考えたらできないことが、考えなければできる。
< 本文は:物語風に2分 >
目次
1.タウパの前書き <先にわかったら>
2.健気
3.思いやり
4.愛情
5.まとめ <やれば近づく>
それでは、物語のように、どうぞ
1.タウパの前書き <先にわかったら>
こんにちは、島に住む10才のタウパです。
島の人の気持ちは、強くて優しい。
そう、どふぁら兄ちゃんがいう。
自分も、そうなるんだって、決めてる。
だけど、
どふぁら兄ちゃんの目指してることが、
どんなことなのか先にわかったら、どふぁら兄ちゃんは、どう思うんだろう。
2.健気
レケは40才をすぎた細身の女性です。
幼いころ木から落ちて、利き腕がつかえなくなり、歩き方もへんです。
「レケは、なにもしなくていいからね」
そう家族から、なんどいわれても、首を横にふったレケは、やがて集落の人の杖になりました。
レケが、軒先から声をかけます。
「こんにちは、トイレにいきたいのは、だれでしょう? それとも、トイレじゃなくてほかの場所かしら? どこへでも一緒にいきますよ」
レケが肩をゆらして歩き、その肩をおもにお年寄りが、たよりにしました。
「こんなことしかできないけど、なにもしないでいるより、ずっといいわ。たよってくれる人の笑顔が、わたしのちいさな幸せなの」
レケは、わけへだてなく人の、たすけになろうとします。
レケの話をきいた、どふぁらが思いました。
≪健気ずら。そんなひかえ目な気持ちで、おいらにできるか、考えたら、う~ん……≫
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3.思いやり
「だれかぁ。ブタをとめてぇ。犬はブタを追いかけちゃだめぇ。棚が、バラバラになっちゃう」
ネアラが悲鳴をあげています。
「あらぁ、いやだわぁ、こんなにめちゃくちゃに、こわしちゃって。まだ新しくて、つくったばかりじゃない」
食事にかんする物をいれる棚でした。
「なぁに、問題ない。心配しないでください。ほとんどこわれていません」
その家の主が胸をはり、にこやかにいいます。
「ほんとうに、気にしないでください」
≪今ならわかるずら。こわしたことをもうしわけなく思って、かわりの棚をつくる相手の苦労を、さっしていってるずら。おいらにそこまで相手を、思いやれる人になれるかって……。むずかしいずら≫
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4.愛情
枝葉のあいだから入った星の光が、杖をつきながら歩くハチにあたりました。
前をむいて、ゆっくり足をすすめます。
それぞれの家の中から、集落の者たちが、そっと見おくりました。
「自分のしめくくりは、頭がしっかりして、歩けるうちだ」
「ハチさん、きのうから、なにも飲んでないらしいわ」
「林へ入れば、すぐに天国へいける」
「おつかれさま」
「ああ、ほんとうに、長いあいだ、おつかれさまでした」
ハチの頭上から枝葉がきえ、道の両側にヤシの木がたちならびます。
木のかげにたったタウパの問いに、いとこのお姉さんのボアタが答えました。
「自分の子どもや孫に、めいわくをかけたくないんだ。大人の誇り、っていうのらしい。まだ小さい自分の子どもが、具合が悪くなって、死にそうになったら、自分の命をあげてでも、助けたいと思う。その気持ちが、なん十年たってもかわらない。だから、自分から天国へいくんだ」
どふぁらが、深いため息をつきました。
≪言葉がないずら。これは強烈ずら。やれるか、やれないかじゃない。子や孫への愛ずら。んだが、口ばっかりのおいらには……トホホ≫
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5.まとめ <やれば近づく>
こんにちは、どふぁらずら。
こんなの前もっておしえられたら、尻込みずら。
んだから、
できるかどうかなんて、考えない。
やる!
そうすれば、近づくずら。
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