おなじ食べ物でも、えがおや言葉が、ばつぐんにおいしくする
本文は:物語風に5分
<ふりがな> 小学3年生~
1.タウパの前書き
2.へんな海
3.もしかすると海が、すねた?
4.海ていのすなのなかに住んでる
5.ゴカイや貝は、もういやだ
6.びっくりするお父さんとお母さん
7.心のそこからうまい!
8.ほっぺたをふくらませて
9.まとめ
それじゃあ、物語みたいに、いくよ
1.タウパの前書き
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
そうだよね。
つまらなそうな顔してる友だちと、
いっしょに食べたら、おいしい物でも、まずくなるってばぁ。
2.へんな海
すなはまをあがったところに、ヤシの木が立ちならんでいます。
木のよこにシンとスンスのお父さんが、友だちとならんで立ちました。
「今日もダメか」
お父さんが、ざんねんそうな顔をしました。
友だちの男の人が、くらい顔をしています。
「ああこれじゃあ、魚をとりにいけない」
「今日で、なん日めになる。空はよくはれて風がないのに、海があれてる」
「こんなことって、今まであったか?」
お父さんが首をかしげました。
3.もしかすると海が、すねた?
友だちの男の人も頭をよこへたおしました。
「風がつよくふけば、大きななみが立つ。それだったらわかるが――」
お父さんが、うでを組みました。
「まさか、海がきげんをわるくしたんじゃないだろうな!?」
「もしかして、むかしむかしの、あれか?」
「ああ、そのときは、夜空に光るほし空を、海面にうつしだす海より、きれいな音色の口ぶえが、気にいらなかったそうだが……」
「夜に口ぶえなんて、ふくやつはいないぞ」
「そうだ、だからほかになにか、海がきげんをくずすことを、だれかがしてるんじゃないか――?」
「長にいって、調べてもらったほうがよさそうだな」
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4.海ていのすなのなかに住んでる
お父さんが家にかえり、お母さんとむきあって立ちました。
「そうなんですか、今日も!」
お父さんがこまったように、かた手で頭をかきました。
「ああ、まいったよ。子どもたちはどうだ」
「そりゃあ、潮がひいて海水が、なくなったときにとる、ゴカイや貝ばっかり、食べてますからねぇ」
お父さんがまゆげを、グイッとよせました。
「おれだって、ゴカイや貝は、食べあきてる」
5.ゴカイや貝は、もういやだ
ねむる家の屋根は、葉っぱをかさねてつくってあります。
その母屋ののき先に立つ、お父さんとお母さんに、かけよりました。
2年生のスンスが、お父さんのかた足に、だきつきます。
「ぼく、魚が食べたい。魚、魚、魚!」
4年生のシンが、お父さんのまえに立ちました。
「ぼくも魚なら、なんでもいいから、魚が食べたい」
スンスがお父さんの足を、ゆらそうとします。
「まい回、ゴカイや貝じゃ、いやだよ」
シンがりょう手をこしにあて、お父さんの顔をまっすぐにみました。
6.びっくりするお父さんとお母さん
夕ごはんは、暗くなるまえに食べます。
母屋のよこに、ヤシの葉をあんだマットをしきました。
たくさんの貝とたくさんのおイモが、葉っぱのおさらにのっています。
それをかこむように4人が、あぐらをかいてすわりました。
シンとスンスが、ふまんそうな顔をします。
お父さんと目をあわせたお母さんが、うなずきました。
「あなたたち、先に食べるわよ。あらっ、おいしいわねぇこの貝、なんておいしいんでしょう」
「どれどれ、おっ、ほんとにうまいな。こんなにうまい貝は、はじめて食った」
お父さんがしあわせそうに目を、トロンとさせました。
7.心のそこからうまい!
「この貝ったら、おイモといっしょに食べると、いっそうおいしいじゃない」
お母さんが、うれしそうな顔をお父さんにむけます。
「まったくだ。お母さんのいうとおりだ。貝からしみだす味が、イモをひきたてる。なんてうまいんだ」
シンとスンスが顔を、じゅんばんにお父さんとお母さんに、むけました。
ふしぎそうにみています。
いつもとおなじ貝じゃないか、そんなことをいいたそうな顔をしていました。
「それにしても、おいしいわねぇ」
「ほんとにうまい、心のそこからうまいな」
お父さんとお母さんが、貝とおイモをパクパク食べます。
8.ほっぺたをふくらませて
シンとスンスが手を、貝にのばしました。
カラをひらいて、ぷりっとした身をつまみます。
「ほんとだ、今までの貝とちがうぞ!」
そういったシンが、スンスに顔をむけました。
「お兄ちゃん、おイモといっしょに、食べてみてよ」
「おいしい、ほっぺがおちそうだ。今までになかった味だ!」
「そうだろう、おまえたち。ちがいがわかるんだな。貝とイモ、なんてうまいんだ!」
「ほんとうにおいしいわねぇ。ふたりともたくさん食べるのよ」
シンとスンスがふくらんだほっぺを、もごもごうごかします。
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9.まとめ
やぁ、どふぁらずら。
海、
わがままだとしたら、こまるずら。
それにしても、お父さんとお母さん、やるずら。
ふたりが、おいしく食べれば――。
ばつぐんに、うまくなるずら。
おっと!
こっちは、やさしい子になるずら。
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