ほんのちょっとの小さな愛情。
ほんとうに、とどくのかな?
< 本文は:物語風に3分 >
目次
1.タウパの前書き <毎日やっても、どってことない>
2.登校する途中に、ほんのちょっと
3.ほんの1分のできごと
4.毎朝おなじだから
5.雨の日は、ちょっとちがって
6.ルルンがしゃべれるようになった
7.真似をして話すルルン
8.なんとなくだけど・ほがらかになる気がする
9.まとめ <つづければとどく>
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き <毎日やっても、どってことない>
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
ちょっとのことだから、
毎日やっても、
どってことないってばぁ。
それに、
ルルン、かわいいもん。
2.登校する途中に、ほんのちょっと
黒い土の道に、白っぽくゆれていました。
木漏れ日を素足でふみながら、茶色い短パンをはいたタウパが、登校します。
道をおれ、門柱のように立つパンの木のあいだから敷地へはいり、屋根が褐色の葉でふかれた母屋をまえにしました。
屋根をささえる柱のあいだに立ち、りょう手を膝について顔を、家の中へむけます。
「おはようございます」
腰を少しまえにおって軒をくぐり、床にりょう膝をつきました。
床のむこうから、歩きはじめて間もない女の子が、足をはやめます。
3.ほんの1分のできごと
いっしょうけんめいに足をはこぶ女の子は、ルルンです。
「あっ、ルルン、ころばないで。気をつけてね」
タウパの首にだきついたルルンが、嬉しそうに奇声をあげます。
タウパがルルンをギュッ、としました。
「ルルン、おはよう」
顔をひいたルルンにタウパが、一方のほほをむけました。
ほほに、ルルンが顔ごと、くちびるをおしつけます。
くちびるをはなしたルルンのほほに、タウパがキスをしました。
「ん~~~~、ばっ」
顔をひいたタウパが、ルルンからはなれます。
4.毎朝おなじだから
軒に頭をぶつけないように、タウパが屋根のしたから、外へでました。
ルルンが立って、手をふっています。
「ルルンも大きくなったら、小学校へいくんだよ」
タウパが歩きはじめます。
「いってくるね」
タウパが道へでるまで、ルルンが手をふっていました。
タウパは毎朝、ルルンに会いにきます。
5.雨の日は、ちょっとちがって
タウパが、母屋へ歩きながら声をかけます。
「おはようございま~す」
屋根の下へはいると、手の平ですばやくこすり、腕から水滴をおとします。
床のはしにりょう膝をつき、走りよったルルンがタウパにだきつきました。
りょう手で肌をたたき、ぴしゃぴしゃ水を飛ばしてよろこびます。
「ルルンが、もっとぬれちゃうってばぁ」
ルルンが顔をひき、ぬれてるタウパのほっぺに、顔をくっつけました。
6.ルルンが、しゃべれるようになった
母屋をまえにしたタウパが、膝にりょう手をつきました。
「おはようございます」
軒をくぐって、床に膝をつきます。
床の反対側で、立ちあがったルルンが、かけだしました。
「たぁぱ、たぁぱ」
「ルルン、おはよう」
ルルンがタウパの首に、りょう手をまわします。
「おーよー、おーよー」
ルルンがタウパのほほに、くちびるをおしつけ、タウパがルルンのほほに、ん~~~ばぁ、しました。
7.真似をして話すルルン
軒の外にでたタウパを、ルルンが見おくります。
「たぁぱ、てらしゃい、てらしゃい、たぁぱ」
「今日は学校で、ピクニックにいくんだよ。ルルンもいっしょにこれたら。いいのにね」
「ぴぃにく、ぴぃにく」
ルルンが手をふっています。
タウパが手をふりかえしました。
「いってくるねぇ」
ルルンが手をふりながら、タウパを見ています。
8.なんとなくだけど・ほがらかになる気がする
ピクニックから帰ったタウパが、井戸で水浴びをし、夕食をとりました。
大人の腰ぐらいの高さの床です。
タウパが、床のはしから足をおろして、どふぁらとならんで座りました。
ヤシの幹にうつる西の空の朱色が、夜のおとずれをしらせています。
「ううっ、うう」
しゃべれないどふぁらが、うなりました。
それがタウパには、なんて言ったかわかります。
「どうしてルルンのところへ、いくんだって?」
タウパが首をかしげました。
「う~ん、どうしてだろう、なんとなくかな?」
「ううう」
「なんとなくにしては、長いことつづけてるって?」
タウパが首を、反対側へたおしました。
「そう言われても……。ルルンが、ほがらかな子になる、そんな気がするからかな……」
9.まとめ <つづければとどく>
ちょっとしたことでも、つづければ!
愛情がとどく。
ルルンはいっそう、ほがらかな子になるずら!
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