小さな背中:うれしい成長




*目にやさしい背景色を使用*











思いだすのは、もっともっと小さな背中。

あのころは、たいへんだったわねぇ。

ああ、ものすごく手がやけてまいった。








< 本文は:物語風に4分 >


目次

1.タウパの前書き

2.木漏れ日をうけておいしそう

3.木漏れ日のなかで食べる

4.作業がとちゅうなのに

5.粘り気がつよくて、こまったもんだ

6.小さな背中に、成長をかんじる

7.お父さんを真似て

8.お父さんとお母さんが、おしえてくれた

9.まとめ








それでは、物語のように、どうぞ















- そこは、さんご礁にかこまれた のしげる島-








1.タウパの前書き


こんにちは、島に住む10才のタウパです。 

ぼくは幼いころ、

きっと手のかからない、いい子だったんだってばぁ。

ってことは、

ぼくのお父さんとお母さんは、

ぼくの背中をみて、うれしくなることがない!!

そんなのいやだってばぁ!!


















2.木漏れ日をうけておいしそう

集落を海側とヤシ林側に二分するようにとおる道は、りょう側にパンの木がたち、その枝葉が緑のトンネルをつくっていました。

枝葉のあいだから日が差しこみ、黒い道に木漏れ日がゆれ、その光りのなかにパンの実がおちています。

熟してみずから枝をはなれ、地面にあたってつぶれ、なかの鮮やかな黄色い実をあらわにしていました。

あるきはじめて間もない男の子のシンが、おしりを地面についてすわり、むしりとった実を口にはこびます。

















 

3.木漏れ日のなかで食べる

パンの木は幹が、それぞれの家の敷地の門柱のようにたち、そのあいだからシンのお母さんが道へでました。

一方へむいた顔を、もう一方へむけます。

「やっぱり、ここにいたわ」

シンをみつけ、足をはやめました。

「まったく、あんなに遠くまで、ずいぶんあるけるようになって」

お母さんがシンをまえにして、しゃがみました。

「そんなにパンの実がすきなの? おうちでちゃんとご飯を食べたじゃない」

シンが手を交互につかって、実を口にはこびます。


















4.作業がとちゅうなのに

切った木の幹が地面にたつように埋まり、ブタ小屋の柵をつくっていました。

柵の外にたったシンのお父さんが、ホウキをなかにいれ、掃除をしています。

「ねぇ、あなた。そこにシンがいますよね?」

声をかけたのは、火をつかう小屋で棒を手に、火にむいてあぐらをかいたお母さんです。

お父さんが、ふりかえります。

「おまえの膝に、すわってるんじゃないのか?」

「ここには、いないわ。わたしは手がはなせないから、おねがいです、シンをさがしてください」

柵にホウキをたてかけ、お父さんがあるきだしました。

「そっちじゃないわ、きっとパンの実よ、道にいると思うわ」


















5.粘り気がつよくて、こまったもんだ

道にでたお父さんが、木漏れ日のなかにしゃがんでいるシンをみつけました。

「お母さんのいってたのは、これか」

お父さんが、シンにあゆみよります。

「熟れたパンの実がすきで、ちょっと目をはなすと、すぐに食べにいくって」

おとうさんが、シンのうしろにたちました。

「シン、どうだうまいか。たいしたもんだな、アリや犬より先にみつけなかったら、食えないからな。さぁ、もういいだろう。りょう方の手に、口にいれる実をつかむんだ」

お父さんがシンを、だきあげます。

「手も口のまわりもベタベタじゃないか。パンの実からでる白い液は、粘り気がつよいからな。こまったもんだ」

















 

6.小さな背中に、成長をかんじる

「火をとおして食べればへいきなんですけど、ほんとあのベタベタをおとすのは、ひと苦労だったわ」

「もうなん年もまえのことになるが、あのころは子どもたちが、どれだけ俺たちの作業に、支障をきたしたことか」

「ふしぎなことに、シンがしなくなったと思ったら、弟のスンスがシンとおなじように、熟れておちたパンの実を食べてましたから」

緑のトンネルの道を、小学4年生のシンと2年生のスンスがならんであるき、ふたりから少しおくれて、お父さんとお母さんがついていました。

「ふたりともまだ子どもだが、ずいぶんしっかりしたものだ」

まえをあるく小さな背中に、お父さんとお母さんが目をむけています。

「そうですね。島で一番大きな木のプララに、兄弟だけでいきたい、なんていいだした時には、びっくりしましたから」

💦 そのページは、こっち >


















7.お父さんを真似て

道におちた緑の葉がなん枚かついた枝がふたつ、木漏れ日をうけています。

兄のシンが大きい方を、弟のスンスが小さい方の枝を持ち、枝をつかんだりょう手を一方の肩にあげて、あるきだしました。

「あなた、みてください。ふたりともまえにかがんで、背中にフワッともりあがった枝を、重たそうにあるいています」

お父さんがうれしそうに、頬をゆるめました。

「まいったなぁ。漁から帰ってくる俺は、漁獲をあんなに重そうにかついでるのか?」

お母さんが幸せそうに微笑みます。

「そんなことありませんけど、大漁の時のあなたを、真似てるんじゃないでしょうか?」


















8.お父さんとお母さんが、おしえてくれた

シンとスンスが踵をかえし、お父さんとお母さんにむかってきます。

「おまえたち、それにしてもじょうずだな。真剣な顔までして――」

「ほんとだわ。まるで魚がいっぱいはいった布の袋を、かついでるみたいよ」

ふたりが真剣な面持ちに、かすかに笑みをまぜました。

お父さんとお母さんがりょう側にわかれ、シンとスンスに道をあけます。

りょう親をとおりすぎたところで、シンとスンスが漁獲を重そうに道におろし、大きく息をはきだしました。

ふたりがりょう親にむき、シンが胸をはります。

「だって、お父さんとお母さんが一生懸命を、おしえてくれたんじゃないか」

「そうだよ、そうだよ、真剣にやれっていったし」

お父さんとお母さんが、顔から笑みをこぼしそうです。

💦 一生懸命をおしえたページは、こっち >








9.まとめ







こんにちは、どふぁらずら。

小さな背中、でも、もっともっと小さなころがあった。

成長をかんじ、ふとうれしくなる。

手をやいたかいが、あるずら。



 

おっと!

こっちは、小さな背中が気がかりずら。

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