< 本文は:物語風に4分 >
目次
1.タウパの前書き
2.また、どやされた
3.すでに、できる
4.真剣に
5.うつくしい模様
6.くさらなければ・うつくしいだけじゃない
7.集落の誇り
8.まとめ
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
ぼくは、小学校の先生やお母さんに怒られると、ふてくされる。
そうするとまた、怒られて、
もっとふてくされちゃうんだってばぁ。
でも、
そんなふうにならなければ……。
2.また、どやされた
乾燥したヤシの葉の芯に厚手の葉をおりかさねた屋根材や、ヤシの実の繊維をよったひもが、集会場にはこびこまれます。
集落の者たちが何年かに1度おこなう、屋根をふきかえ、柱の接合部分にまかれたひもを取りかえる、作業をしていました。
「この大バカヤロー。こんなひものまき方をしてるようじゃ、作業なんかやめろ、やめろ、やめちめぇ――。集会場がけがれる。集落の者たちが、恥ずかしがる」
強い口調で男の声がひびきます。
床のはしでひもを手にしていたツーツイが、首をすくめました。
床とおなじように長方形になる屋根のわくと、屋根の天辺へむけてのびる柱を、接合するひもをまいていました。
ひもの束をわくの柱にのせ、腰をふかくまげて軒をくぐって外へで、木漏れ日がゆれる道をあるきました。
「くっそー、腹がへってつい、食い物を想像しちまった。作業してるあいだは、ぜったいに気をぬかねぇって、心にきめたのに――。またやっちまったぜ」
つぶやいて走りだしました。
3.すでに、できる
「もー、やる気はうしなわねぇ。うしなうと取りもどすのに苦労する。こうしてほった穴に、大声をだして悔しさをぶつけさせてもらったら、さけびながらヤシ林をはしる。ウオ~」
スラっとした幹がたちならび、林が島の反対側までひろがっていました。
「だけどよぉ、どなられてくやしいけど、あんたの作業をみる目は、たいしたもんだぜ」
高いヤシの木をまえにしました。
「こうしてヤシの木にのぼって、放射状にひろがるヤシの葉のぶっとい芯にたつ。そして、海原のようにひろがるヤシの葉をながめながら、作業中はぜったいに気をぬかねぇ、って誓う。そこまでおれは、できるようになった」
仁王立ちになったツーツイが、腰にりょう手をあてました。
「だからおれは、やる気にみちてる。だが今回は、それだけじゃたりねぇ」
💦 やる気を維持するページは、こっち >
4.真剣に
ヤシ林のなかでした。
ツーツイが木の枝を2本、地面にたつようにうめ、それを足にして丸太をよこたえました。
「丸太のよこにもう1本、高い枝をたてる……」
ヤシの実の殻をつかって、小さくてふかい穴をほりました。
「この足の枝にのせた丸太の一方を、よこたえた丸太にこうしてのせれば――。よし、集会場でおれが、まきなおそうとしていた2本の柱とおなじだぜ」
手を打ちあわせました。
「まぁ、本物より柱がほそいが、練習にはじゅうぶんだ」
束ねたひもをひろいます。
「さぁ、真剣にいくぜ」
5.うつくしい模様
林のなかで3日間、ひもをまく練習をくりかえしました。
ツーツイが片腕で、額の汗をぬぐいます。
「3回だ。3か所ならつづけて作業ができる。だが、集会場の柱は太い。だから、2か所ひもをまいて柱を結合させたら、だれかと交代する」
幾重にもまいたひもをみつめました。
「そしておれは、ひと休みして集中力をやしなう」
ツーツイが、小さくうなずきました。
「かならずだ。かならず2か所まいたら、やすむ。そうしないと、また気をぬいちまう」
うれしそうにほほを、ゆるめます。
「それにしても、規則正しくひもをかさねてつくったこの模様、うつくしいぜ」
6.くさらなければ・うつくしいだけじゃない
ツーツイが、集会場の作業にくわわりました。
≪どうせなら練習した、もっとむずかしい結合部分を、まきたかったぜ≫
心のなかでいいながら、柱と柱をよこに長くつなげる部分に、ひもをまきます。
≪どやされたくはねぇ。だが、どやされてもくさらずに、またこうして作業にのぞめば、おれは成長する≫
ひもをまこうとりょう腕で、よこたわる柱をだくようです。
≪ひものまき方を練習し、どやされてもやる気を維持できるようにもなった。そしてまた今回練習して、おれの作業のできは、島の男そのものだぜ。どうだ――≫
ツーツイが1歩さがり、まきあがった結合部分に目をむけました。
「そうだツーツイ、それでいい。やればできるじゃないか」
よこにたった男が、うれしそうな顔をしました。
「この結合部分は、うつくしいだけじゃない。ひものつくる幾何学模様から、奥行きが感じられる。受けつがれてきた技術、その歴史がにじみでてる」
7.集落の誇り
≪どうだ。おれはりっぱな島の男だ。こうしておれのまきあげるひもからは、先人たちの汗と苦労がうかびあがるってもんだ≫
ひもをまくツーツイが、口元をあげました。
≪これはどやされて、3日も練習したまき方だ。目をつぶったって、うまくできるってもんだぜ≫
うれしさを堪えきれずに、ほほをゆるめます。
ツーツイのよこに、男がたちました。
「この大バカヤロー、なんだそれは、子どものあそびか――。集会場は、集落の誇りだ。あまくみるようなやつは、でていけ――」
身をひいたツーツイが、自分のまいたひもをみて、目をまるくしました。
≪くっつそ~、ほめられて、ずにのっちまった――≫
8.まとめ
こんにちは、どふぁらずら。
どやされても、くさらずに。
そうすれば、
うまくなるずら。
おっと!
こっちは、あるといいずら。
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