自然につつまれたら、
ほんのすこしの変化に気づこう。
本文は：物語風に５分
＜ふりがな＞ 小学３年生～
１．タウパの前書き
２．海ていは、まっ白なすな
３．たくさんとりたいから、もっと遠くへ
４．シャコとりは楽しい
５．生きたままもって帰るから、おいしい
６．それまでとちがう空気
７．もっとやりたい（あそびたい）ときは、とくに注意
８．変化に気づかないと、大変なことに
９．ほんのすこしの空気の変化・気づいたら空を見る
１０．まとめ
― そこは、子供がはだかであそぶ
のしげる島 ―
１．タウパの前書き
こんにちは、島に住む１０才のタウパです。
島では食べ物を、
海や林から、自分たちで手に入れます。
だから、
感じないと、あぶないんだってばぁ。
空気や風の、ちょっとの変化。
２．海ていは、まっ白なすな
海水がおきへうごき、海のそこがあらわれました。
ずっと遠くまで、白いすなです。
へこんだところに、海水がたまっています。
「だめだ、ここには、いないや」
海水にしゃがんでいたタウパが、立ちあがりました。
「よし、あそこだ」
海水があさく、たまったところを、走りまわります。
魚をおどかしました。
タウパがしゃがんで、岩やサンゴのふりをします。
タウパのおしりの下に、魚がかくれました。
「やったぁ、つかまえた。お父さん、ほら――」
タウパのにぎった手から、銀色をした魚の頭とおっぽが、はみだしています。
３．たくさんとりたいから、もっと遠くへ
タウパがまっ白な海のそこを、おきへ走ります。
「お父さん、もっと遠くがいいよ。そのほうが、シャコがたくさんとれるでしょう」
シャコは白っぽくて、どう体が３０センチぐらいの、長さです。
顔やカマが、こん虫のカマキリににていて、エビのようなおっぽをしています。
「タウパ、もう、そのへんでいいだろう」
お父さんは、プロレスラーのような、大きな体をしています。
こしに、茶色いぬのをまいていました。
「まわりを見てみろ」
大きな声が、青空にすいこまれます。
タウパが、立ちどまりました。
「ほんとだ、すなにあながあいてる。あっ、あっちにも――」
シャコじゃない生きものの、すみかがあります。
シャコの住んでいる、あなをみつけます。
４．シャコとりは楽しい
タウパがお父さんの手を、じっと見ています。
お父さんがしゃがんで、タウパのとった魚の頭をつかんでいます。
魚が、すなにあいたあなの上で、およいでいるようです。
ガツン、と、手ごたえがありました。
カマが、魚のおなかにささっています。
カマキリより大きなカマです。
シャコがあなへ、魚をひっぱりこもうとしています。
すごい力です。
お父さんが、魚のはらにささったカマを、指でつかみました。
それをつよくひっぱったら、カマが切れて、シャコがにげます。
お父さんがもういっぽうの手を、あなへ入れました。
シャコのもうかたほうのカマを、指でつかみます。
両方のカマを長くのばし、バンザイするようなかっこうです。
シャコが、あなからでてきました。
「やった～、やった～、またとれた」
タウパが足を、バタバタさせました。
５．生きたままもって帰るから、おいしい
タウパがマングローブの芽を、両手にさげています。
芽は、海をいどうして、気に入った場所に、根をはやします。
海水がなくなって、いどうできなくなった芽を、ひろいました。
芽は茶色っぽくて、野菜のキュウリが、スラッとのびた形です。
そこに白っぽいシャコが、カマをさしたかっこうで、ぶらさがっています。
エビにそっくりなおっぽを、丸めたかと思うと、いきおいよくのばしました。
お父さんがまた、シャコをつかまえました。
タウパがいっぽうの芽を、お父さんにむけます。
「こっちの芽はもう、シャコがいっぱいだから、こっちにして」
６．それまでとちがう空気
お父さんが下をむいて、シャコのあなをさがしながら、歩いています。
足をとめました。
それまでとちがう空気を感じました。
首をまわし、遠くの空を見ます。
歩きだしたお父さんが、しゃがみました。
あなの上で魚をおよがせ、シャコをとりました。
「これでさいごだ、シャコとりは終わりだ。帰るぞ」
お父さんがシャコを芽にさし、両方の芽をもちます。
７．もっとやりたい（あそびたい）ときは、とくに注意
お父さんがシャコをさげて、島にむかって歩きだしました。
タウパは、立ったままです。
「ぼく、シャコだいすきなんだから。ねぇ、お父さん、もっとシャコとりしようよ」
タウパの体に、よわい風があたりました。
お父さんがふりかえります。
「いま、風を感じただろう。いままでとちがう風だ。見てみろ、むこうの空を」
お父さんが顔を、その空へむけました。
そこには、こい灰色をした雲が、広がっていました。
８．変化に気づかないと、大変なことに
タウパが、お父さんの横にならびました。
遠くに、ヤシのしげる島があります。
「雨がふりはじめたら、島が見えなくなる。どっちへいけばいいか、まよっていたら、海がもどってきて、おれたちは終わりだ」
海がもどってくると、せの高い大人でも、足がつきません。
「だいすきなシャコどころか、なにも食べられなくなるんだぞ」
９．ほんのすこしの空気の変化・気づいたら空を見る
タウパがブルッと、体をふるわせました。
「いいか、タウパ。雲がちかづいてきたら、空気はもっと変わって、風がつよくふく。そのときに、気づいてもおそい」
お父さんの顔が、島にむいています。
「こうして自然の中にいるときは、ほんのすこしの空気の変化に、注意するんだ。気づいたら空を見ろ」
８．まとめ
やぁ、どふぁらずら。
海、川、山
子供には、自然を感じる力がある。
ほんのすこしの空気の変化に、
気づくずら。
おっと！
自然と子供は、なかよしずら。
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