今、今、今の繰り返しで、一生がおわる。
< 本文は:物語風に3分 >
目次
1.タウパの前書き <今を大切に思えない>
2.あり得ないけど・死ぬのとおなじ
3.もっと遊びたいし、ごはんを食べたい
4.あっという間がいい
5.長く感じる1日
6.あっという間は、生きてる感じがする
7.あっという間は、いっしょうけんめいの繰り返し
8.まとめ <あっという間の繰り返し>
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き <今を大切に思えない>
こんにちは、島に住む10才の、タウパです。
そうだよね、今の繰り返しが、一生だよね。
だけど、
毎日、今、今、今、今っていっぱいありすぎて、
大切に、思えないんだってばぁ。
2.あり得ないけど・死ぬのとおなじ
タウパが、砂浜にすわっています。
「なにいってるの、どふぁら兄ちゃん、そんなことあるわけないじゃん」
横にあぐらをかくどふぁらに、笑顔をむけました。
「明日の朝、太陽がでたら、島がなくなるなんて、ふかい海の底に人間といっしょに、島がしずんじゃうなんて、おもしろすぎる――」
「うううっ、うう」
うまくしゃべれないどふぁらが、うなります。
それがタウパには、なんていったか、わかりました。
「えっ! だから今夜ねむったら、死ぬのとおなじだって――」
3.もっと遊びたいし、ごはんを食べたい
ふたりがすわるのは、ヤシの葉のつくる日陰です。
白い砂に黒っぽくうつる葉が、ゆれていました。
「死ぬのなんていやだってばぁ」
タウパがりょう手を腰にあてます。
「いやだ、いやだ、いやだ。明日も明後日も、もっと遊びたいし、ごはんを食べたい」
「ううう、う」
「わかった。じゃあ、ひいおじいちゃんに聞いてみる」
タウパが立ちあがり、ヤシの木のあいだへ入っていきました。
4.あっという間がいい
砂浜の先には、青いガラスの破片をちりばめたような海面が、ひろがっています。
「聞いてきたよ」
タウパが、どふぁらの前にたちました。
「ひいおじいちゃんは、朝起きてから夜ねむるまでが、長く感じるんだって。海で漁をしたり、林で家の修理をする材料をあつめたりしてたころは、1日があっという間だったんだって。だから、今日しかなくなったら、あっという間にすごしたいって」
タウパが首をかしげます。
「あっという間って、そんなの意味、わかんないってばぁ」
5.長く感じる1日
海鳥が沖へむかっていきます。
その先では白や黒をした鳥が、頭から海へつっこみ、小魚をあさっていました。
どふぁらとむきあうように、タウパがあぐらをかきました。
「そうなんだ。どふぁら兄ちゃんなんとなく、ひいおじいちゃんの気持ちが、わかるんだ」
タウパが目を、かがやかせました。
「だったら、おしえて、おしえて」
「うううう?」
「うん、ひいおじいちゃんは毎日、家のまわりのちょっとしたことをしたり、母屋にあぐらをかいて、紐をつくったりしてるかな。それ以外は横になって、ねむってるかボーッとしてる」
6.あっという間は、生きてる感じがする
浜には白っぽいカニが、たくさんいます。
タウパが無造作にほうった砂が、カニにあたりました。
「へぇ~、どふぁら兄ちゃんは今が、ひいおじいちゃんのいう、あっという間なんだ。生きてるって感じがするんだ」
「それって、どんな時にするの?」
「ううっ、うううう」
「海で、魚をとった時なんだ。特に、たくさんとれたり、それを、ぼくのお母さんが、よろこんでくれたりした時なんだ。へぇ~それに林で、いい材料をあつめられたり、材料をたくさんかついで、家に到着した時も。それをつかって作業をして、ぼくのお母さんやおじいちゃんたちやおばあちゃんたちが、ほめてくれた時とかなんだ」
どふぁらが笑顔でうなります。
「つかれがなくなるぐらい、またがんばろうって思うぐらい、生きてるって感じがするんだ」
7.あっという間は、いっしょうけんめいの繰り返し
「ううっ、ううう」
「そうだよね。それだったら、いっしょうけんめいの繰り返しだよね。だから、どふぁら兄ちゃんも、あっという間のほうが、いいと思うんだ。ぼくは、今のひいおじいちゃんみたいに、のんびりしてるのも、いいと思うけど」
「うっ、うう」
「えっ、だったら明日の朝、島がしずむなら、ぼくはどうするかって?」
タウパが腕をくみます。
「そんなの決まってるよ。思いっきりみんなと遊んで、たくさん食べて、いっぱいねむる。それしかない」
「ううう、うっ」
「そうそうそれが、あっという間だって。な~んだ、だったらぼくも、あっという間が、すきってことか!」
タウパがおしりを、勢いよくうかせました。
「いたっ、いたいよも~、カニがはさんだ!」
8.まとめ <あっという間の繰りかえし>
こんにちは、どふぁらずら。
元気な今、
生きてるって感じのする、
あっという間の繰り返しが、いいずら。
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