動物って、子どものころは、友だちみたいだったのに……。
< 本文は:物語風に4分 >
目次
1.タウパの前書き
2.ひとたまりもない
3.押しつぶされるかもしれないのに
4.コロコロかわる表情
5.すごいはやさの一喜一憂
6.いつもみたいに、でも!
7.安心して、すきだから
8.友だちのようだった
9.もっと小さな子だと……
10.まとめ
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き
こんにちは、海や林ですっぱだかであそぶ、10才のタウパです。
ぼくは、犬とも鳥ともなかよし。
ブタや鶏だって、そう。
だけど、どっちも殺してたべる。
それが、島のくらしなんだってばぁ。
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2.ひとたまりもない
ヤシの木にのぼり、葉のあいだにはえる芽から、樹液をとっていた男でした。
「おーい、ルルンがいたぞ。ブタ小屋の中で、ブタの尻の横にすわってる」
葉をふいた屋根の軒をくぐり、ルルンのお母さんが外へ飛びだし、島の反対側までひろがるヤシ林のほうへいそぎます。
「ダメだ、ダメ。むやみにちかづいたらあぶない」
高いところから男が声をひびかせました。
「へたにブタに刺激をあたえて、ブタが勢いよくうごいてみろ、ルルンがどうなる!?」
立ちどまったお母さんが、顔を上へむけました。
「とりあえず、旦那がかえってくるのを、まったほうがいい」
3.押しつぶされるかもしれないのに
母屋の床には一面に、ヤシの葉をあんだマットがしかれています。
ルルンのお父さんが、お母さんにむいてあぐらをかきました。
「隣の主のいうとおりだ。俺たちがちかづいたら、ブタが餌をもらえると思って、激しく反応する。そうしたらルルンが、ひとたまりもない」
ヤシ林を背にするように建つブタ小屋に、両親が四つ這いにちかづきました。
「このぐらいまでにしよう。地面に伏せるんだ」
「丸太を横たえて四角く柵をつくってありますけど、ルルンはあのあいだから、中へはいったんですね。まったくちょっとあるけるようになったと思ったら、私たちのねむってるうちに――」
「ルルンのやつ、ブタのしっぽをいじって、楽しそうにしてる。ブタがおきあがるだけで、押しつぶされるかもしれないっていうのに――」
お父さんがいっぽうの拳で、地面をたたきました。
4.コロコロかわる表情
地面に伏せているお父さんが、目をみひらきます。
「おい、みてるか!? ルルンのやつ、ブタのしっぽをひっぱたいて、しっぽがクルクルまわるとよろこぶが、反応しないと怒ったようにブタの尻をひっぱたく」
「でも幸いなことに、たたかれてもブタは、あまり感じないみたいね」
お父さんが手の甲で、額の汗をぬぐいました。
「だが、みてるほうは気が気じゃない。ブタがうざったいと思ってみろ!」
「でもルルン、しっぽがクルクルまわると、あんなに楽しそうな笑顔になって」
お母さんが微笑みました。
「だけどお父さん、こんどはルルン、怒った顔をして、よくあんなに表情をかえられるものだわ!」
「のんきなことをいってないで、はやくルルンをあそこからださないと」
5.すごいはやさの一喜一憂
ルルンが怒ったり、よろこんだりします。
ルルンの怒る姿をみて両親が、息をすって両目と口を大きくひらき、ルルンのよろこぶ顔をみて、小さく息をはきだし頬をゆるめました。
「おじさんもおばさんも、ふたりしてびっくりしたり安心したり、顔がおもしろいってばぁ」
タウパがふたりの横に、うつ伏せになりました。
「いつもみたいに小学校へいくまえに、ルルンに会いにきたら、母屋にルルンがいないし、おじさんとおばさんが、へんなかっこうしてるし」
タウパが肘をついた両手で、あごをささえました。
「ルルンを心配してるんでしょう」
💦 タウパがルルンにいつもするページは、こっち >
6.いつもみたいに、でも!
ルルンのお父さんが、顔をタウパにむけました。
「わかってるよ、おじさん。ぼくに任せて、やってみる」
タウパがいつものように、ルルンにむいて両膝を地面につきました。
「ルルン、おはよう」
大きな声をだしたタウパに気づき、ルルンが立ちあがりました。
「おーよー、おーよー、タァパ、タァパ」
ルルンが1番下と2番目の丸太のあいだに頭をいれます。
「ほら、母屋にいるときみたいに、こっちにきてくれるでしょう」
うれしそうな顔をしたタウパが、表情を一転させました。
「あれっ! ルルン、頭がぶつかってでられない。幅がちがってるから。自分がはいったところが、わからないんだ」
タウパがこまったように首をかしげます。
7.安心して、すきだから
丸太のあいだに頭をおしこみながら、ルルンが泣きだしました。
ブタがゆっくりおきあがり、もう1頭がそれにつづきます。
お父さんが立ちあがって走りだし、柵に手をついて飛びこえ、ルルンの背後にしゃがみました。
両手を丸太に添え、曲げた膝のあいだにルルンがいます。
ブタがお父さんの背中を体で押し、もう一頭が膝と腕のあいだに、鼻をつっこみました。
「おじさん、攻撃じゃないよ。安心して。ブタはおじさんが、すきなんだ」
タウパが、いいながら走りよります。
「おばさん、はやく、はやく。いまのうちにルルンを、持ちあげて」
8.友だちのようだった
お母さんにだきあげられ、柵の外におりたルルンがあるきだしました。
「タァパ、おーよー。タァパ。おーよー」
ルルンが両手をひろげて、ころびそうです。
タウパが両膝をつき、ルルンがタウパの首にだきつきます。
柵からでたお父さんが、手の平で自分の腕を交互にこすりながら、タウパにむきました。
「タウパのいうとおりだ。大人になると動物の気持ちなんて、忘れちまうんだな。ブタだって子どもを産んで育てる。ルルンにケガなんて、させるわけがない」
タウパがルルンをだっこして立ちあがります。
「俺は、ブタに体をこすりつけられて、思いだした。タウパぐらいのころ、ブタは友だちみたいなものだった」
9.もっと小さな子だと……
タウパにだかれたままルルンが、ブタにむけて片手をだしました。
「ブーさん、ブーさん」
2頭のブタがならんで丸太のあいだから鼻をのぞかせ、小さく鳴きます。
ルルンがブタにむけた片手を、開いたり閉じたりしました。
ブタが鳴き声をそろえ、ルルンがタウパの肩をたたきながら、奇声をあげます。
ルルンがまた、ブタにむけてのばした片手を、開いたり閉じたりしました。
ブタが鳴き声をひびかせ、ルルンがよろこんで手をたたきます。
10.まとめ
こんにちは、どふぁらずら。
動物の気持ち。
大人になると、忘れてる。
ルルンとブタは、気心がしれてるのかもしれないずら。
おっと!
こっちも、忘れてるかもしれないずら。
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