我が子のはぐくむ、ステキな思い

 


*目にやさしい背景色を使用*











自分の子どもがいないと、うまれないってことだよね?








< 本文は:物語風に3分 >


目次

1.タウパの前書き

2.やかましく感じる

3.うざったく思う

4.愛情のかけらもない

5.長男と長女の親に

6.そうカリカリするな・我が子のためなら

7.自分の子どもを持ったから・上等な愛

8.まとめ <どんなに思いやっても>








それでは、物語のように、どうぞ















- そこは、さんご礁にかこまれたのしげる島 -








1.タウパの前書き


こんにちは、島に住む10才のタウパです。

子どもがいるのは、大人だけだけど……

子どもがいないと、

40才や50才の、そんな大人でも!

思い、

持ってないってこと?

大人はすごいから、だれだって持ってるってばぁ。


















2.やかましく感じる

5才ぐらいから、小学6年生ぐらいの子どもが、20人以上です。

潮が引いて浅くなった海であそぶ声が、聞こえてきます。

「うるせえな、クソガキどもが、静かにあそべないのか」

20才をすぎて結婚したばかりのブーナイが、火をおこす小屋の屋根の葉を、こうかんしています。

「作業に集中できねぇじゃねぇか――」

屋根裏へのばした手をおろし小屋のそとへでて、浜をまえにヤシの木のあいだにたちました。

「うるせえぞ、静かにしろ――」

大声におどろいた子どもたちがいっせいに、ブーナイへ顔をむけました。

ブーナイは背をむけて作業にもどり、子どもたちの声が少しずつ大きくなります。


















3.うざったく思う

ブーナイの横を妻のイーナがあるいて敷地から、パンの木の枝葉がおおう道へでました。

小学2年生ぐらいの子が3人、ならんでまえをあるいています。

「みんな手にトンボ草を持ってるわ。集落のちかくにもはえてるのかしら?」

「しらねぇな。おれがトンボ草でトンボとあそんだころは、林のおくにはえてた」

そういったブーナイが、片手であたまをかきます。

「まったく、みてるだけで、うざったくなるぜ――」

「ちょっと、子どもたち、はしりだしたじゃない。そんなこというからよ――」

イーナがりょう手で、口をかこみました。

「はしってころばないでね。トンボといっしょに空を飛べるといいわね」

 💦 トンボと飛ぶページは、こっち>


















4.愛情のかけらもない

ブーナイとイーナが、イーナの姉が嫁いだ家をたずねました。

葉をふいた屋根の軒先にたつ姉に、ふたりがむいています。

「せっかくきてくれたのに、わるいわね。下の子のぐあいがよくないのよ」

イーナが眉をよせました。

「それで、どんな様子なの?」

「食べた物はみんなもどして、ヤシの樹液をのませても、すぐにはいちゃうのよ」

イーナがひざにりょう手をついて、軒ごしに家のなかへ顔をむけました。

「おばあさんが看てくれてるのね、仰むけになった子の肩に、手をあててるわ」

ブーナイも腰を折って、子どもへ顔をむけました。

「口から泡をふいてるじゃねぇか、かわいそうに……」

イーナがおどろいたように、ブーナイに顔をむけました。

「あのガキ、死んじまうなら、はやいほうがいいぜ。苦しむのがみじかくてすむ」

ブーナイにむいたイーナのりょう目が、とたんに大きくなります。

💦 子どもの手当てのページは、こっち >

















5.長男と長女の親に

≪なつかしいわぇ。あのころのブーナイ、子どもを子どもと思ってない、みたいなところがあったから……≫

心のなかでいったイーナが、母屋の床にあぐらをかき、横になる3才の長女の胸に手をあてています。

「ねぇあなた、海であそんでる子どもたちの声、うるさく感じないの?」

ブーナイがたって屋根裏へりょう手をのばし、古くなった葉をとりかえています。

「なにいってるんだ。楽しそうにしてる声は、なごむぜ」

イーナが口元の一方を、わずかにあげました。

「おれたちの息子も、いっしょにあそんでるんだよな」


















6.そうカリカリするな・我が子のためなら

6才の息子が海からはしってきて、母屋の軒先をとおりすぎます。

「ちょっとあなたたち――、この子ぐあいがわるいんだから、静かにとおりなさい」

子どもたちの素足が、地面をける音がひびきます。

「イーナ、そうカリカリするな。おれたちの娘はみんなの足音を、背中で感じてる。だいじょうぶすぐに元気になるからって、エールみたいなもんだ」

「もー、あなたったら――」

「それで、この子のぐあいは、どうなんだ」

「胸がくるしいらしいのよ」

ブーナイが、長女をまえにしてしゃがみました。

「しんぱいするな。おれが自分の心臓を、この子にやってでも、元気にするから」


















7.自分の子どもを持ったから・上等な愛

「どれどれ、どんなぐあいだ。おれにも手をあてさせろ」

イーナが長女の胸から、手をどけました。

「あなた、結婚したころと、ずいぶんかわったわよね」

「おう、なさけねぇことに、自分の子どもを持ってから、わかった。子どもを守るためなら、自分の命なんておしくねぇ。こんな上等な愛を、おしえてくれて、ありがたいぜ」

イーナが、うれしそうな顔をします。

「そりゃあ、他人の子どもに、命をかけられるかっていったら、むずかしい。だがほら、おれの背中をみてみろ」

「いやだ! 大きなアザができてるじゃない――」

「人様の子どもを、突き飛ばすわけにいかなかったからな。落ちてきたヤシの葉を、うけたんだ」








8.まとめ <どんなに思いやっても>







こんにちは、どふぁらずら。

子どもを持つまえに、どんなに思いやっても、

親とおなじには、なれないかもしれない。

我が子のはぐくむ、ステキな思いずら。




おっと!

そんな思いがあるのに!

・自己嫌悪 >








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