信頼できるって、どんな人?




- この(いろ)はいけい 👀()にやさしいからね -











(とも)だちに、信頼(しんらい)される(ひと)になりたいな。

しょうかいするのは信頼(しんらい)され(ひと)のすることの “ひとつ” だからね。








本文は:物語風に4分

<ふりがな> 小学3年生~


もくじ

1.タウパの前書き

2.ふたりだけで

3.そんなにニコニコしなくても

4.とたんに、表じょうがかたく――

5.なみだをうかべるほど……

6.まちがえてないか、たしかめる

7.しんけんに話を聞く

8.ちゃんとがんがえる

9.いいと思うことを

10.まとめ <それだけじゃない>








それじゃあ、物語(ものがたり)みたいに、いくよ















― そこは、さんご(しょう)にかこまれたのしげる(しま) ―








1.タウパの前書(まえが)


こんにちは、(しま)()む10(さい)のタウパです。

信頼(しんらい)ってむずかしいから、信用(しんよう)でもいいでしょう?

もっとおおきくなったら、

ちがいがわかるように、するってばぁ。

















 

2.ふたりだけで

「やっぱり校庭(こうてい)に――。集落(しゅうらく)へむかって、みんなが(ある)いてるなかに、タウパいなかったから」

そういったクロクは、(おんな)()です。

「またタウパ、ひとりであとかたづけして――」

「だってやらないと、ここであそべなくなっちゃう。みんなでまた、あそびたいから。でも、もうおわった」

タウパが、クロクに(あゆ)みよります。

「クロクがわざわざ、もどっくるぐらいだから、相当(そうとう)のことなんでしょう。教室(きょうしつ)にはいって、(はな)そうよ」

教室(きょうしつ)は4(ほん)(はしら)()っぱをかさねた屋根(やね)ささえていました。

 
















3.そんなにニコニコしなくても

地面(じめん)に、ヤシの()をあんだマットが、しいてあります。

タウパとむかいあうように、クロクがあぐらをかきました。

「タウパにはなんども、たすけてもらって、ほんとうにありがとう」

クロクは(とも)だちと、うまく会話(かいわ)ができません。

「わたし、だれかになにかいわれると、きんちょうして、気分(きぶん)がわるくなったり、()まいがしたりするでしょう」

クロクが、かた()をふりおろしました。

「も~、そんなにニコニコしてなくても、タウパならふつうに(はな)せるって――」

















 

4.とたんに、(ひょう)じょうがかたく――

ふたりともせい(ふく)の、ちゃ(いろ)(たん)パンをはいています。

「それで、どうしたの?」

タウパがおどろいたように、(くち)をひらきました。

(こころ)のなかでいいます。

≪えっ! クロク、そんなにこまってるんだ――≫

クロクがマットに、し(せん)(おと)としています。

≪つらそうな(かお)をして、うまくしゃべれないことで、なにがあったんだろう?≫

タウパがかた()を、クロクのひざにおきました。

「ぼくで、(やく)にたつんでしょう、だったらいってみてよ」


















5.なみだをうかべるほど……

「………」

クロクはうつむいたままです。

≪クロク、ぼくにいおうと(おも)って、もどってきたのに……≫

タウパは()を、クロクのひざにのせています。

その(ゆび)がくすぐるように、ショコショコっとうごきました。

クロクがゆっくり、(かお)をあげます。

≪エッ! ()になみだがうかんで、クロクないてる――≫

クロクのひざから、タウパが()をひっこめました。

















 

6.まちがえてないか、たしかめる

クロクのぬれたひとみが、タウパにむきました。

「わたし……」

ちいさな(こえ)でクロクが、(はな)します。

タウパがいっぽうの(みみ)を、クロクにむけます。

クロクが(はな)しをおえ、タウパが(かお)ひきました。

()きまちがえてないか、たしかめさせて」

タウパが、わかったことを(はな)します。

「………ってことで、いいんだよね?」

クロクが、うなずきました。


















7.しんけんに(はなし)()

「う~ん」

タウパがうでを()みました。

「だとしたら、どうすればいいかなぁ……」

クロクが、したをむいています。

タウパが自分(じぶん)のひざに、りょう()をつきました。

「ごめん、むずかしくて、すぐに(おも)いつかない」

うつむいたままクロクが、(くび)をよこにふりました。

時間(じかん)がほしい。かんがえるから、明日(あした)(あさ)でもいい?」

クロクがちいさく、うなずきました。

「ありがとう、しんけんに(はなし)()いてくれて……」

















 

8.ちゃんとかんがえる

ヤシの()のあいだを、(みち)がつづいていました。

ちゃ(いろ)(たん)パンをはいた()どもたちが、(ある)いています。

タウパが(はし)って、みんなをおいこしていきました。

「ふ~、やっとおいついた」

タウパが、クロクのよこにならびました。

「ごめんね、すぐにへんじができなくて。そのあいだも、心配(しんぱい)だったよね」

クロクの(かお)タウパにむき、左右(さゆう)にうごきま

















 

9.いいと(おも)うことを

(ある)きながらクロクが、()をおおきくしました。

「えっ! タウパが――」

タウパが、え(がお)になります。

「きっとだいじょうぶだよ」

「タウパに、そんなことしてもらって――」

「だってそれが、一番(いちばん)いいと(おも)うから」

「たしかに。その()にとっても、わたしにとっても、いい(ほう)ほうだと(おも)う」

クロクの口元(くちもと)が、ほんのすこしあがりました。

「タウパ、ちゃんとかんがえてくれて、ありがとう」







 

10.まとめ <それだけじゃない>






 

やぁ、どふぁらずら。

しんけんにきいて、ちゃんとかんがえる。

それは、

信頼(しんらい)できる(ひと)がすることの、ひとつずら。



おっと!

んだから、くるしむのかもしれない。








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