みっともない!
嫉妬なんて、ぜったいにしてない――。
< 本文は:物語風に3分 >
目次
1.タウパの前書き
2.その子、ろくでもない性格
3.よりによって、お兄ちゃんの次は!
4.イライラするのは、自分のせい?
5.おいしくないし、ねむれない
6.兄を思う気持ちはわかる、でも――
7.わたしにだけ、やさしいんじゃない
8.イライラするほど……
9.まとめ <イライラは嫉妬!>
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
ドータは、ぼくと同級生の女の子。
しっかりした気持ちを持ってるけど、普段はおとなしい。
ドータがヤキモキしてるって、珍しいんだってばぁ。
2.その子、ろくでもない性格
浜をあがったところにならぶ、ヤシの木のあいだを、いったりきたりしています。
「その子って5年生の、ヤシの木にのぼって樹液を盗もうとしたところを、わたしが先生にいうからって、注意した女じゃない――」
そういったのは、小柄で目のクリッとしたドータでした。
「そうしたらその次の日、小学校へいくのに歩いてたら、走ってきてうしろからわたしを突きとばして」
歩きながらドータが、りょう手で頭をかきました。
「あぁぁぁぁ、イライラする。ろくでもない性格なのに、どうして――」
💦 ドータが注意したページは、こっち >
3.よりによって、お兄ちゃんの次は!
ドータが1本のヤシの木を、まわりだしました。
「わたしの6年生のお兄ちゃんに、執拗にちかづいて、仲よくなろうとして、それがなくなったと思ったら――」
ドータの足がはやまります。
「こんどは自分より年下の、わたしの友だちのクイプに、ちょっかいだすようになって、いいかげんにしてほしいわ――」
またりょう手で、あたまをかきました。
「あぁぁぁぁぁ、イライラする。どうしてよりによって、とっても性格のいいクイプなのよ――」
4.イライラするのは、自分のせい?
6年生の兄が、歩みよりました。
ドータは足が、とまりません。
「それならまだましよ。クイプはほんとうに、やさしいの。誰かになにかたのまれたら、自分にできることだったら、断らない。それどころか、たのまれたこと以上を、してあげようとするぐらいなんだから――」
「ドータがぼくに、その子と仲よくするな、っていったんだろう。それでクイプのところへ、いったっていうなら、自分が原因じゃないか」
5.おいしくないし、ねむれない
ドータがまた、りょう手で頭をかきました。
「あぁぁぁぁぁぁ、イライラする。だとしてもよ――。わたしが原因だとしても、どうしてクイプは、その子がろくでもない性格だって、気づかないの――」
ドータのいっぽうのつま先が、砂をけとばします。
「あの子がクイプといっしょに、小学校へいったり、小学校からかえってきたりするの、こ
れで4日目なんだから。おねがいだから、クイプのとなりを歩かないで――」
ドータがあげた片腕を、いきおいよくおろしました。
「も~~~、やさしくて楽しい子のふりして、そんなの見るのだっていやだ。わたしなんて頭にきて、ご飯がおいしくないし、夜だってねむれないんだから」
6.兄を思う気持ちはわかる、でも――
兄がたったまま、あきれたような顔をしています。
「その子の性格がドータのいう通りだとして、ぼくに仲よくしてほしくないのは、わかる気がする。だけどどうして、クイプもなんだ?」
はや足しながらドータが一瞬、兄に視線をとばしました。
「そんなの、さっきからいってるでしょう。性格が最悪だからに、決まってるじゃない」
兄が腕をくみます。
「それじゃあ、その子がちかづくのがクイプじゃなくて、例えばタウパだったら?」
「あぁぁぁぁ、イライラする。タウパだったら、どってことないわ。だってタウパは、タウパだから」
「へぇ、そうなんだ……」
7.わたしにだけ、やさしいんじゃない
兄がうれしそうに、口元をあげました。
ドータが足をとめます。
「ちょっとお兄ちゃん、なによそのニヤけた顔、それにその、ふう~~~~~んて!」
兄が足をすすめ、目を大きくした顔がドータによりました。
「へぇ~、ドータが!」
兄が腕をくみました。
「クイプなんだ。クイプってそんなに、ドータにやさしいんだ」
「わたしにだけじゃないわ。だれにだって、とっても親切なんだから。ちょっとなんなのよ、そのニヤついた顔は――」
8.イライラするほど……
「だからドータ、そんなにイライラしてるんだ」
ドータが、ほほをふくらませました。
「あたりまえでしょう、その子にちかづいてほしくないんだから」
「それってその子の性格が、わるいからだけじゃないみたいだね?」
「性格がわるいからだって、いってるじゃない。ちょっとお兄ちゃん、なんなのよも~」
兄がとっても、うれしそうな顔をします。
「明日クイプと、話してみよ~っと。ドータが、仲よくしたいみたいだよ、って」
「わたし、そんなこといってないじゃない。やめてよ、ぜったいにやめてよね――」
9.まとめ <イライラは嫉妬!>
こんにちは、どふぁらずら。
お兄ちゃんへは、兄を思う愛だった。
んだが、
クイプへは、恋かもしれないずら。
だとすると、
イライラは、嫉妬から!
そうとう好きずら。
おっと!
恋だったとは、親はそれどころじゃないずら。
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