いないのって、どんな友だちなんだろう?
そんな友だち――。
本文は:物語風に3分
<ふりがな> 小学3年生~
1.タウパの前書き
2.林で、たくさんの友だちと
3.海で、たくさんの友だちと
4.たくさんいるのに、いない
5.太陽をみながら、おもいます
6.太陽が、ゆっくりしずみます
7.太陽がはんぶん、水平せんのむこうにしずみました
8.まとめ <そんな友だち>
それじゃあ、物語みたいに、いくよ
1.タウパの前書き
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
そうなんだ、いないんだ。
ぼくは、そんな友だち、いるとおもう。
でも、
ぼくがそうおもってるだけで、
ほんとうは、ぼくのしらないところで――!
ぼくの悪口とか……?
そんなの、いやだってばぁ。
2.林で、たくさんの友だちと
ぶどうのように、ぶらさがっていました。
木のえだを子どもたちが、りょう手でつかんでいます。
「よーし、だれがさいごまでいられるか、きょうそうだ」
「わたしたち女子だって、負けないから」
「お兄ちゃんやお姉ちゃんたちに、勝つんだ」
「そうだな、おまえたちは、からだが小さいからかるい、だけど力もよわい」
「あっ!」
小さい子がおちて、草むらにころがりました。
3.海で、たくさんの友だちと
木の実が、おちるようです。
子どもたちがつぎつぎに、草むらにころがります。
「よーし、つぎは海だ、海であそぶぞ」
みんな林を、はしります。
「一番からだの大きな、男の子と女の子を、みんなでたおして、海にしずめるわよ」
ヤシの木のあいだから、すなはまへとびだしました。
「ウワッ、まぶしい。あさい海が、青くかがやいてる――」
いくつもの水しぶきが、あがります。
4.たくさんいるのに、いない
大きな夕日です。
太陽のはしが、水平せんにふれそうです。
海からでた子どもたちが、すなはまをあがり、ヤシの木のあいだへはいります。
6年生の男の子のワムエが、足をとめました。
≪たのしかった。だけど……≫
心のなかでいいました。
≪たのしくあそぶ友だちは、たくさんいる≫
海のほうへ、ふりかえりました。
≪だけどさ、だけど、なやみを相談できる、友だちがいないんだ……≫
顔が太陽へむいています。
5.太陽をみながら、おもいます
ワムエが、想ぞうしました。
男の子が、ワムエを指さして、わらいます。
「おまえは、せが高くて、顔だってそこそこいいのに、どうしてまた――」
ワムエがおどろいたように、目を大きくします。
「ワムエのすきな子が、チコだったとは、わらえるぜ」
したをむいたワムエが、りょう手を頭にあてました。
「すきな子がなんで、下級生なんだよ。そんなにおまえは、じぶんに自しんがないのか――」
ワムエが頭に手をあてたまま、しゃがみます。
「しかもチコのことで、ずっとなやんでたなんて、おもしろすぎる」
6.太陽が、ゆっくりしずみます
つづけて想ぞうし、ワムエが小学校へいきます。
教室は葉っぱをかさねた、屋根のしたでした。
「ワムエだ、ワムエがきたぞ!」
クラスのみんなが、ワムエをみます。
「チコちゃん、チコちゃん、お花の大すきなチコ、チコちゃん」
みんなが、ニヤニヤしています。
「わらえるわ――」
「へんなの――」
「すぐに、あきるんじゃない」
ワムエの目と口が、大きくひらいていました。
💐 お花のすきなチコのページは、こっち >
7.太陽がはんぶん、水平せんのむこうにしずみました
ワムエは顔を、太陽にむけたままです。
≪わらわれるなんて、いやだ。へたに相談したら、そうなる……≫
ワムエが手を、強くにぎりました。
≪わらったり、ばかにしたりしないで、まじめに話をきいてくれる。それに、だれにもいわないで、ひみつを守ってくれる≫
海には、波がありません。
≪そしてもしもチコに、せいかくの悪いところがあって、それをしってるなら。おれにとって聞きたくないことでも、ちゃんといってくれる≫
海原を太陽から、光のすじがむかってきます。
≪そんな友だち、どうやったら、できるんだろう……≫
8.まとめ <そんな友だち>
やぁ、どふぁらずら。
友だち、たくさんいる。
んだが、
なやみをいえる、友だちがいない。
そんな友だち、
✨どふぁらのページの紹介 ↓ ↓