やれるなら、だれだってそうする。
だけど、そこまでは――。
< 本文は:物語風に2分 >
目次
1.タウパの前書き <一番大きいと一番高い>
2.高さを競う
3.意見がわかれた
4.たしかめよう
5.そういわれても……
6.おたがいに納得する
7.ですが、危険でしょ!
8.まとめ <無謀はダメ>
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き <一番大きいと一番高い>
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
島には、一番がふたつある。
一番大きい木は、島の先端のほうにあるプララ。
木の実みたいに子どもが100人、ぶらさがれるんだってばぁ。
そして、
一番高い木は、島に何本かあるヤシの木。
ヤシ林の木の倍ぐらい、高いんだってばぁ。
2.高さを競う
島が、弧をえがきながらつづいています。
おだやかな海に、ヤシ林がのっているようです。
遠くの方は、ヤシ林がかすみながら消えていきました。
「あの木だってばぁ」
浜にたったタウパが、片腕をあげ指をさしました。
「ぜったいにこっちだよ」
タウパの友だちのウングでした。
「この前、タウパといっしょにのぼった木、高かったけど、あそこまで高かったのかな?」
「だってぼくが指さしてるのは、ヤシ林から生えてるみたいに幹がのびてる中で、一番をあらそう木だから――」
3.意見がわかれた
「あの木のほうが、高いってばぁ」
砂浜にたって、いいあっています。
「よくみろよタウパ、少しだけど、こっちのほうが高いだろう」
「幹のさきで空にむかってのびる若い葉っぱが、あの木のほうがその上をいく雲に、ちかいってばぁ」
「いや、雲にちかいのは、こっちだ。その証拠に、タウパがいう木の葉より、こっちの木の葉のほうが、緑にかがやいてる。太陽にちかいからだ」
「そんなことないよ。あの木の葉のほうが、風をいっぱいうけてる。高いからだよ」
4.たしかめよう
「じゃあ、ぼくとタウパ、どっちのいうことが正しいか、大人にきいてみようよ」
タウパがウングにむいて、腕を組みました。
「大人にきくのはいい方法だけど、人にたよるより、自分たちで決めようよ」
ウングがりょう手を、腰にあてました。
「意見がわかれて、決められないから、大人にきいてみようって、いってるんだ。自分たちで、じゃんけんして勝ったほうだったら、間違いかもしれないじゃないか――」
タウパが拳で、もういっぽうの手の平をたたきました。
「それだ! 間違わないように、たしかめよう」
5.そういわれても……
「たしかめるって、どうやって?」
タウパの目が、うれしそうにかがやいています。
「かんたんだよ。ぼくたちが天辺まで、のぼればいいんだよ――」
ウングが驚いたように、目を大きくしました。
「この前、いっしょにのぼった木だって、風をうけてゆれてたじゃないか!」
「そうだね、どっちの木もここからみて、上のほうがゆれてるのが、わかるぐらいだからね」
タウパがウングの顔を、下からのぞくようにみました。
「ウング、こわいんだ?」
6.おたがいに納得する
ウングが下をむいています。
「そりゃあ、こわくないっていったら、ウソになる……」
「だけど、落ちるとは思わないでしょう」
タウパがまた、ウングの顔をのぞきこみました。
「ウング、ぼくは意見がわかれたときは、たしかめられるなら、実際にやってみるのが、一番いいと思うよ」
「こわいのは、ちょっとだけだからいいよ、わかったよ」
ウングが顔をあげました。
「タウパのいうように、のぼってたしかめたら、おたがいに納得するし――」
7.ですが、危険でしょ!
「それじゃあ、いこう」
タウパが砂をけってはしりだし、ウングがタウパの横にならびます。
「自分が高いと思うほうの木に、のぼるんだよね」
「どっちでもいいと思うよ。葉の芯にたったぼくらのどっちが高いか、おたがいに見比べれば、わかるってばぁ」
「そうだね。木と木がはなれていても、そのあいだに何もないから、よくみえる」
タウパとウングが、大きく足をひろげて、はしりました。
「ふんずけちゃうぞ、どけどけぇ」
白っぽいカニが、ふたりに道をあけるように、いっせいに移動します。
8.まとめ <無謀はダメ>
こんにちは、どふぁらずら。
意見がわかれたら、実際にやってみる。
おたがい、納得できるずら。
んだが、
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