子ども心:大すきなお父さん





ようこそ 冬の大三角形をめぐる旅へ。

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- 各画像は “自由と願い” の象徴です -









心配で心配で、体調をくずすほど。

やさしい子どもの気持ち、まもってあげたい――。








< 本文は:物語風に5分 >


目次

1.タウパの前書き

2.お父さんが帰ってこない

3.約束を信じてる

4.目をつぶったまま

5.子ども心

6.体調をくずすほど

7.お父さんが大すき

8.カヌーを魚でいっぱいにして

9.大声をひびかせて

10.まとめ








それでは、物語のように、どうぞ















- そこは、さんご礁にかこまれたのしげる島 -








1.タウパの前書き


こんにちは、海や林ですっぱだかであそぶ、10才のタウパです。

トールの気持ち、わかるってばぁ。

ぼくもお父さん、大すきだもん。

だけど、

下痢までするかな!?


















2.お父さんが帰ってこない

太陽の気配が東の空にうかがえ、木々にかこまれた家の建つ敷地が、うっすらと明るくなりました。

母屋の葉を葺いた屋根のしたで、3人の大人があぐらをかいてむきあっています。

「ひと晩待ちましたが、帰ってきません。うちの人、どうしたんでしょう?」

そういって小学生の息子のいる母親が眉をひそめ、義母が顔をしかめました。

「あの子ならだいじょうぶ。たとえ乗っていったカヌーに、不具合がしょうじたとしても、補強するヒモはいつも持っていってるから、もどってくるわ」

義父が、怪訝そうに首をかしげます。

「ろくにカツオやマグロが、獲れなかったのかもしれない。だとするとカツオやマグロを餌にして、サメを獲ろうとする。サメならいっぴきいれば、食いきれないほどだからな」

義父が背筋をのばし、小さく息をすいました。

「だが、サメはすぐにはあがらない。ひと晩中カヌーがサメに引っぱられ、走りまわることだってある。サメがつかれなければ、しとめられない」


















3.約束を信じてる

浜辺にたちならぶヤシの木の横に、母親が海のほうをむいてしゃがんでいます。

「お母さん、お父さんを待ってるんでしょう?」

3年生の息子のトールが、母親の横にたちました。

「お母さんがそんなだと、ぼくまで心配になる」

母親がトールに、笑顔をむけました。

「心配なんかしてないわ。カヌーが帰ってくるの、待っててあげたら、お父さんよろこぶでしょう」

「そうだよね。だってお父さん、ぼくがマグロが食べたいっていったら、任せとけって、笑顔で約束したもん」

母親が笑みをふかめ、トールがうれしそうに微笑みます。

「だからお父さんは、ぜったいにマグロを獲ってくるから」


















4.目をつぶったまま

母屋の軒は腰をふかくまげてくぐるほど低く、外がほのかに明るくなりました。屋根の下には床一面に、ヤシの葉をあんだマットがしいてあります。

「もう4日目です」

母親と義母は、大きめにつくった茶色いワンピースを着て、義父は茶色い布を腰にまき、3人ともあぐらをかいています。

「いくらなんでも、サメのせいじゃありませんよね?」

義父が眉のあいだに、ふかいしわをつくりました。

「ああ、ちがう。いくらサメでも、そう何日もカヌーを引けない。2日目と3日目に、集落のカヌーを持ってる者たちが、さがしに海にでてくれたが、みつからなかった」

義父が腕をくみました。

「なにかあったな!」

「そんな、そんなこといわないでください――」

義母が義父の腕を、りょう手でつかみました。

3人の横に、厚手の葉をあんだ寝具がしいてあります。そこにあおむけになったトールが、目をつぶったまま聞き耳をたてていました。


















5.子ども心

葉を葺いた屋根が日差しをさえぎり、軒先の地面に影をつくっています。そこに葉をあんだマットをしき、食事をとります。

「あらっ、たちあがってトール、もう食べないの? お魚もおイモも、すこししか食べてないじゃない」

「いっぱい食べたよ。お母さんがみてないだけだから」

敷地からでたトールが道をあるき、人があまりこない砂浜をまえにして、ヤシの木の横に膝をかかえてすわりました。

トールのおでこにあたった風が、前髪をもちあげます。

≪お父さん……≫

心の中でいいました。

≪帰ってくるよね。からなず帰ってくるよね。お父さん、お父さん、お父さん――≫


















6.体調をくずすほど

火をつかう小屋から外へでた煙が、木々のあいだに白くたちこめます。

火をまえにしてあぐらをかく母親にむき、義母がたちました。

「どうしたのかしらトールは、母屋に膝をかかえて横になって、ずいぶん元気がないみたいだけど?」

母親が火の面倒をみる棒をおきました。

「食事もあまりとらないし、食べても下痢するみたいで、なんども用をたしに浜にでるんです」

義母が、目を大きくしました。

「まさかトールは父親を心配して、体調をくずすほどだっていうの!?」

「そうだと思います。帰ってくるから心配ないとは、つたえているんですが……」


















7.お父さんが大すき

トールが用をたして母屋へもどり、トールのひいおじいさんが、トールに手招きしました。

「こっちにきなさい。ここにすわるんじゃ」

ひいおじいさんの腰にまいた茶色い布からでるりょう膝と、膝小僧をつきあわせるように、トールがあぐらをかきました。

ひいおじいさんが、満面の笑みをトールにむけます。

「トールおまえは、おまえのお父さんが、大すきなのか!?」

トールがうかない顔でうなずきました。

屋根裏へ顔をむけたひいおじいさんが、大声をたてて笑います。

笑顔のまま顔をおろし、トールと目をあわせました。

「いいかトールよく聞くんじゃ。おまえのお父さんは、海をよくしっとる。そしてカヌーをあやつるのが、うまい。どうじゃ、そのぐらいおまえも知っとるじゃろ?」

トールが小さくあごを引き、その頭をひいおじいさんがなでました。 


















8.カヌーを魚でいっぱいにして

ひいおじいさんが、トールの頭から手を引きます。

「おまえのお父さんは、魚をつかまえる道具を持ってカヌーに乗っとるじゃ。じゃから食べるものにはこまらん。ひとりで腹いっぱい魚を食べとる」

トールがわずかに首をふります。

「だけど飲みものがないよ。持っていったヤシの実は、3個だけだし」

ひいおじいさんが、しっかりあごを引きました。

「雨がふるじゃ。雨水は井戸の水よりも、ずっとうまい。それにカツオやマグロからは、血がたくさんでる。うまいぞ。心配ないじゃ」

うなずいたトールにひいおじいさんが、満面の笑みをむけました。

「それでもってトール、おまえのお父さんは、気持ちがつよい。なにがあっても、負けん。なぁに、もうすぐカヌーを魚でいっぱいにして、帰ってくるじゃ」


















9.大声をひびかせて

母屋の軒先に、ヤシの葉をあんだマットをしき、食事をします。

「お母さんはトールが食べるのを、ちゃんとみてますからね」

魚をかんでいるトールが、緑色の葉にのったおイモをとり、それをかじりました。

ほほをモグモグ動かしながら、母親に笑顔をむけます。

「あらっ! ずいぶんよく食べるわねぇ」

トールが焼いた魚から身を大きくはがし、それをほおばりました。

あぐらをかいたまま背筋をのばし、母親にむかってお腹をつきだします。

「わかったわ、トールのいうとおり、お母さんがみてなかったのね」

トールがたちあがりました。

「友だちみんな、林であそんでるから、ぼくもいってくる」

トールがはしりだしました。

「トール、高い木から飛びおりるときは、気をつけるのよ」

「わかった――」

大きな声を、木々のあいだにひびかせます。








 10.まとめ







こんにちは、どふぁらずら。

子ども心、大すきなお父さん。

おいらも、

こんなに思われる、お父さんになりたいずら。

💦 トールのお父さんのその後は、こっちずら >




おっと!

こっちは、忙しいずら。

・時間 >








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