そんな子にだって、なやみがある。
それなのに――。
本文は:物語風に4分
<ふりがな> 小学3年生~
1.タウパの前書き
2.もんくをいわれてる?
3.足がないから
4.みんなであそぼう
5.みんなに助けられて
6.なやみをかかえてる
7.なによりもすき
8.まとめ
それじゃあ、物語みたいに、いくよ
1.タウパの前書き
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
タンはおなじ学年の男の子。
りょう足が、
手の平のはばぐらいの、長さしかないんだってばぁ。
タンのことをすきな女の子から、聞いたことがある。
タンとけっこんして、タンがお父さんになったら、
あるきだしたばかりの子が、海にはいろうとするのをとめたり、
だきあげておしっこさせたりできるか、真けんになやんでた。
💦そのページは<ルビなし> こっち >
2.もんくをいわれてる?
スポーツのじゅ業がおわり、教室へむかいます。
「タンはそうやって、りょううでを前について、体をはこんですすむだろう」
「そうそう、だからうでの力がぼくたちより、ずっと強い」
「ほんとだよ。ぼくらは足でしないといけないけど、タンは手でヤシの実をなげて、自分のなかまにパスできるから、タンがヤシの実をキープしたら、ゴール前の注意がひつようになって、たいへんなんだ」
男の子たちにタンが、顔をむけました。
「そんなこといわれたって、ぼくもいっしょにできるように、ルールはじょう級生がつくってくれたから」
💦 そのページは、こっち >
3.足がないから
「ごめん、ごめんタン。タンにもんくを、いったんじゃないんだ」
「そうそう、注意しなきゃいけないから、タンの敵のチームになると、おもしろい」
「タンとおなじチームのぼくたちは、タンのパスがとく点につながるかもしれないって、ワクワクするんだ」
「ようするにタンがいるから、ゲームがいっそう楽しいってことだよ」
タンが、えがおになります。
「なんだ、おどかさないでよ、だったら安心した。ぼく、足がなくて、よかったんだ」
4.みんなであそぼう
教室の葉っぱをかさねた屋根を、4本の柱がささえています。
屋根の下には、ヤシの葉をあんだマットが、しいてありました。
子どもたちがあぐらをかいて、先生がくるのを待っています。
ふたりの女の子が、ふりかえりました。
「ねぇタン、学校からかえったら、あそぼうよ」
タンが、首をかしげました。
「トンボ草をとりにいって、トンボといっしょに空をとばない?」
タンが、うれしそうにえがおになります。
「じゃあ、ほかの子もさそって、みんなでいこう」
💦 トンボ草のページは、こっち >
5.みんなに助けられて
ヤシの木のあいだを道が、つづいています。
せい服のちゃ色い短パンをはいた子どもたちが、家のたつ集落へあるきます。
「もうおろしてくれて、だいじょうぶだよ。やすめたから、自分であるく」
タンが男の子の、せなかからおりました。
自分ですすんでいるタンのりょうがわに、じょう級生の女の子がならびました。
「タン、手」
「ありがとう」
タンの手をりょうがわから女の子がつかみ、あるきながらタンを持ちあげます。
道におりたタンが、またうかびました。
6.なやみをかかえてる
タンのすこしうしろをヒョロっとせの高い、ルーボがあるいています。
≪ぼくはタンに助けてもらって、あそぶのが楽しくなった。だからじゃないけど、林のなかでたおれたヤシの木に、よりかかって下をむいてるタンに、声をかけた≫
ルーボが、心のなかでいいます。
≪タン、あんなに楽しそうにして、ほんとうは、ひとりで林にはいって、なやんでるのに……≫
ルーボが、かた手をむねにあてました。
≪声をかける前に、ヤシの木にかくれて見たタン、つらそうだったなぁ……≫
💦 タンに助けられたページは、こっち >
7.なによりもすき
ルーボがむねにあてた手を、にぎりしめました。
≪足のことだから、っていってた。なやみがなくなったんじゃないのにタン、あんなに楽しそうにして≫
ルーボがにぎりしめた手を、むねにおしつけます。
≪タン、みんなが楽しいのが、なによりもすきだから。だからぼくにも、おいかけっこが楽しくなるように、してくれたんだ≫
「あっ、タンごめん!」
地面におりたタンが、前にたおれました。
「ふたりとも、わざとやったなぁ。待て、にげるな――」
おきあがったタンが、りょう手を前についてすすみます。
「よ~し、ぜったいにつかまえてやる」
ふたりの女の子が、わらいながらケンケンをして、タンときょうそうします。
💦 タンがなやんでるページは<ルビなし> こっち >
8.まとめ
やぁ、どふぁらずら。
みんなが楽しいのが、なによりもすき。
だから、
いつもえがおでいる。
そりゃあ、つらいずら。
おっと!
こっちは木登りずら。
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