とも食い:殺さないようにがんばる

 


*目にやさしい背景色を使用*











子どもに食べさせるためなら、もしかしたら――。








< 本文は:物語風に2分 >


目次

1.タウパの前書き

2.みんながんばってる

3.大きく育てて食べる

4.とも食い

5.人間だってするかもしれない

6.とも食い・殺さないように

7.まとめ








それでは、物語のように、どうぞ















- そこは、さんご礁にかこまれたのしげる島 -








1.タウパの前書き


こんにちは、島に住む10才のタウパです。

島では、人が人を食べません。

だけどほかの場所だと、いるのかな?

食べたことある人。

人の味なんて、しりたくないってばぁ。


















 2.みんながんばってる

葉をふいた屋根のわきに、白い煙がたちこめています。

火をつかう小屋から奥さんが、漁からもどった旦那に気づいて、そとへでました。

「おかえりなさい、あなた。よかった、おそくならなくて。わるいんですけど、お願いがあるんです。お義父さんとお義母さんは、林の畑にイモをとりにいってくれてるの。おじいちゃんとおばあちゃんは、ほら」

身をかがめ母屋のなかへ、顔をむけました。

「ヤシの実の皮をたたいて、繊維からひもを作ってくれてるし、わたしはあなたが獲ってきた魚をさばかないといけないでしょう」

申し訳なさそうに眉をよせました。

「つかれてるところ、ほんとうにごめんなさい」


















3.大きく育てて食べる

集落からヤシ林へはいるところで、いっしょに漁へいった旦那と男が、合流しました。

ふたりともいい体格をして、腰に茶色い布を膝丈にまいています。

「まいったなぁ、ブタのエサさがしとは。子どもの役目なのになぁ、スポーツ大会で、かえりがおそくなるとは」

「しかたないだろう。大きく育てて肉を、たらふく食わせてもらうんだ。今は俺たちが、ブタに食わせないとな」

集落のうらに広がる、島の反対がわまでつづく、ヤシ林です。

「それにしても、子どもも毎日たいへんなんだなぁ、いざさがすとなると、みつからないじゃないか」

「もうすこし先へいってみるか」

















 

4.とも食い

ふたりの脛をかくす程度の草むらでした。

「おっ、いま逃げていったの、野犬だろう」

「めずらしいな、集落からそう遠くないじゃないか」

ふたりとも足をとめ、下をむきました。

「なんだこりゃあ、犬を食ってたのか!」

1頭の黒い犬が、無残なすがたをしています。

「集落の犬が、やられたのかもしれないな?」

ふたりとも、あたりをみまわしました。

「野犬のやつ、そのへんにかくれて、俺たちをみてるだろう」

スラッとのびたヤシの幹と、そのあいだにしげる雑木、そして草むらです。

「俺たちがいったらもどって、こいつを食いにくるはずだ」


















5.人間だってするかもしれない

ふたりが、ヤシ林のおくへ歩きました。

腰をおって、枯れおちたヤシの実をひろいました。

「よし、これでふたつ目だ。しかし、残酷だなぁ野犬は、とも食いじゃねぇか」

「俺たちが獲る魚だって、魚を食ってるぞ」

「そういやぁ、そうだな。魚の腹のなかから、魚がでてくることがある。魚も残酷なもんだなぁ」

「野犬や魚のように、俺たち人間だって、そうなるかもしれないぞ」

「何をいきなり、こわいこといってるんだ」

















 

6.とも食い・殺さないように

「こわいことって、まぁ、俺たちには、食い物があるからな」

りょう目を大きくひらいた顔が、勢いよくよこへむきました。

「たしかにそうだ! なかったら子どもたちに食わせるために、殺すかもしれないな。とも食いだ」

「そうならないように、俺たち人間はみんなこうして、がんばってるんじゃないか」

「それに意志のつよい長老が、人を殺すなど、ぜったいにゆるさない」

ヤシの幹のよこを静かにおちてきた実が、地面にあたって音をたてました。







 

7.まとめ






 

こんにちは、どふぁらずら。

とも食い。

なんだか、こわっ!

人を殺さないように、

おいらたち人間は、がんばるずら。




おっと!

それには、健康ずら。








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