元気がなかったり、下をむいてたり、いつもみたいにしゃべらなかったり。
友だち、どうしたんだろう……?
本文は:物語風に4分
<ふりがな> 小学3年生~
1.タウパの前書き <はんだんがむずかしい>
2.聞かずにそっとしておいてせいこう・気がまぎれて元気に
3.聞かずにそっとしておいてしっぱい・学校にこなくなった
4.心配だから、だれにも聞かれない場所で聞く
4-1.聞いたんだから、友だちのためにゆう気をだして
5.まとめ <どっちもある・友だちのためなら>
🙉 それじゃあ、物語みたいに、いくよ
1.タウパの前書き <はんだんがむずかしい>
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
ぼくは、やすみ時間になると、なんとなくリンのところへ。
いつのまにか、話しています。
リンがもしも、学校をやすむと、少しさみしくなって。
≪どうしたのかな?≫
なんて、気になって。
何日かして、学校にきたリンを見て、うれしくなります。
リンだけじゃなく、
友だちのようすがへんだと、
どこまで聞いていいか、むずかしいんだってばぁ。
2.聞かずにそっとしておいてせいこう・気がまぎれて元気に
小学校の教室は、おうど色の葉っぱでつくった屋根の下です。
屋根をささえる4本のはしらが、立っているだけで、かべがありません。
地面に、ヤシの葉をあんだマットをしき、そこにせいとが座ります。
タウパが、リンの前にあぐらをかきました。
リンは目がパッチリして、まつ毛の長い男の子です。
「元気がないみたいだけど、どうしたの?」
「うん……」
リンは、下をむいたままです。
ひさしぶりに、おねしょをして、落ちこんでいました。
タウパが自分のあごに、ひとさし指をあてました。
「なにか、心配なことがあるの?」
顔をあげたリンが、あわてたように、首を横にふりました。
「ない、ない、なんにもないから」
≪やっぱり、へんだ。リンが、いつもとちがう。でも、きっと、言いたくないんだ。そっとしておいてあげよう≫
そう、心の中で思ったタウパが、口にだして言います。
「そうだ、じゅ業がはじまる前に、おしっこ――」
立ちあがったタウパが、屋根の下から外へとびだしました。
午前のじゅ業が、終わります。
時間がたって、気持ちがまぎれたようです。
リンが、元気になっていました。
3.聞かずにそっとしておいてしっぱい・学校にこなくなった
かべのない教室に、光がたくさん入っています。
タウパが、ロンロの前に、あぐらをかきました。
ロンロは、せが高くて、やせています。
「元気がないみたいだけど、どうしたの?」
「うん……」
ロンロは黒いかみの頭を、下へむけたままです。
クラスの子からいじめられて、こまっています。
「なにか、心配なことがあるの?」
顔をあげたロンロが、あわてたように、首を横にふりました。
「ない、ない、なんにもないから」
≪やっぱり、へんだ。ロンロが、いつもとちがう。でも、きっと、言いたくないんだ。そっとしておいてあげよう≫
そう、心の中で思ったタウパが、口にだして言います。
「そうだ、じゅ業がはじまる前に、おしっこ――」
立ちあがったタウパが、屋根の下から外へとびだしました。
ですが――。
ロンロが、学校にこなくなりました。
タウパが両方の手を、ギュッ、とにぎりました。
≪そうだったんだ。いじめられてたんだ。あのときちゃんと、聞いておけば……≫
ロンロを思ったタウパは、むねがくるしくなりました。
4.心配だから、だれにも聞かれない場所で聞く
教室の屋根の下を、気持ちのいい風が、とおっていきます。
タウパが、ブージの前に、あぐらをかきました。
ブージは、あついくちびるをして、おなかがでています。
「元気がないみたいだけど、どうしたの?」
「うん……」
下をむいたままです。
ブージは、クラスの子からいじめられて、こまっています。
「なにか、心配なことがあるの?」
顔をあげたブージが、あわてたように首を横にふりました。
「ない、ない、なんにもないから」
≪いつもとちがう。やっぱり、へんだ≫
「そうだ、じゅ業がはじまる前に、おしっこ――」
立ちあがったタウパが、屋根の下から外へとびだしました。
そして、学校からの帰りです――。
ヤシの木のあいだを、黒い土の道がつづいています。
茶色い短パンをはいたブージが、はだしで歩いています。
ブージの横にタウパが、ならびました。
「ほんとは、なにかあるんだよね? ここなら、教室とちがって、だれにも聞かれないから」
ブージが、いじめられていることを、タウパに話します。
「明日ぼくも、ブージといっしょにいるから」
4-1.聞いたんだから、友だちのためにゆう気をだして
つぎの日の、放か後です――。
小学校は、ヤシ林にかこまれています。
教室からでたブージの前に、体の大きな男の子が立ちました。
「おれたち友だちだろう。〇〇もってきたよな」
ブージの後ろから、タウパがブージの横にならびました。
男の子を見あげ、ゆう気をだします。
「そんなこと言うの、友だちじゃないから。もしもまた、ブージに、そんなこと言ったら、つぎは、先生に言うから――」
5.まとめ <どっちもある・友だちのためなら>
聞かない、ほうがいい。聞いた、ほうがいい。
どっちもあるずら。
んだから、
いいと思ったほうを、やる。
友だちのためなら、しっぱいしてもいいずら。
おっと!
友だちの気持ちを思う、こんなページがあるずら。
↓