はしるの、はやくなりたくて、練習する子だっているのに――。
おそいからって、なんなのさ!?
本文は:物語風に4分
<ふりがな> 小学3年生~
1.タウパの前書き
2.足がないほうがよかった
3.なさけないすがた
4.みにいこうよ
5.小さなえみ
6.はしりだす
7.真けんに、でもうれしそう
8.海をはしる
9.足をしっかりうごかして
10.ゆっくりなのに、すごい!
11.まとめ
グンは、しょう学1年生の男の子。
からだが小さくて、はしるのがめちゃくちゃおそい。
かわいそうなぐらい、なんだってばぁ。
4年生の女の子のシーナは、はしるのはやいよ!
💦 そのシーナのページは、こっち >
2.足がないほうがよかった
しょう学校から家のたつ集落へつづく、ヤシの木のあいだの道でした。
グンがうつむいてあるいています。
≪はやくはしれる子が、うらやましい。ぼくはどうして、いっしょうけんめいはしってるのに、おそいんだ?≫
顔をあげ、少し先をりょう手を前についてあるく、タンに目をむけました。
≪いいなぁタンは、さいしょからりょう足がないから、かけっこがおそくても、自分のことがいやにならない≫
自分がはいている茶色い短パンからでた、りょう足をみました。
≪なんで足があるんだろう。ぼくもさいしょから、なかったらよかったのに。そうしたら、こんなつらい気持ちにならなかったのに……≫
3.なさけないすがた
ひとりであるくグンのよこに、うしろからきたシーナが、ならびました。
「どうしたの? せ中がしょんぼりしてるよ」
グンがおどろいたように、シーナの顔をみあげます。
「………」
「目になみだがうかんでる。やっぱりなぁ。スポーツのじゅ業のことでしょう。グラウンドは教室にかこまれてるから、グンがひっしにはしるところ、みてたよ」
うつむいたグンが、小さな声でいいました。
「ぼくのなさけないところ、みんなみてたんだ……」
「どのクラスもじゅ業で、ほとんどの子は、前をむいてるから、グンはそんなにみられてないよ」
「………」
4.みにいこうよ
すらっとせの高いシーナが、したをむいてあるくグンに視線をむけます。
「ねぇ、グン。わたしといっしょに、ヤシ林であそんでる子のところへ、いかない?」
グンはうつむいたままです。
「みんなで、おいかけっこしたり、木のぼりしたり、楽しいよ」
「………」
シーナがつづけていいました。
「いやだったらグンは、いっしょにやらなくても、いいから。みんながあそんでるの、みにいこうよ」
グンがしたをむいたまま、うなずきました。
5.小さなえみ
たちならぶヤシの木のあいだに、ぞう木がはえています。
子どもたちのはしゃぐ声が、きこえてきました。
「ほら、みんな楽しそうでしょう」
ぞう木のあいだからでました。
「あっ、みんな木にのぼって、木からとびおりてるわよ」
シーナがグンに顔をむけました。
「どお、グンも木にのぼってみる? だからってべつに、とびおりなくても、いいんだよ」
草むらにたったグンが、じっとみんなをみています。
「すごいねぇ、つぎつぎにとびおりて、みんなそのまま草むらで前転してる。わっ、いっかいだけじゃなくて、ぐるぐる回転して目がまわらないのかな!」
グンが小さくほほえみました。
6.はしりだす
6年生の男の子が、前転してたちあがりました。
「よし、みんなとびおりたら、イルカやカメの海まで、きょうそうだぞ」
男の子が口をりょう手でかこんでいます。
「一番さいごの子が、とびおりたらオレが、ここでゆっくり10かぞえる。かぞえおわったらみんなをおいかける」
男の子が息を大きくすいました。
「オレにおいつかれて、かたをさわられた子は、イルカやカメのせ中にのって、海をはしるんだ――」
男の子がクルッと、グンに顔をむけました。
「グン、シーナといっしょに、先にいくんだ。さぁ、はやく」
7.真けんに、でもうれしそう
シーナに顔をむけたグンをみて、シーナがしっかりうなずきました。
シーナがだした片手をグンがつかみ、ふたりがはしりだしました。
「そう、グン、いいかんじ。はやくなくていいから、楽しもう。楽しんではしろう」
はしりながらグンが、しっかりうなずきました。
「ほら、わたしたちが、一番だよ。みんなより先に、海につこうね」
シーナがうしろへ顔をむけました。
「うわっ、みんなはやい! ヤシの木のあいだの草むらを、犬がはしるみたいに、足を大きく前後にひらいて――」
シーナが顔をもどしました。
「いいよ、いい。グンはそのままで、いいから」
真けんな目で前をみるグンが、うれしそうに口元をゆるめます。
8.海をはしる
「グンは、水はだいじょうぶ、海こわくない?」
はしりながらグンが、首を横にふりました。
白いすなはまをかけおりて、青くすんだ海へ、子どもたちがつぎつぎにとびこみます。
海から顔をだしたグンの手を、シーナがひきました。
「ほらこっち。はやく、はやく」
グンの手をつかんで沖へあるきます。
「さぁグン、カメのこうらにつかまって、海をはしるよ」
グンがりょう手で、カメのこうらをつかみました。
「そう、じょうず。そのままだからね」
シーナがしっかりとした言い方をします。
「カメさん、ゆっくり進んで。おねがいだから、グンをおとさないで――」
9.足をしっかりうごかして
8の字を書くように泳いだカメが、シーナの前にかえってきました。
「どうだったグン?」
グンがカメから手をはなしてたちました。
「カメってのろいと思ってたから、ゆっくり進んだら、どうしょうもなく、おそいのかと思ったのに、そんなことなかった」
グンが目をかがやかせます。
「カメが4つの足をうごかして、しっかり進んで、気持ちよかった」
およぐイルカのせびれに、女の子がつかまっています。
「ぼくも、はやくはしれなくてもいい。足をしっかりうごかして、ちゃんと進む。そうすれば、林から海までみんなといっしょに、はしれる。すっごく楽しかった!」
10.ゆっくりなのに、すごい!
「ぼくもこんどは、イルカのせ中につかまる――」
グンが小さなむねで、海水をおして進みました。
「あっ、きた!」
女の子をひいたイルカがグンにちかづきました。
「ぼくも、のせて、のせて」
グンが女の子のりょうかたにつかまって、進みます。
「わーっ、イルカがこんなに、ゆっくり進んでる。すごい、すごい!」
青くすきとおる海に、白い水しぶきがたくさんあがっていました。
11.まとめ
やぁ、どふぁらずら。
かけっこ。
そりゃあ、はやいほうがいいずら。
んだが、
しっかり進めば、
おそくても、楽しいずら。
おっと!
こっちは、はしらなくても、おもしろいずら。
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