潮時をのがした姿って、かっこわるっ!
< 本文は:物語風に3分 >
目次
1.タウパの前書き <欲張るとめんどう・欲張るまえが楽しい>
2.魚がたくさん獲れる
3.じゅうぶんな漁獲・漁、終了
4.どうしてもっと獲らない・次も大漁まちがいナシ
5.ひとり残って
6.むなしい嘆き
7.まとめ <かっこよくやめたい>
1.タウパの前書き <欲張るとめんどう・欲張るまえが楽しい>
こんにちは、島に住む10才の、タウパです。
ヤシ林であそんでて、
もっとあそびたくて、つい欲張って、
おそくなると、
帰り道がくらくて、ちょっとめんどう。
そうなるまえに帰ったほうが、楽しいんだってばぁ。
2.魚がたくさん獲れる
干潟をしばらく歩くと、そこはさんご礁です。
水深が、大人の膝がかくれるぐらいありました。
丸っこい鼻をしたナコが一方から、プロレスラーのような大きな体をしたカタレマがもう一方から、魚をはずしながら網を取りこんでいます。
「うううううっ」
しゃべれないどふぁらが、大きな声でうなりました。
ナコが微笑みます。
「あいつ、魚をもっとじょうずに投げろって、文句いってるんじゃないか」
網は横に長くしかけ、どふぁらがその中ほどで、りょう方から飛んでくる魚を、回収しています。
カタレマが投げた魚が、青空に弧をえがきました。
「うううっ」
「そうだ、そうやって、俺のちかくに落とせって、俺たちはそうやってるじゃないか、ほらっ」
ナコが投げた魚が、どふぁらのすぐまえに落ちました。
「ううう」
「顔に水がはねる。へたくそって、うるせぇやつだなぁ、ほらっ、もう一尾」
3.じゅうぶんな漁獲・漁、終了
どふぁらがしゃがんで、胸まで海水につかっています。
大きなマグロが、釣りあげられるような釣り糸を、魚のエラから口へとおし、水面に魚が真珠のネックレスのように、浮いています。
カタレマとナコが、網を取りこみながら、ちかづいています。
2人とも網からはずすまえに、魚の頭をかんで殺し、そのまま網をむこうへ押して、魚を網の目から引きだしました。
どふぁらが、沈んだ魚をひろいあげ、釣り糸にとおします。
ナコが魚を、かるくほうりました。
「どうだ、4回網をしかけて、4回とも大漁だ。文句ないだろう」
カタレマが最後の魚をはずし、どふぁらに手わたしました。
「よし、帰るぞ」
4.どうしてもっと獲らない・次も大漁まちがいナシ
棒は、鬼のつかう棍棒のような、長さと太さでした。
魚がとおった釣り糸を、棒の中心にかけます。
カタレマとナコが、棒をかつぎました。
どふぁらが、魚よりずっとかるい網を、肩にかけます。
「うううっ、うっ、うう」
ナコがニヤッ、としました。
「どうして、もっと漁をしないんだって、おまえ、働き者だなぁ」
「うううっ」
「もう一回やっても大漁、まちがいないって、そんなに欲張るもんじゃないぞ」
カタレマが、口をうごかします。
「いくぞ」
干潟のむこうに、ヤシのしげる島がたたずんでいます。
ひとかたまりになった魚が、ゆれました。
どふぁらがうなり、カタレマが顔をどふぁらにむけました。
「ああ、安心しろ。魚が獲れたら、もどってくる」
5.ひとり残って
≪よし、このへんまでくれば、いいずら。ほんとうなら、中心から二手にわかれて、網をしかけるのに、おいらひとりだって、はしからはしまで、張ってやるずら≫
どふぁらが、網をだしながら歩きました。
≪大漁、まちがいない。2人がもどってくるのが、楽しみずら≫
網が大きな弧をえがき、水中に壁をつくっています。
どふぁらがそっと、島のほうへむかって歩きました。
石を投げたり、海水を足でけったりしながら、ジグザグに網へちかづいていきます。
魚が網へ突っこみ、水面にならぶ木の浮きがゆれました。
≪うっひっひっ、どうだ、いったとおりずら。よし、最後の追いこみずら>
6.むなしい嘆き
≪ありゃ、ありゃりゃあ、どうなってるずら≫
どふぁらが、漁獲をかくにんしながら、足をはやめました。
≪くっそー、潮か、深さか、場所か、おいらが下手くそなのか、たった4尾ずら。むなしいずら≫
「ううううっ」
大きなうなり声が、空と海のあいだの広々とした空間へ、消えていきました。
7.まとめ <かっこよくやめたい>
こんにちは、どふぁらずら。
情けないずら。
おいらもかっこよく、やめられるようになりたい。
引きぎわ、めちゃくちゃ肝心ずら。
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