよ、この魚、ウロコがとれてるから」
5.頭と内ぞうをとる
「ほらこうやって、頭をちぎってひっぱれば、内ぞうがいっしょに、でてくるわ」
タウパのお母さんが、内ぞうをひっぱりだしました。
その横で、タウパのおじいちゃんの妹が、作業をしています。
20才ぐらいの女が、両ひざをついています。
いらない頭や内ぞうを集めて、せん面きのようなうつわにいれました。
そして、頭と内ぞうをとった魚を、ヤシの葉でつくったカゴにいれます。
べつのおばさんふたりが、近よりました。
「どお、カゴにどのぐらいはいった?」
「あらっ、もういいんじゃない」
6.魚からウロコや血を、あらいながす
「じゃあ、持ちあげるわよ」
「せーの」
ふたりのおばさんが、魚のはいったカゴをはこびます。
タウパのお父さんの兄弟の、おくさんたちでした。
「それじゃあカゴを、ひっくりかえすわよ。それっ」
葉をあんだマットに、魚がひろがりました。
「タウパ、お水、はやく井戸からくんできて」
タウパと、そのすこし年上の男の子ふたりと、女の子です。
「水をはこぶのは、わたしたち4人にまかせて」
「そうそう、少しずつよ、水をこぼすのは。ウロコや血をおとして、魚をきれいにするから」
4人の子が、行ったり来たりしました。
7.声をかけあい・ひとつしかないナイフ
ウロコや血が流れ、魚がきれいになりました。
あらった魚を、おくさんたちが、はこびます。
「いい。カゴを、ひっくりかえすわよ、せぇの――」
魚がすべるように、でてきました。
「じゃあ、おじいちゃん、おねがいね」
タウパの、ひいおじいちゃんが、ナイフを持っています。
「まかせるじゃ。ナイフは一本しかない。なぁに、魚をさんまいにひらくぐらい、わしひとりで、すぐじゃ、すぐ」
8.ていねいにしおをぬって
ひらいた魚を、タウパのお父さんの弟が、とりました。
「ほらよっと」
となりにすわるのはタウパの、ひいひいおばあちゃんです。
「きれいな色をした魚の身ねぇ。ていねいにぬりましょうねぇ」
ふたりが、しおをぬります。
16才ぐらいの男の子が、ひざをついています。
しおをぬった魚を、茶色いぬののふくろに、いれました。
9.とびかう女たちの話し声
「うちのむすめ、6才なんだけどね、このまえ、わたしのぐあいが悪くなった時に、お母さん、だいじょうぶって、横になってたわたしのかたに、そっと手をおいてくれたのよ」
「うちの子は、12才になったけど、ぼくが魚をやこうかなんて、なまいきいうのよ。うれしいじゃない」
「タウパ。タウパはどうなの、家の手つだい、ちゃんとしてるの?」
「してるってばぁ、も~、こんなにやってるじゃないか――」
「あっ、ずるい、ずるい」
そういって女たちが、タウパのお母さんに近よります。
「わたしたちにも、魚のたまご、たべさせて」
「口の中でプチプチつぶれるわ」
「あまくておいしいじゃない」
10.幸せのえみ
地面に、ヤシの葉をあんだマットをしいた家のゆかです。
10人ほどの子どもたちが、走りまわってはしゃいでいます。
ゆかのはしに、ほのおの方をむいて、あぐらをかいていました。
タウパのお父さん、そのお兄さん、タウパのおじいちゃんです。
3人が、海から魚をとってきました。
3人のまえには、木のコップがおかれています。
おいしいヤシのジュースが、はいっていました。
子どもたちのはしゃぐ声が、ひびきます。
それにまざり、女たちの話し声が、とびかいました。
大人たちが、えみをうかべています。
11.まとめ <ほのおがうつしだす、きずな>
やぁ、どふぁらずら。
助けあい、いっしょにわらう。
家族のきずなを、
ほのおが、うつしだしてるずら。
家族みんなでつくった、干物、うまいずら。
そのまま食うずら。
半ぼしは、やわらかくて、さい高。
しっかりほせば、なんか月たっても食える。
んだが、
なぜか、すぐになくなるずら。
✨どふぁらのページの紹介 ↓ ↓