決断の連続が人生なら――。
こんなのばっかりじゃ、いやになります。
< 本文は:物語風に2分 >
目次
1.タウパの前書き <りょう方、よくない気がする>
2.もう、いやだ
3.立ち止まれない
4.そのたびに、にげてたら
5.先のみえない道
6.わからなくても、決める
7.真剣に生きてる
8.まとめ
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き <りょう方、よくない気がする>
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
どっちか、
かんたんに決められたら、いいってばぁ。
どっちもよくない気がするから、
決められない。
だれか、たすけてってばぁ。
2.もう、いやだ
幾本ものヤシの木がのびあがり、幹のあいだに雑木がしげって、視界をとざしていました。
人が踏んでできた道が、ふた手にわかれています。
「いやだ、いやだ、いやだ。どっちにも、いきたくない」
分岐点をまえにタウパは、感情がふきだしました。
「だって、もういやだよ。まじめにやってても、うまくいかないと、おこられるし。うまくいったって、当たり前だって、ほめてもくれないし」
タウパが道におちていた木の実をけりました。
「その上、いっしょにやってる仲間のはずなのに、からかってきたり、いじわるしてきたり、そんな日を、すごしたくない。もう、づづけたくない――」
3.立ち止まれない
≪つらかっただろうにタウパ……、ひとりでかかえこんでたずら≫
どふぁらが、心の中でいいました。
≪だからって、立ち止まれないずら。にげるか、がんばるか、どっちかの道をえらんで、進むずら≫
「うううっ」
うまくしゃべれないどふぁらが、うなりました。
それがタウパには、なんていったかわかります。
「そんなこといわれても、どっちへいけばいいか、わからないよ」
タウパが横に立つ、どふぁらの顔をみあげました。
4.そのたびに、にげてたら
どふぁらとタウパのはるか頭上で、ヤシの葉が風にそよいでいます。
「いやだけど、にげるのをえらんだら、よくない気がするし……」
どふぁらが頭をかしげます。
「うっ、ううう」
「だってどふぁら兄ちゃんが、いやなことは、たくさんあるって――」
どふぁらにむいた目に、なみだが浮かんでいます。
「たくさんあるなら、そのたびににげてたら、ぼくは、ぼくは、どこへいっちゃうの――。でも、いやだよ。信用できない人ばっかり――」
タウパのほほを、そっとなでていく風が、みえるようでした。
5.先のみえない道
ふた手にわかれた道は、どちらも雑木のあいだをつづき、先がみえません。
「ひとつがにげる道、そっちへ進んだら、進んだら、ぼくはどこへいっちゃうんだってばぁ、よくないほうへいく気がして、こわいってばぁ」
タウパがもうひとつの道へ、顔をむけました。
「こっちは、にげずにがんばる道。明日も明日も、いやなことばっかり、いつまでがまんすればいいんだってばぁ――」
どふぁらがタウパの肩に、手をおきました。
6.わからなくても、決める
≪ムリをつづけるのがよくないことぐらい、タウパはわかっていってるずら。かわいそうに、んだが――≫
どふぁらがひとつずつ、りょう方の道へ目をむけました。
≪にげるか、がんばるかに限らず、先がどうなるかわかる。そんなの不可能ずら≫
かれおちたヤシの葉が雑木にあたる、騒々しい音がひびきました。
≪この道にしたって、どっちへいっても、いつ滑ってころんで、痛い思いをするか、どこで好きな子とであって束の間、幸せになるか、わからないずら≫
下をむいているタウパへ、目をむけました。
≪わかんなくても、決めて進む。明日へむかうずら≫
7.真剣に生きてる
タウパがどふぁらを、みあげました。
「ねぇ、どふぁら兄ちゃん、なんとかいってよ。ぼくは、どっちへ進めばいいの――」
タウパの肩においたどふぁらの手に、力がはいります。
「だから、なんとかいってってばぁ――」
「ううっ、うっ」
「おまえは、よくがんばってる。真剣に生きてるって、なにそれ――」
ほほをなでていく風が、タウパを応援しているようです。
8.まとめ
こんにちは、どふぁらずら。
真剣になやむ。
にげるか、がんばるか、
決めて、明日へむかうずら。
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