そんなときは、景色だけじゃない。
なにもかもが、よくなるんじゃないかな!
< 本文は:物語風に3分 >
目次
1.タウパの前書き
2.怒られて不満
3.思わぬ事態に
4.気持ちをいれかえる
5.景色が美しい
6.すっかりわすれて
7.もう一度、気持ちをいれかえる
8.まとめ
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
ぼくの友だちのスベのお父さんは、ダース。
ダースは、集落の長(おさ)をささえる補佐。
だからナンバー2にふさわしい子にしようと、
お母さんがスベにうるさくいう。
そうしたらお母さんが、お父さんのダースに、怒られたんだってばぁ。
💦 そのページは、こっち >
2.怒られて不満
隣家とをへだてる小さなヤシ林のなかで、夫のダースと話しおえたベタが、人があるいてできた道を、自分の家のほうへもどります。
≪わたしが意見しようとしたのに、どうしてわたしが、ダースに怒られるのかしら。スベはもう10才なのよ。集落のナンバー2に、恥じない息子になってもらおうとして、あなたのためなのに。それを、わたしの気持ちが小さいだなんて、ひどいわ≫
心のなかでいいました。
ヤシ林から敷地へでて、葉をふいた母屋の屋根の軒を、腰をふかくまげてくぐりました。
「あらっ、スベは! さっきまで海であそんでたのに、またあそびにいったのかしら、まったく――」
3.思わぬ事態に
母屋の床にはヤシの葉をあんだマットがしかれています。
そこにあぐらをかいたベタが寝具をつくろうと、ずっしりした木からつくった道具をふりおろし、石にのせた厚い葉をたたいていました。
重たい音を敷地へ響かせ、島のはんたい側までひろがるヤシ林から、子どもたちがはいってきます。
母屋へあるきながら男の子が、大きな声をだしました。
「おばさん、スベがケガした。木からとびおりて――」
母屋から敷地の裏のほうへでたベタが、軒先にたちました。
スベが友だちの肩をかりて、あるいてきます。
「お母さん、ごめんなさい。ちょっと高すぎたみたい。足、くじいちゃった」
「まったく、おどろかさないでよ。わたしはいそいで、足をひやす用意をするから、母屋にすわってなさい」
4.気持ちをいれかえる
壁のない母屋のなかへ、朝のういういしい光がはいっています。
あぐらをかいた一方の足を、まえにだしているスベにむいて、ベタが床にりょう膝をつきました。
≪いけなくなってわかったわ。ほんとにありがたいわ。元気に小学校へかよえるだけで……≫
ベタがりょう手を胸にあてます。
≪お父さんのいうとおりだわ。骨が折れなかったことに感謝して、わたしは気持ちをいれかえなきゃ≫
柔和な目をスベにむけています。
「お母さんはもうスベと、お兄ちゃんやお姉ちゃんを比べたりしないから。スベにうるさくいうようなことは、もうないわ。今までごめんなさいね」
スベが首をかしげました。
5.景色が美しい
ベタが上半身をまえにたおして母屋の軒をくぐり、外へでました。
「あらっ、目がおかしくなったのかしら? いつもより明るいわ」
軒先に立ったベタが、隣家とをへだてるヤシ林から、裏の島のはんたい側へひろがるヤシ林へ目をむけました。
「目がおかしいんじゃないわ。やっぱり幹や幹のあいだが、明るい。ヤシの葉が、いつもより緑にかがやいて、葉のはねかえす光も、まぶしいぐらいだわ」
目をほそめたベタが、顔を空へむけました。
「うわぁ、なんてあざやかな青なの。雲がいっそう白くみえる、なんだか空へすいこまれそう」
ベタがりょう腕をあげました。
「そうだったのね。わたしはナンバー2に、ふさわしい子にしようと意気ごんでた。気持ちをいれかえてそこから解放され、景色がちがってみえるんだわ。なんてきれいなんでしょう」
りょう手をあげたまま、グルッとまわりました。
6.すっかりわすれて
ケガをしてからスベは、8日後に小学校へいきました。
帰宅したスベが、制服の茶色い短パンをぬいで、すっぱだかになります。
ベタが母屋へはいりました。
「スベ、どこへいくの!?」
「みんなと海であそんでくる」
スベにむいてベタがたちます。
「なにいってるの、なん日もやすんでて、家の手伝いもしてないじゃない――」
ベタが腰にりょう手をあてました。
「お兄ちゃんやお姉ちゃんが、スベとおなじころは、成績がとってもよかったわ。ふたりを見習って勉強しなさい」
スベが眉をひそめました。
「でもお父さんが、宿題をやればいいって……」
りょう目を大きくしたベタが、腰にあてていたりょう手で、ポッカリあけた口をふさぎました。
7.もう一度、気持ちをいれかえる
はしって海へいくスベをみおくったベタが、母屋からでて軒先にたちました。
小さなヤシ林へむけた視線を、ふかいヤシ林へはこびます。
「幹もそのあいだも、葉っぱだって、明るくないわ」
頭をうしろにたおし、空へむきました。
「あの青や白は、どこへいったの! ああ、失ってしまったわ」
空へむいたまま胸にりょう手をあてました。
「美しい景色。みえるようにもう一度、心をいれかえなきゃ」
8.まとめ
こんにちは、どふぁらずら。
気持ちかわれば景色まで!
おいらなんか、
ちょっといいことがあるだけで、
なんでも美しくみえるずら。
おっと!
こっちも気持ちで、かわるずら。
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