勉強より、すきなことしてるほうがいい。
本文は:物語風に6分
<ふりがな> 小学3年生~
1.タウパの前書き <なんでするのかわからない>
2.勉強なんてきらい・友だちがすき
3.こまってる友だち
4.こまってる友だちを助ける
5.たくさん知りたい・むずかしいことでもがんばる
6.元気に答えるぐらいすき
7.まとめ <きらいだって、するようになる>
🐌 それじゃあ、物語みたいに、いくよ
1.タウパの前書き <なんでするのかわからない>
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
勉強をすきな子より、きらいな子のほうが、島には多いです。
ぼくも、そのうちのひとりだってばぁ。
だって、
なんで勉強しないといけないのか、
わからないんだもん。
2.勉強なんてきらい・友だちがすき
ヤシの葉を、あんだマットです。
ゆか一面に、しいてあります。
タウパが、せい服のたんパンをもって、すわりました。
「ちょっと、タウパったら、せいせき、悪いままじゃない」
そういったお母さんが、お父さんにむきました。
「お父さん、タウパに勉強するように、いってください」
お父さんは、プロレスラーのような、大きなからだをしています。
こしに、茶色いぬのをまいたすがたで、あぐらをかいていました。
ほほえみながら、やさしい言い方です。
「タウパは、勉強がきらいか?」
タウパが、たんパンに両足をいれ、立ちあがります。
「うん、すきじゃない」
しっかりした、言い方です。
「タウパ、おまえにはなにか、すきなことがあるか?」
「ある。友だちとあそぶこと」
タウパが、元気よく答えました。
「友だちがすき!」
「それじゃあ、友だちを、大事にしてるのか?」
「うん」
タウパが、深くうなずきました。
「だったら、いいじゃないか、お母さん」
3.こまってる友だち
ギギのお母さんが、家の中にむいて、地面に立っています。
両方の太ももを、高くつくったゆかのはしに、あてていました。
ゆかには、ヤシの葉のしんが、ならんでいます。
そこにギギが、すっぱだかで、あぐらをかいていました。
「ぼく今日は、小学校に行かない。ダメだっていわれても、行かないから」
「どうして、行きたくないの?」
「だって、だって」
ギギが両目をつよくつぶり、下をむきました。
「つげ口になるから、いわない」
お母さんのななめうしろに、タウパが立ちました。
「どうしたのギギ。はやく学校へ行こうよ」
ギギのお母さんが、タウパにむきました。
「ギギ、行かないっていうのよ。学校で、なにかあったのかしら?」
タウパが、ギギに顔をむけます。
「もしかしたら、トングのこと?」
ギギが口を、とがらせました。
4.こまってる友だちを助ける
ギギが口を、とがらせたままです。
タウパが、高ゆかにちかづきました。
「トングのことだったら、学校へ行こう。休んだら、トングににげたと思われる」
「でも……」
「じゃあ、いつになったら行くの?」
うつむいたギギに、タウパがつづけていいます。
「今日だけ休んで、明日行くならいい。でも、ずっと行かないのは、よくない。弱虫になっちゃう」
ギギが、顔をあげました。
「どういうこと?」
「本当は、行ったほうがいい、行くべきだ、って思ってる自分に、負けちゃう」
ギギがまた、下をむきました。
「ほら、ギギだってトングから、にげたくないんでしょう」
ギギが上目づかいに、タウパをみます。
「学校へ行こうよ。トングが、なにもしてこないように、ぼくが休み時間とか、ギギといっしょにいるから」
ギギが、目をかがやかせました。
横においてあったたんパンに、両足をとおしました。
あるきだしたタウパの横に、ならびます。
ヤシの葉のかげをとおり、ふたりの茶色いたんパンが、色を深めます。
「だけどタウパ、明日はどうするの?」
タウパが、ギギに顔をむけました。
「明日もあさっても、ギギが平気になるまで、ずっといっしょにいるから」
5.たくさん知りたい・むずかしいことでもがんばる
ヤシ林の中を道が、つづいています。
「ねぇギギは、すきなことってある?」
「うん、あるよ!」
タウパにむいたギギの目が、かがやいています。
「ぼく、ヤシの木がすきなんだ。毎日、おいしいじゅえきを、たくさんだしてくれるし、かにくだっておいしい」
ギギがヤシの木を、みあげました。
「それに、ほらみて。葉のしんがオレンジの木と、みどりの木があるでしょう。男の人と女の人みたいだし、ヤシの木のことを、いっぱい知りたいんだ」
タウパとギギの後ろから女の子が、声をかけました。
「おはよう。いっしょに行こう」
タウパの横に、ならびます。
「いまギギと、すきなことの話を、してたんだ。ルルは、すきなことってある?」
ルルが顔をグイッ、とタウパにちかづけました。
「わたしね。集会場って、すごくすてきだと思うの。高くて大きな屋根の下に立つと、からだがギュッって、なる。屋根うらに組んであるはしらや、たくさんの屋根ざいのつくる線がきれい。大きくなったころには、女の子もつくってよくなるといいな」
島では、家をたてるのは、男の仕事です。
女は、くぎのかわりになるひもや、葉をおりかさねて屋根ざいをつくります。
6.元気に答えるぐらいすき
まえからも、茶色いたんパンをはいた子が、あるいてきます。
道をまがると、小学校の入り口です。
ルルがタウパとギギの顔を、じゅんばんにみます。
「ふたりはなんていったの?」
タウパが、元気よく答えます。
「ぼくは友だちがすき。こまってたら助けたい。助けるためだったら、なんだってする」
それにまけないぐらい、明るくて大きな声でした。
「ぼくは、ヤシの木がすき」
ルルがふたりにつられたように、大声をひびかせました。
「わたしは、集会場をたてたい」
7.まとめ <きらいだって、するようになる>
やぁ、どふぁらずら。
勉強がきらいだって、
ギギやルルはもちろん、
タウパだって、真けんに助けたいなら、勉強するようになる。
すきなことがあるのが、いいずら。
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