誰かのために何かする:胸の中をゆたかに




*目にやさしい背景色を使用*











やった人にだけわかる、よろこび……







< 本文は:物語風に3分 >


目次

1.タウパの前書き <挫折しそうになって立ちなおり>

2.なんにもならない・くたびれるだけ損

3.また、足にケガをした

4.手当てをして作業をつづける

5.子どもだってちゃんとみてる

6.どうどうと胸を張って

7.まとめ <がんばっただけ、ゆたかに>








それでは、物語のように、どうぞ















- そこは、さんご礁にかこまれたのしげる島 -








1.タウパの前書き <挫折しそうになって立ちなおり>


こんにちは、島に住む10才のタウパです。

ハベモさんは16才。

細いからだをしてるけど、力もちのがんばり屋さん。

大人にまざって

小学校の教室の、建てかえをしてる。

目標をみうしなって、とちゅうで挫折しそうになった。

だけど、

立ちなおったんだってばぁ。

それを先に読むなら、こっち >

















 

2.なんにもならない・くたびれるだけ損

太陽が高いところにあるあいだ、作業はおやすみですが、ハベモはみんなの半分しか休憩しません。

ヤシの葉をあんだマットをしいた床に、立ちあがりました。

「あらっ、ハベモ、ふつうに歩けるようになったじゃない。足のケガ、よくなったみたいね」

姉がうしろからいい、片手をあげて答えたハベモが、母屋の軒をくぐってでていきました。

ヤシ林へはいり、人が踏んでできた道をすすみます。

ハベモとおなじような年の青年がふたり、まえから歩いてきました。

「よお、オノをもって今日も作業か、おまえ、よくやるなぁ。てつだったって、なんにもならないじゃないか」

ハベモが道をはずれ、草むらを歩きます。

「誰かのために、なにかするって、悪くないぞ。おまえらもやればいい」

もうひとりの青年がハベモへ、顔をむけました。

「バカバカしい、くたびれるだけ、損じゃねぇか」

青年たちとすれちがいます。

ハベモは小学校で、3年生の教室をまえにして聞いた、子どもたちの歌声を思いだします。

この作業をがんばると決めた、ハベモの心の支えでした。

















 

3.また、足にケガをした

がっしりしたからだの男が3人一組になり、屋根の枠にする幹を、肩にかついで歩きます。

集落の中を通る道をいき、小学校にむかいました。

教室を建てるところで、足をとめます。

「せぇの――」

3人が声をそろえ、幹が地面にあたる重たい音が、つづきます。

幹が次々に、音をひびかせました。

男たちが木陰に腰をおろし、ひとやすみします。

教室のわきから、枝を肩にかついだハベモが、あらわれました。

かついでいるのは、自分の手首ぐらいの太さをして、りょう手をひろげた以上に長さのある枝が、10本ちかくです。

やすんでいる男のひとりが、口をひらきました。

「あいつ、おそいと思ったら、こんどはつま先をあげて歩いて、また、ケガをしたのか――」

















 

4.手当てをして作業をつづける

枝をおろしたハベモが、木陰にはいりました。

男たちが、ハベモの足に視線をむけます。

「どうしたんだ」

ハベモが、腰をおろしました。

「カニの殻をふんじゃって、ちょうど指のあいだだったから――」

「手当てをしに家に帰れ」

10人ほどの男たちのリーダー格が、つづけます。

「それでおまえ、ケガが治るまで、こんどはちゃんと作業をやすめ。無理しすぎだ」

ハベモが、立ちあがりました。

「手当てはします。でも、作業はつづけます。このぐらい平気です」

















 

5.子どもだってちゃんとみてる

ハベモはケガをした足の、かかとをつかって歩きました。

林で切りだした材料を、小学校へはこびます。

何日かして、ふつうに歩けるようになり、太陽の高いときです。

母屋で横になっていました。

「ハベモお兄ちゃん」

男の子の声でした。

軒先に、小学2年生ぐらいの男の子と女の子が、立っています。

ハベモがおきあがり、ちかよりました。

「ふたりして、どうしたの?」

「これ、飲んで」

男の子がりょう手で、皮をむいたヤシの実をさしだします。

「これは、ハベモお兄ちゃんに」

女の子がちかより、もっていたプルメリアの花を、ハベモの一方の耳のうえにさしました。

















 

6.どうどうと胸を張って

日中の休憩を、いつものようにはやく切りあげ、材料をあつめに林へはいります。

10本ほどの枝の皮をむき、一方の肩にかつぎました。

人が歩いてできた道を、集落のほうへむかいます。

まえからハベモとおなじような年の青年がふたり、歩いてきました。

「足、なおってよかったな。だけどおまえ、どうしてそこまでするんだ?」

もうひとりの青年が、つづけます。

「まったくだ。がんばったって、いいことないだろう」

ハベモが胸を張ってすすみ、青年たちが道をゆずり、草むらを歩きました。

ハベモがふたりに、目をむけます。

「おまえらも、やったらいい。そうすれば、わかる」

ハベモの胸中に、男の子と女の子の言葉が、刻まれていました。

「ぼく、なんどもみたよ。枝をかついで、足が痛そうに歩いてるの」

「ハベモお兄ちゃん、がんばってわたしたちの教室、つくってくれてるから」








7.まとめ <がんばっただけ、ゆたかに>







こんにちは、どふぁらずら。

最初から、金品が目的じゃない。

誰かのために、なにかする。

がんばっただけ、

胸の中が、ゆたかになるずら。




おっと!

人がよろこぶ、こんなページがあるずら。

・笑顔に決まってる >








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