下の子が、指をしゃぶっていたら、やってみて。
本文は:物語風に6分
<ふりがな> 小学3年生~
1.タウパの前書き
2.指は一番のなかよし、って教えてあげる
3.おっぱいをすう練習について聞いてみる
4.いつまで指をしゃぶるのか、問いかける
5.たくさんほめて、せい長したことをつたえる
6.赤ちゃんじゃない、もうお姉ちゃん
7.まとめ
それじゃあ、物語みたいに、いくよ
1.タウパの前書き
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
島にも、
指しゃぶりをする子がいる。
親はあんまり気にしないみたい。
だって、そのうちやめるもん。
ぼくはただ、
ヌクエの気持ちに、なっただけだってばぁ。
2.指は一番のなかよし、って教えてあげる
四角いゆかには、ヤシの葉のしんがならんでいます。
そこにタウパが、あぐらをかいていました。
お母さんが、ゆかのはしから地面におります。
地面に立つと、だいていた女の子を、ゆかに立たせました。
「ヌクエ、わたしはちょっと、いってくるから。ヌクエは、タウパに、あそんでもらいなさい」
お母さんが、タウパに顔をむけました。
「それじゃあ、タウパ、ヌクエをおねがいね。妹から赤ちゃんを、あずかってくるだけだから。すぐにもどるわ」
ヌクエが、タウパにむきました。
「ヌクエ、こっちにおいでよ」
タウパとむきあうように、ヌクエがあぐらをかきます。
ヌクエが指をしゃぶりはじめ、タウパがパッと表じょうを明るくします。
「あっ! チュッポ、チュッポだ」
ヌクエが指をくわえたまま、首をかしげました。
「それ、それ」
タウパが、ヌクエの口を、指さします。
「そのしゃぶってる、指のこと、ぼく、チュッポって、思ってたんだ」
タウパが、首をかしげました。
「そんな音をさせて、しゃぶってたからかな? もしかしたら、だれかが、そう言ったのかもしれない。なにしろ、ぼくにとっては、チュッポ、だったんだ」
ヌクエが、口からだした指を、見ています。
それをタウパが、指さしました。
「ヌクエのチュッポ、ヌクエの一番のなかよしだよね」
ヌクエが、ほほえみます。
3.おっぱいをすう練習について聞いてみる
ヌクエがまた、指をしゃぶりはじめます。
「ヌクエは、お母さんのおなかの中にいるときも、指をしゃぶってた?」
ヌクエが、首を横にふりました。
「やらなかったんだ。それとも、思いだせないのかな?」
タウパがつづけます。
「お母さんのおなかからでると、お母さんのおっぱいがあるでしょう。だから、おなかにいるときからおっぱいをすう、練習をするんだよね」
ヌクエがまた、首を横にふりました。
「ヌクエ、やってない」
「そうなんだ。ヌクエはおっぱいを、のむようになってから、練習したんだね」
ヌクエが、うなずきます。
「ヌクエ、のんでないとき、チュッポした」
「つぎにのむとき、もっといっぱいおっぱいを、のめるように練習したんだね」
4.いつまで指をしゃぶるのか、問いかける
「ヌクエはもう、お母さんのおっぱい、のんでないんでしょう」
ヌクエが指をくわえたまま、首をふりました。
「ぼくは、おっぱいをのまなくなってから、いつまでチュッポと、なかよしだっただろう?」
タウパが、かたほうのひとさし指を、あごにあてました。
「チュッポとケンカしたり、なかがわるくなったり、したんじゃないからね。まだ、ぼくのチュッポは、ここにいるから。ほら」
タウパが、いっぽうの手のおや指を、ヌクエの前にだしました。
「だけど、ぼくのチュッポ、口に入らなくなったんだ。おっぱいのまなくなって、練習しなくて、よくなったからかなぁ?」
タウパがヌクエに、顔をちかづけます。
「ヌクエは、いつまでチュッポで練習するの?」
ヌクエが、両目を大きくします。
「ヌクエはもうこんなに、お姉ちゃんになったんだから、もうすぐチュッポと、おわかれだね」
ヌクエが下をむいて、自分のチュッポを見ました。
5.たくさんほめて、せい長したことをつたえる
お母さんが、帰ってきました。
だいている赤ちゃんを、ゆかにねかせます。
お母さんが、ゆかのすみを指さします。
「ヌクエ、あのうちわ、もってきて」
ヌクエが立ちあがり、ヤシの葉でつくったうちわを、もってもどります。
お母さんが、顔いっぱいのえがおを、ヌクエにむけました。
「ありがとうね。ヌクエは、いい子ね。これがうちわだって、ちゃんとわかるんだから。それに、こうやってもってきて、くれるものね。お母さん、すごくうれしいな」
ヌクエが、うれしそうにほほえんでいます。
タウパが、あぐらをかいた自分の足の上に、ヌクエを座らせました。
ヌクエが、赤ちゃんのほうをむいています。
「ヌクエはすごいね。お母さんのおてつだいが、ちゃんとできるんだから。ほんと、お姉ちゃんになったんだね」
ヌクエが、首を後ろにむけ、タウパの顔を見ます。
「ヌクエ、お姉ちゃんでしょう」
6.赤ちゃんじゃない、もうお姉ちゃん
タウパの足の上でヌクエが、指をしゃぶりはじめました。
「あれっ? ヌクエ、お姉ちゃんなんじゃないの!」
ヌクエが、タウパに顔をむけます。
「ヌクエ、お姉ちゃんだよ」
「でもヌクエ、赤ちゃんみたいだよ。ほら、見て。赤ちゃんが、チュッポ、チュッポって、チュッポでおっぱいのむ、練習してる」
ヌクエが、いそいで赤ちゃんに、顔をむけました。
お母さんが、赤ちゃんにむけて、うちわをゆっくりうごかしています。
ヌクエが口から、しゃぶっていた指をおろしました。
「ヌクエは、チュッポとなかよしでしょう。お母さんがヌクエにたのむように、ヌクエもチュッポにたのんでみれば?」
ヌクエがチュッポを、自分のむねの前にだしました。
それをもういっぽうの手で、そっとなでます。
タウパが、つづけて言いました。
「ヌクエがお母さんを、よろこばせるみたいに、チュッポもヌクエを、よろこばせる。だからきっと、ヌクエのたのみを、聞いてくれる」
ヌクエは、下をむいたままチュッポをなでています。
ヌクエのむねの中から、声が聞こえるようです。
≪チュッポがいたから、お姉ちゃんになれた。だからもう、ヌクエのお口に入らないで。でも、これからも、ずっといっしょだからね≫
7.まとめ
指しゃぶり、
ヌクエぐらい大きくなってると、
お姉ちゃんを意しきするだけで、やめるかもしれないずら。
下の子のために、
お兄ちゃんや、お姉ちゃんの、出番ずら。
その子の気持ちになって!
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