動物が、自分の強さをみせつける。
マウンティングって、かっこいい。
本文は:物語風に5分
<ふりがな> 小学3年生~
1. タウパの前書き <人間には、牙をむかない>
2. 自分の強さをしめす・犬がみせるマウンティング
3. 負けたからじゃない、すきだからついていく
4. 勇者
5. 勇者からのえいきょう 1
6. 勇者からのえいきょう 2
7. まとめ <いばらないから、かっこいい>
1.タウパの前書き <人間には、牙をむかない>
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
家が集まっている集落では、
だれかの家の犬が、自由に歩いています。
ぜったいに人間に、むかってこない。
どの犬も、ぼくたちとなかよし、
友だち、なんだってばぁ。
2.自分の強さをしめす・犬がみせるマウンティング
道の両がわに、パンの木が立ちならんでいます。
えだ葉が、みどりのトンネルを、つくっていました。
そこで、2頭の犬が、たたかっています。
茶色い犬と、白い犬です。
たたかいによって、できたキズです。
それが、黒いあとになっていくつも、茶色い犬の顔についていました。
2頭が、後ろ足で立ちあがりました。
前足をふり、白いきばをむきます。
茶色い犬がうなり声を、あげたかと思うと、首をひねって、白い耳にかみつきました。
キズだらけの顔をふり、白い犬がたおれます。
茶色い犬は、白い耳をかんだまま、はなしません。
白い犬を前足でおさえ、顔をひとふりし、口を耳からはなします。
相手を前足でおさえつけ、自分の強さをしめす、マウンティングです。
立ってみていた子供たちが、目をかがやかせています。
「茶色い犬、また勝ったわ、それも自分より大きな犬に、すごい!」
「顔がキズだらけだけど、かっこいいわ」
3.負けたからじゃない、すきだからついていく
白い犬が、茶色い犬をはらうようにうごき、立ちあがりました。
それを相手にせず、茶色い犬は、その場からはなれます。
そのあとに、たたかいをみていた数頭の犬が、つづきます。
「ねぇ、あれをみて、この前、茶色い犬とたたかって、負けた犬よ。茶色い犬についていくわ」
「茶色い犬を、すきなのよ」
今度は、男の子が言います。
「いま、負けた白い犬、茶色い犬のあとを、追わないぞ」
「負けたから、追うんじゃねぇよ。すきだから、ついていくんだ」
えだ葉のあいだから道へ、何本もの光がさしこんでいます。
4.勇者
小学校からの、帰りです。
道が、ヤシの木のあいだを、とおっています。
子供たちが、立ちどまりました。
はなれたところに立つ黒い犬へ、目をむけます。
子供たちのすぐ前に、茶色い犬が立っています。
「黒い犬が走った、むかってくるわ!」
「茶色い犬、ぜったいに、うけて立つわよ、ほら、走った」
「ステキだわ。強いのに、自分からたたかおうと、しないなんて」
ちょうせんしてきた黒い犬と、茶色い犬のたたかいです。
男の子が、目を丸くしました。
「つええ!」
茶色い犬が、マウンティングを決めました。
黒い犬からはなれ、歩きだします。
そのあとに、数頭の犬がつづきました。
「ぼくも、ついていきたくなる」
「ほんとよね。わたしだって、そう思うわ」
子供たちが、茶色い犬を追うように、足をはやめました。
えだ葉が、トンネルをつくる道へ、入ります。
5.勇者からのえいきょう 1
小学校は、ヤシ林の中にあります。
黒い土の校庭です。
そこに立ったタウパが、せいふくの茶色い短パンをぬぎました。
その日も、トークにちょうせんします。
「ぼくと勝負しろ」
トークのせたけは、タウパより少し高いぐらいです。
ですが体重は、タウパの倍ぐらいありました。
「何回やるんだ」
「トークに勝つまでだ」
「よし、こい」
トークは何度でも、ちょうせんをうけました。
タウパが、トークにとびかかります。
たおれたタウパに、トークが馬のりになりました。
タウパの両かたを、トークの両手がおさえます。
まるで茶色い犬が、自分の強さをしめす、すがたのようです。
「タウパが強いのは、みとめる」
「ウソを言うな。ぼくはまだ、トークに勝ってない」
「ぼくはタウパみたいに、自分より強い相手に、何度もちょうせんできない。だから、ぼくよりタウパのほうが強い。ぼくがタウパのあとに、ついていきたいぐらいだ」
トークはタウパを、茶色い犬のように言いました。
6.勇者からのえいきょう
2
小学校からの帰りです。
女の子がふたり、道をはずれて林へ入りました。
「ほっときなよ」
言われたのは、小がらで目のクリッとした女の子です。
「やめときなって。あとで、しかえしされるかもしれないから」
「でも、強い犬は、茶色い犬に、むかっていくもん。わたしだって」
「しかえしされるよ」
「いいよ、そのときは、茶色い犬みたいに、わたしもうけてたつ」
そう言って、足をはやめました。
クリッとした目が、ヤシの木をみあげます。
「ねぇ、あんたたち、うつわにたまったじゅえきを、飲もうとしてるんでしょう。この木のめんどうをみている人が、自分の家族のために、とってるんだよ」
ヤシの木を登っているのは、1学年上の女の子ふたりです。
「ねぇ、やめなよ。じゅえきがへったら、めんどうをみてる人や、その家族がかわいそう」
みきのとちゅうからふたりの女の子が、顔を下へむけています。
「先生に言うからね」
そう言って、木にせなかをむけました。
「いま、おりるなら言わない」
7.まとめ <いばらないから、かっこいい>
やぁ、どふぁらずら。
マウンティング、いかしてるずら。
強さをしめすだけで、いばらない茶色い犬。
そんなヤツに、ちょうせんする犬たち。
犬の世界って、かっこいいずら。
子供たちが、あこがれるのわかるずら。
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