< 本文は:物語風に3分 >
目次
1.タウパの前書き
2.男なら地球をうごかす
3.男ならあたりまえ
4.魚との勝負
5.じゅうぶんに男だ
6.恥ずかしくていえない
7.とっさの判断
8.まとめ
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
ぼくだって男だってばぁ。
だから女の子に、やさしくする。
おおきくなったら、
なんでもできるお父さんみたいに、なるんだってばぁ。
2.男なら地球をうごかす
ナコが丸っこい鼻先を、横をあるくどふぁらにむけました。
「おまえは昨日、みただろう。おれが地面をおしたら、ヤシの木の高さとおなじぐらい、地球がうごいた」
ナコはどふぁらと年齢と背丈がおなじぐらいで、どふぁらよりがっしりした体格をしています。
どふぁらの肩に片手をおきました。
「男ならそのぐらいできて、あたりまえだ。どふぁらも練習してたじゃないか、心配するな、すぐにできるようになる。そのときは、おれがどのぐらいうごいたかみてやる」
どふぁらがナコに顔をむけました。
「うううっ」
「なに、その言葉、わすれるなって! おもしろい、楽しみにしてるからな」
💦 ナコが地球をおすページは、こっち >
3.男ならあたりまえ
漁場についたどふぁらとナコが、胸のちかくまで海水につかってあるきます。
「このぐらい海がふかいと、ゆっくりしかあるけないし、からだがあまり海面からでてないだろう。魚にきづかれにくい」
海水が透きとおり、白い砂の海底がひろがっています。
ナコがそっと片手をあげ、足をとめました。
「あそこだ。あそこに体長30~40センチのアジが群れてる」
「ううっ」
ナコが指をさしました。
「ほら、よくみろ。下にいる魚が、海面にうつってるようだぜ」
「ううっ」
「あれが、わからないってか! あんなでかい魚が群れになって。まだまだだな、男ならみつけられてあたりまえだ」
4.魚との勝負
半分ずつにわけた網をナコとどふぁらが、べつ方向にあるきながら張っていきます。
群れを中心にウキが円をえがいて、どふぁらとナコが合流しました。
「いいか、ここからが勝負だ」
「ううっ」
ふたりとも網の外に立って、円の中心にむいています。
「おまえの思うところまで移動しろ、いいな1尾でもいいから、とめるんだぞ」
網にそってあるきはじめたふたりが、むかいあうように立ち、おたがいにうなずいたかと思うと、ナコが厚手の布の袋をにぎった腕を勢いよくふり、空中に弧をえがいた袋が、海面をたたきました。
5.じゅうぶんに男だ
厚手の布が水しぶきをあげ、かたまっていたアジがいっせいにうごいて、夜空にひらく花火のようです。
まっすぐに水中をすすみ、網につっこんで海面にならぶ、ウキをゆらしました。
「ううっ」
どふぁらが網をつかんだりょう手を高くあげ、飛びこえてにげようとしたアジを、2尾くいとめました。
「くっそー、頭のいい魚だぜ。あっちこっちから飛びこえてにげやがる」
ナコもとびあがった魚を、なん尾かとめました。
「どふぁら、網をひっぱって円をちいさくするぞ、まだ網にかかってない魚がいる」
「うう、ううう」
「しんぱいするな、おまえぐらい漁ができれば、じゅうぶんに男だ」
6.恥ずかしくていえない
網を肩にかけてあるくナコのうしろに、どふぁらがついています。布の袋の口をりょう手でつかみ、その背中に漁獲がふくらんでいました。
袋が海からでて、重さがまします。
「なんだおまえ、ずいぶん辛そうじゃないか。袋のなかには30尾もいないんだぞ」
「ううっ」
「だいじょうぶだって、おまえ強がったって、そんなにまえにかがんでたらなぁ……」
ナコが立ちどまりました。
「ほら、おまえが網をもて、おれが魚をはこぶ」
ナコが魚のはいった袋を背負いました。
「うううっ」
「心配するな、おまえは友だちだ。男じゃないみたいだなんて、だれにもいわない。恥ずかしくって、いえるわけないだろう」
7.とっさの判断
海からでて浜をあがり、ヤシの木のあいだをすすんで、道へでました。
「おっ、どおしたんだ、ぐあいでもわるくなったのか!?」
道ばたの草むらに、手製の茶色い服を着た女性が、しゃがんでいました。
どふぁらとナコが、女性の横で足をとめます。
女の人のわきに屋根材をつくる細長い葉が、束になっておいてありました。
「林で葉をあつめた帰りか、あるけないとなると、ただごとじゃないな」
ふたりに顔をむけた女性は、30過ぎぐらいの年でした。
「だいじょうぶよ。やすんだからよくなってきたわ」
ナコが横をむきました。
「小柄だ。おまえが背負え。あとはおれにまかせろ。葉ももっていく」
女性を背負って、あるくどふぁらが思います。
≪とっさに判断するナコは、男ずら。それにひきかえ、ナコにいわれてやるおいらは、トホホ……。まだまだずら≫
8.まとめ
こんにちは、どふぁらずら。
それが男だ、っていわれても!
どこにだっているずら。
そうなりたくて、修行してるヤツ。
おいらは、島の男になるずら。
おっと!
こんな男もいるずら。
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