こんな大人だったら、親は気が気じゃない。
それがなんと親の顔がたつ、お父さんらしいお父さんに!
< 本文は:物語風に3分 >
目次
1.タウパの前書き
2.自立してなければ
3.なによりもの孝行
4.自立したお父さん
5.お父さんて感じがする
6.自分が笑顔で暮らせるように
7.まとめ
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
親孝行って、特別にする人、島にいるのかな?
だって、
一人前じゃないと、島では生きていけない。
だから毎日、親孝行してるんだってばぁ。
2.自立してなければ
ヤシの葉をあんだマットが、母屋の床ぜんたいにしかれ、その片隅でした。
70才をすぎた老夫婦が、むかいあってあぐらをかき、おじいさんが口をひらきます。
「孫のギーニは、おなじ集落に住んでいながら、結婚してから一度も実家に顔をだせずに、まったく情けないやつじゃ」
「おじいさんやギーニの父親が、きつくいうからですよ」
「ギーニは、魚をとる漁がへたくそじゃ。島の男として、自立しとらんかった。それなのに、いい嫁をもらったじゃ。あまり魚がとれなくても、いやな顔ひとつせず、干潟や外海から貝だのゴカイだのシャコだのと、いろんなものをせっせと獲ってきて、ギーニをささえとるじゃ」
「まったくです。自立してなければ、家族をまもれませんから、親やわたしたちは、気が気じゃありません」
3.なによりもの孝行
「じゃが、ギーニの息子のジタンが、こなくなったじゃ。魚がたらふく食べたくて、わしらのところへしばしばきてたが、このところ見てないじゃ」
「そうですねぇ。聞いたところによると、ギーニはヤシガニを毎日のように獲ってきて、それを魚と交換しているそうですから」
「なんじゃと、ヤシガニか! それじゃったら、たくさんの魚と交換できるじゃ」
「ようやくギーニも自立した男として、家族ともどもおだやかにくらせるように、なったんですねぇ」
「ああ、それじゃったら安心じゃ、自立がなによりもの孝行じゃ」
4.自立したお父さん
おばあさんがパッと目を大きくしました。
「あれは、ジタンじゃないですか――」
ジタンが体をまえにおって軒をくぐり、母屋へはいってきました。
「なんじゃ、また魚が食べたくなったか?」
首を横にふるジタンを、おじいさんが足のなかに座らせました。
「お父さん、すごいんだよ。まえは漁からかえってくると、友だちから魚をいれる袋のなかを見せろっていわれて、バカにされてたけど今は、どうして毎日のようにヤシガニがなん尾も獲れるんだって、驚かれてるんだ」
おじいさんとおばあさんが、笑みをふかめます。
💦 ヤシガニのページは、こっち >
5.お父さんて感じがする
ジタンが振りかえって、おじいさんの顔を見ました。
「だから今は、塩をぬって日に干した魚はいっぱいあるし、生の魚もいつもたくさんで、お母さんが焼いたり、ココナッツミルクと塩でゆでてくれたりして、とってもおいしくて、お母さんが毎日、はじけるような笑顔をしてるんだ」
おじいさんとおばあさんが、目をあわせました。
ジタンが、つづけていいます。
「まえはぼくがたのんでも、お父さん漁にいってくれないし、家でスネたみたいになって、寝てばっかりいた。だけど今は毎日、ヤシの葉っぱでつくった籠をしょって、ヤシ林にはいって笑顔でかえってきて、お父さん、って感じがすごくする」
おじいさんが何度もうなずきました。
「そうかそうか、これでギーニの嫁の親御さんにも、顔がたつじゃ」
6.自分が笑顔で暮らせるように
おじいさんがジタンを、自分のほうへむいて座らせました。
「いいか、ジタンは家の建て方やいろんな漁の方法を、しっかり身に着けるんじゃ」
ジタンが真剣な眼差しを、おじいさんにむけます。
「一人前の島の男になって、結婚したら家族みんなで、なごやかに暮らせるようにするんじゃ」
おじいさんが片手でジタンの頭をなで、ジタンがしっかりあごをひきました。
「ぼくがんばって、今のお父さんみたいに、自分が笑顔で暮らせるようにする。ちゃんと自立する」
7.まとめ
こんにちは、どふぁらずら。
自立して、なごやかに暮らす。
最高の孝行ずら。
おっと!
なごやかに生きるずら。
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