< 本文は:物語風に3分 >
目次
1.タウパの前書き
2.気にいらないから
3.人の心ぐらいある
4.足がふらふら
5.出来ると思ったのに
6.意外なことに!
7.最高に気持ちいい
8.いいやつ
9.まとめ
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
ぼくもガギに、
蹴っとばされて、海にしずめられたことがある。
そんなガギが、
だれかに気持ちを、わかってもらったとしても、
どうにかなるわけないってばぁ。
2.気にいらないから
小学校からのかえりに、ヤシ林でひと暴れしたガギが、ルイトとならんで道へむかいます。
ふたりとも制服の茶色い短パンをはき、素足で草をふんでいます。
小柄なルイトに、大柄なガギが顔をむけました。
「そりゃあちがうぜ、たすけたんじゃねぇ」
はきすてるようにいったガギが、片足で草をけりました。
「いじめてるやつが、あいつだったからだ。あいつ偉そうで、気にいらなかった。ざまぁみろってんだ」
道へでたルイトとガギが、集落へむかいます。
一方にはヤシの木のあいだに、おだやかな海が青くひろがっています。
3.人の心ぐらいある
ルイトがうれしそうな顔を、ガギにむけました。
「それにしてもガギ、上級生にあんなことして、ついこのあいだまで、学校にもこれずに反省してたなんて思えない」
ガギが舌をうちました。
「うるせえ、ルイトが俺にせっきょうしたんだろう。おまえじゃなかったら、ぶっとばして終わりだ。反省なんてしてねぇ」
ルイトが笑みをふかめます。
「そういう問題じゃない。ガギが自分のしたことに、あんなに落ちこんじゃってたのにねぇ」
「おまえ、それ以上いったら、ぶっとばすぞ。俺にだって人の心ぐらいある――」
4.足がふらふら
ルイトが一方の腕をあげて、ヤシの木のあいだを指さします。
「みてよ、うわさをすれば、ケイクじゃないか!」
ガギが首をかしげました。
「片足がちょっとへんで、もともと歩き方が少しかわってるけど、なんなんだ、あいつ。ふらふらじゃねぇか?」
ルイトとガギが足をとめました。
ケイクが草むらをあるいて、道へもどろうとしています。
「おい、ルイトみろよ。あいつ濡れてるぜ、海からでてきたんじゃないのか?」
ルイトとガギが、あるきだしました。
5.出来ると思ったのに
ルイトが声をかけました。
「ケイク、おまえなにやってるんだよ、こんなところで、しかも、ひとりじゃないか!」
ケイクが片手で髪の毛の水をはらいます。
「弟がやりたいって、ぜったいに出来るからっていってきかないから、いっしょにヤシの木にのぼったんだ」
ルイトが視線をさげ、ケイクの足へむけました。
「その足でのぼるの、たいへんなんじゃないのか?!」
「うん、弟をおろそうと思って、もう一度のぼったから、もうへとへとなんだ」
「まぁな、おりるのは、海へとびこめばいいからな」
ルイトが海へそりだしている、ヤシの木をさがしました。
6.意外なことに!
ガギが腕をくみました。
「おまえの弟、どうせ上までのぼったら、怖くなって、尻ごみしたんだろう」
ケイクがうなずき、ガギが腕をほどきました。
「よし、俺にまかせろ」
「えっ! ガギが?」
ルイトが驚いたようにガギに顔をむけ、りょう目を大きくしました。
「バカやろう。人の心があるっていっただろう」
ガギが草むらへはいり、海のほうへあるきます。
7.最高に気持ちいい
「安心しろ、今いくからな」
声を青空へとばすようにいったガギが、幹をのぼります。
放射状にひらくヤシの葉のあいだを弟を背負ってガギがおり、幹にうつりました。
「しっかりつかまってろよ。海に落ちるならいいけど、幹の途中から下が、海じゃなくなるからな」
弟がガギの首にだきついています。
「高さがわかっただけ、いいじゃねぇか。最初から怖がらないやつは、めずらしい。もう少し大きくなったら、とびこめる。最高に気持ちいいぞ」
地面にたったガギが弟をおろし、ケイクにむきます。
「礼は、よけいだぜ」
8.いいやつ
ケイクと弟の少し先をルイトとガギがならんであるき、集落へむかいます。
ルイトがからかうような笑みをガギにむけました。
「ケイクにゆるしてもらった、借りがあるからだろう」
ガギが前をむいたまま、口をひらきました。
「俺がそんなに気持ちの小さな男だと、思ってるんだなおまえは?」
ルイトが片手で頭をかきます。
「いや、そういうわけじゃないよ」
ルイトはガギに顔をむけ、ガギは前をみていました。
「ケイクは、人の気持ちのわかる、いいやつだぜ……」
ルイトがうれしそうに微笑みました。
💦 ケイクの人の気持ちのわかるページは、こっち >
9.まとめ
こんにちは、どふぁらずら。
気持ち、わかってくれたから。
そりゃあ、ありがたいずら。
ガギは、
つらい気持ちを、わかってもらったずら。
おっと!
こっちは親の気持ちが、子どもへつたわるずら。
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